――今後こういう作品を作ってみたいというものはありますか?

去年、「ベタドラマ」が約20年ぶりに復活して特番をやったのですが、ああいうドラマとバラエティのハイブリッド的な、「そういう手があったか!」と言われるような企画にもチャレンジしていきたいですね。

――バカリズムさんの『ノンレムの窓』は、それに近い企画ですよね。

そうですね。『世にも奇妙な物語』(フジテレビ)とはまたちょっと一線を画して、笑えるオムニバスっていいんじゃないかということで始めたのですが、やっぱりバカリズムさんの脚本が本当に面白いので、そこがうまくできた番組ですね。

――配信が発達してきた中で、「地上波の連続ドラマ」が果たす役割というのは、どのように考えていますか?

若干考え方が古いかもしれませんが、自分の作ったものが家で会話になればいいなと思っています。すごく食い入るように見てもらわなくてもいい。みんなが今スマホで一人でYouTubeを見るのに対して、テレビは複数で同時的に視聴するメディアなので、「作品として残したい」という意識よりも、刹那的にその場でちょっと見てる人が楽しくなって会話が生まれてくれればいいんです。ドラマを見て、ストーリーと関係なく出てる役者さんの話をしてくれてもいいと思っています。

SNSで発信したり共有したりするのが当たり前の今ですが、先ほどお話しした、伊藤淳史さん親子のように、一緒にテレビを見て、そこに会話が生まれて、それが僕に伝わってきて「今、子どもはこういうのが好きなんですよ」「それ面白いですね」と、言葉がどんどんつながっていくような役割が、テレビにはまだまだあるんじゃないかという気がしています。

――誰かと一緒に視聴すると、最初の起点がSNSの口コミではなく会話から始まるので、より言葉がつながっていくということがあるのかもしれないですね。ご自身が影響を受けた番組を1本挙げるとすると、何でしょうか?

大学で劇団に入ったきっかけは、フジテレビの『恋人よ』(95年)というドラマだったんですよ。岸谷五朗さんと鈴木保奈美さんが出て、ゴリゴリの不倫ドラマなんですけど(笑)、高校生の時に見て、ひどく感銘を受けまして。それで、何かを表現するとか何かを作るというものに興味を持ち始めました。あれを見ていなかったら、今ドラマを作っていなかったと思います。

――岸谷さんや鈴木さんとお仕事されたことはあるのですか?

岸谷さんは『恋です!』に、杉咲花さんのお父さん役で出ていただきました。「この世界に入るきっかけを作ってくれたのは、岸谷さんです。ありがとうございます」と言ったら、喜んでいただけました(笑)

――いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました。最後に、気になっている“テレビ屋”を伺いたいのですが…

『1周回って――』でずっとお世話になっている制作会社「いまじん」社長の中山準士さんです。高橋トシさん(日本テレビ・高橋利之氏)とよく番組をやっていて、『行列のできる相談所』の最終回も中山さんが演出を担当されていました。会社の社長でありながら、第一線でバラエティのディレクターとして活躍していて、すごいバイタリティだなと思いながらいつも一緒に仕事をしています。

  • 次回の“テレビ屋”は…
  • いまじん・中山準士社長