• 『霜降りバラエティX』(毎週土曜27:00~)
    (C)テレビ朝日

――山本さんは『霜降りバラエティX』の演出も担当されていますが、千鳥さんと霜降り明星さんで世代の違いなど相違点を感じますか?

全然違いますね。千鳥さんはやっぱり“お兄ちゃん”なんで、「なんでも面白くするよ」みたいな懐の深さがあります。霜降り明星は、いい意味でめっちゃ細かいです。それだけこだわりがあって、自分が納得したことをやりたい。そんな若手芸人なかなかいないし、だから売れているんだと思います。千鳥さんと似ているのは、彼らもスベった後がさらに面白い。で、お笑いのレベルは本当に10年・20年上の感じがしますね。

――『霜バラ』は、霜降り明星さんの関係性を重視した企画が多い印象を受けます。

2人だけにしかできない企画にしようと思ったんですよね。だから絶対2人のフィルターを通して2人やからできる企画選びをしています。「寝る前王」なんて台本全くないですから。場所だけで「あとは面白くしてください」みたいなことはすごいことだけど、彼らはそれができるんです。本当はもう少し前の時間帯でやりたいんですけどね。TVerでも3回連続10万再生とかしてますから。

――『テレビ千鳥』でも『霜バラ』でも想定外のことが起こることがあると思いますが、その中で印象に残っているものはありますか?

『テレビ千鳥』の「面白キャラを作ろう!!おっさん芸人応援宣言」ですかね。苦労している中年芸人がその場で面白キャラを作って発表する企画で。加地さんと千鳥的には発表する瞬間に煽りVTRを入れて、ハードルを上げて楽しもうとしてたんだと思うんですけど、僕がなんか気持ちが入って、感動Vを作っちゃったんですよ。僕だけズレてて、報道出身が出ちゃった(笑)。それによって想定とは違う方向になって、ノブさんが初めてテレビで泣くっていう。スタジオにいるみんなが泣いて笑うって最高だなって思いましね。

初の番組イベント「単独ライブ並みに本気に」

――4月29日には、幕張メッセで『テレビ千鳥』の初イベント「幕張メッセ押さえちゃったんじゃ!!」が開催されます。

ほんまにノリで取っちゃったんですよね、空いてるなら会場押さえちゃう?みたいな(笑)。でも、押さえてからみんな顔がひきつり出して。この前4年ぶりくらいに新年会をやったんです。その時、急にノブさんが真剣になったんですよ。「このイベントは『テレビ千鳥』の明暗を分けるくらい重要なことなんです」って熱く語って、こういう構成、こういう内容にしたほうがいいってブワーッとしゃべって。大悟さんもつらつらと語りだして、2人が単独ライブ並みに本気になってくれてますね。それだけこの番組を大事に思ってくれているんだと思います。

まだあまり内容は話せないんですけど、今、千鳥さんはイベントのために日々努力をしています。めちゃくちゃ頑張ってくれています。その模様は視聴者の皆さんにもぜひ、生で見ていただきたいです。

――ご自身が一番影響を受けた番組は?

テレビがめちゃくちゃ好きで、だからいっぱいあって1本に絞るのが難しいんですよね。やっぱり『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ)は、一番好きな番組で家族で見てましたね。「おかんとマー君」とか「トカゲのおっさん」は僕的にはドキュメンタリーなんですよ。中2の頃は、(千原)ジュニアさんとかベイブルースさんが言っていたことをパクって学校で言って、めっちゃウケて芸人になりたいと思って。そこから『めちゃイケ(めちゃ×2イケてるッ!)』(フジ)、『ロンハー』『アメトーーク!』(テレ朝)も全部見てました。何回も。みんなが好きなものが好きでした。お世辞じゃなく、ツラい時、『ロンハー』『アメトーーク!』は自分の支えになってましたね。

――いろいろお話を聞かせていただき、ありがとうございました。最後に、気になっている“テレビ屋”を伺いたいのですが…

『上田と女が吠える夜』(日テレ)をやられている前川瞳美さんです。知り合いから美大卒で次世代の最も勢いのある優秀な女性ディレクターがいると聞きました。面識はないですが、一方的に存じておりました。その後、『(世界の果てまで)イッテQ!』で実際にロケVTRに出演されていて、とても面白かったです。

海外ロケ出身、バラエティ番組の演出家、僕は加地さん。前川さんは古立(善之)さんという師匠がいるなど、共通点も多いのではないかと思います。どこにこだわってディレクションしているのか。苦労している点、失敗したことなどを聞いてみたいです。

  • 次回の“テレビ屋”は…
  • 『上田と女が吠える夜』演出・前川瞳美氏