――MCは百戦錬磨の上田晋也さんです。

上田さんは九州男児ですし、男っぽいからこの番組に合うのかな…と思っていた部分はあったんですけど、始まってみて気づいたのは、女性に対して高圧的な部分はなく、むしろ女性に対するリスペクトが根底にある人だなと。それがあったので、初めて収録したときに、「見えたな」という感じがありました。

――女性のレギュラー陣も、トークの猛者たちが集結しています。

皆さん、とにかくめちゃくちゃ真面目ですね。この番組のために、日々腹が立ったことをメモしていただいてますし、大久保(佳代子)さんは聞くところによると、この番組がレギュラーになってからネタ発掘のためにいろんな人と飲みに行くようになったり、私生活がちょっと変わったそうなんです。若槻(千夏)さんは「家族全員で若槻千夏だよ」とおっしゃってるらしくて。要するに、「旦那も子どもも若槻千夏の一部だから、面白いネタがあったらお寄せください」って感じでみんなでネタを集めているそうです(笑)。この向上心が、皆さんとてつもないんですよね。

  • 大久保佳代子 (C)日テレ

――ひな壇で並んでいると、「ここで負けられない」みたいなライバル心も出てくる感じですか?

うちの番組はチームプレーだと思います。1人が突出して目立てばいいっていうのではなく、誰かがちょっとスベったら誰かがフォローに入るとか、自分が長くしゃべったらこの人の時間がなくなるなとか、そのへんをすごく計算しながら皆さんがやってくださってるなっていう感じがしますね。

――その女性陣の中で、ファーストサマーウイカさんは、この番組が初めての単独バラエティ出演でした。ここまでブレイクするという予感はあったのですか?

新たなスターを発掘したいということで、特番時代からずっとオーディションをやっていて、ウイカさんもそこに来ていただいたんですが、その段階から担当ディレクターが「違う」「この子だったらいける」と言ってましたし、初めて出てもらったときからすごかったですね、

――そんなウイカさんが、大河ドラマ『光る君へ』で清少納言役に起用されました。

私はレギュラーの皆さんのことを現代の清少納言だと思ってるので、「こんなことがあるんだ!」と思って、うれしかったですね。やっぱり大河のスタッフの方も、ウイカさんに独特の着眼点とか、どこか毒気があるとか、清少納言みを感じたんじゃないかと思いますね。

  • ファーストサマーウイカ (C)日テレ

――他にも「見つけた!」という方を挙げるとどなたになりますか?

私的にはですね、爛々(らんらん)というお笑いコンビがすごくいいなと思っているんです。オーディションのときから良かったですし、何回も出ていただいてます。着眼点もすごいですし、キャラクターとしてもすごくいいなと思っています。

「自分の世界とつながっている」と感じるトークテーマに

――これまでを振り返って、印象的なトークを挙げるとすると何でしょうか?

皆さんの話を聞いてて「枕草子っぽいな」と思うことがよくあるんです。例えば、街の女性に「どういうときに寂しいと思いますか?」と聞いたときに「スーパームーンのような天体ショーはみんなでSNSで盛り上がれるけど、今道端に咲いてる花のような、何げない美しいものを、きれいだねって言い合える人がいないことに気付いたときに孤独を感じます」と言われて、繊細な感性に心震えたり。

スタジオの女性陣の皆さんも、MEGUMIさんが「すごい帽子をかぶってサングラスをかけた女性が颯爽と歩いてきて、どこのタレントかなって思ったんだけど、サングラス取ったらどこの誰でもなかった」という話とか、若槻さんが言った「並んだお皿で隠れミッキーをすぐ見つける女」とか、着眼点が素晴らしいなと思ってすごく印象に残ってます。

――トークのテーマ設定はどのように意識されているのですか?

「共感できる」というところを大事にしてます。タレントさんの世間離れした話とか、”芸能界あるある”的な話ばかりになると、視聴者が共感できる要素がない。なので、「人見知り」「メンタル弱い」「寂しがり」とか、あえてネガティブだったりコンプレックスに感じるようなことを選んで、多くの人が当てはまる普遍的なテーマを考えています。街頭インタビューを入れているのも、見ている人に「自分の世界とつながっている」と感じてもらうためです。

――レギュラー化して2年で、元日のゴールデンタイムを任される(※)人気番組になりましたが、支持を受ける理由はその「共感」というところですね。

(※)…能登半島地震の報道特番で後日振替放送。

そうですね。普通のトーク番組だとタレントさんの鉄板トークを聞いていくものが多いと思うんですが、この番組は必ずしも笑いだけじゃなくて、視聴者の皆さんにとって自分事になってもらえてるのではないかと思います。それと、自分が普段、日常生活で言えないようなストレスを、タレントの皆さんが代わりに言ってくれる気持ちよさもあると思います。

――そうすると、数字を見ると男女比は圧倒的に女性のほうが多いですか?

そうですね。