暑い日は、無性に辛いものを食べたくなる。それは一体、なぜなんだろう。
一説によると、トウガラシなどの辛い食べ物を摂取すると、一時的に皮膚表面の体温は上昇するものの、汗とともに熱が皮膚から逃げ、皮膚表面の温度は食事前よりも逆に下がるらしい。よって、食べた後は爽やかな気分になれるのだとか。
小難しいことはよくわからないが、夏に身体が辛いものを欲するのは、そういったメカニズムに基づく野生の本能が働いているのかもしれない。
ということで、今回はその本能を満たすべく、暑い日に食べたい“辛うまお取り寄せグルメ”を数回に分けてご紹介。まずは『ミシュランガイド東京』掲載の本格中華料理店、「なかの中華!Sai」の「火鍋カレー」(1袋1,200円)をレコメンドしよう。
“5年連続ミシュランビブグルマン”が作る超絶品「火鍋カレー」とは
「なかの中華!Sai」は東京の中野にある高級広東料理店。5年連続でミシュランビブグルマンにも選出されている超名店で、オーナーシェフの宮田俊介さんは「ジョブチューン」(TBS)を始め、メディアで見かける機会も多い有名料理人である。そんな彼らがオンラインで販売するのは、同店の特製火鍋をベースに使った火鍋カレーだ。
あの「なかの中華!Sai」がカレーを作っていたとは……。絶対に食べたいし、そんなの絶対に美味しいに決まっている。しかも、実際に買おうと思ってググってみると、仕込んだ分があっという間に完売するほど人気だったりもするようだ。そりゃあそうだ。むしろ、買えるだけでラッキー、家で味わえるだけで幸福だと思ったほうがいいだろう。
ということで、実際にポチってみることに。数日後……
この冷凍パックされた火鍋カレーが到着。きたきた~!
成分表はこんな感じ。とりあえず冷蔵庫に移し、一晩解凍してから加熱して食べることにしよう。
ちなみに作り方は超簡単で、沸騰したお湯に火鍋カレーをパックのまま入れて温めるだけ。冷凍のままなら約10分、冷蔵で解凍できている状態なら6分ほど加熱すれば食べごろだそうだ。しかし、何やら大きな肉が入っているようなので、肉の加熱具合によってはもう1~2分間は長めに温めたほうがいいかもしれない。
じゃあ……とりあえず7分くらい加熱してみようかな。
よし、十分温まっただろう。これをご飯をよそったカレー皿によそえば……
出来上がり! すでにいい香りがプンプンと漂ってきている。てゆーか、肉デカッ!! 肉塊と呼びたくなるレベルの大きさである。
それではさっそく、いただこう。まずはスープから一口。ずずっ。
うっ………………美味い…………!! なんだこれ!!!? すごい!!
これは火鍋であり、カレーでもある。火鍋とカレーの華麗なるフュージョンだ。新しい。面白い。すごく不思議な味なんだけど、めちゃくちゃ美味い。
火鍋とカレーって、合わせるとこんなにも相性がいいのか。確かに同じスパイシーな料理ではあるが、めちゃくちゃいい組み合わせじゃないか。火鍋もカレーも大好きだが、まさかこのふたつを融合させて食べるなんて、思いもよらなかったが……これは美味い。
まず感じるのはスープのコクと山椒の華やかさ、痺れ感。このコク深さはココナッツミルクやオイスターソースなどから来ているのだろうか。ただ辛いだけではない。玉葱や人参などの野菜やココナッツミルクに由来する甘さと濃厚さ、唐辛子や山椒などの香辛料に由来するスパイシーさ。その甘味と旨味、辛味のバランスが絶妙で本当にクセになる!!
続いて、この大きなお肉も食べてみよう。もはやカレースプーンがティースプーンみたいになっている。お肉の正体は牛肩のバラ肉だそうだ。それでは、いただきます。
しっかりと煮込まれていて、スプーンで裂けるくらい身は柔らかいのだが、口の中でとろける系ではなく、しっかりとお肉の繊維の歯ごたえが感じられる。もちろん、お肉には火鍋カレーの味もしっかり染み込んでいて、噛めば噛むほど旨みが溢れてくる。ああ、すでにおかわりがほしい……。
それからもスプーンを口に運ぶ手は止まらず、むしろ手の動きは早まる一方。もっとこの火鍋カレーを食べたい、ずっと口の中を火鍋カレーで満たしていたい……。ああ~美味い。ああ~辛い。ああ~舌がビリビリと痺れる! 汗がじわじわと流れてゆく。この瞬間はもう、完全に火鍋カレーのことしか考えられない。何度でも言うけど、これ本当にめちゃくちゃ美味い!!
1袋1,200円という値段は、普通に考えれば高く感じるかもしれない。しかし、この美味しさなら納得。むしろ、こんなに大きなお肉が入っていてこれなら、安く思えるくらいだ。今は美味しいレトルトカレーもたくさん出ているが、5年連続ミシュランビブグルマン選出店が直接仕込んでいるカレーの味は完全にレベチ。ぜひ一度味わってみてほしい。