仕事ができない自分に悩んでいる人、もしくは「仕事が遅い」「ミスが多い」といった理由で上司からよく怒られる人、はたまた職場に仕事ができない部下や同僚がいるという人。『仕事ができない』という事実はわかっていても、『どのように改善したらいいのか』はわからない人も多いはず。

ここでは、世界で3,000万部売れたロングセラー『7つの習慣』のメソッドをもとに、研修やコンサルティングを実施する「フランクリン・コヴィー・ジャパン」の取締役副社長・佐藤 亙氏に『仕事ができない人の解決法』を聞いてみた。第二回は、「ミスが多い人」。

なぜ、ミスが多いのか?

「ついこないだも、同じミスをしたのに!」「コイツ(部下)、何回教えてもミスばっかりするなぁ」……。会社で、このようなシーンに遭遇することは多い。では、なぜ頻繁にミスをしてしまうのだろうか? 佐藤氏は原因として、次の2タイプが挙げられると話す。

・自分目線でしか物事が見えていない
→「特に同じミスを繰り返してしまう人に多いのが、これです。上司やクライアントから依頼を受けた案件なのに、自分のことだけしか考えずに仕事に取り組めば、自ずとミスが多くなってしまいます」。

・ミスに委縮しすぎている
→「『前にミスをしたとき、上司にすごく怒られた』といった経験があると、次に仕事を振られても、怒られたくないという思いが先走ってすぐに反応(レスポンス)し、結局また同じミスをしてしまうという悪循環を生みます」。

どう改善すればいいのか?

・自分目線でしか物事が見えていない
A.自分を疑うべし
→「『7つの習慣』では、原則に基づいた『物の見方・考え方(パラダイム)』にシフトすることを重要視しています。大切なのは、ミスが起こりそうなビジネスシーンにおいて、このパラダイムをシフトさせること。自分だけでなく、上司やクライアントなど色々な立場の目線で物事を見ることが大切です。自分を疑い、慎重に物事を捉えることもその第一歩と言えます」。

・ミスに委縮しすぎている
→A.頭にスペースをつくるべし
→「ここでは同書の『刺激と反応』の話が当てはまります。委縮してしまうと、(任された仕事から受ける)刺激に対して気分や感情のままに即反応してしまいますが、大切なのは刺激を受けたら、頭にスペースをつくってしっかりと考え、それからより適切な反応を選択することです」。

プロフィール: 佐藤 亙

1988年、モトローラ社に入社以来、一貫して人事畑を歩む。1993年にモルガン・スタンレー証券社に転職。パフォーマンスマネジメントを中心とした企画業務を経て、人事ジェネラリストとして人事業務全般に従事する。その後、日本ケイデンス・デザイン・システムズ社人事マネージャー、日本マイクロソフト社人事本部長、SAPジャパン社人事本部長・バイスプレジデント、日系ベンチャー企業の執行役員を歴任した後、2006年にフランクリン・コヴィー・ジャパン副社長に就任。「7つの習慣」をはじめとした研修全般のプログラム開発、講師マネジメント部門、オペレーション部門を統括している。