• 『行列のできる法律相談所 20周年企画~さんまと豪華芸能人10年ぶり●●しましたSP』(日本テレビ系、1月3日20:50~23:13)より
    (左から)後藤輝基、浜辺美波、竹内涼真、明石家さんま (C)NTV

――その中でも、特に印象に残るディレクターを挙げるとすると、どなたになるでしょうか?

やっぱり日本テレビの高橋トシ(利之)さんが圧倒的ですね。すべてを教えてもらったというか。別に授業してもらったわけじゃないんですけど、20年くらい一緒に会議をやっていて、トシさんが言ったことを「なるほどなるほど」と思ってテレビを作っているので、圧倒的にトシさんですね。

――石原さんから見て、どんな方ですか?

ひと言で言えば、“スーパーポジティブディレクター”という感じです。トシさんの手がける『行列のできる法律相談所』は、ご存知のように何度もピンチがありました。MCがいなくなったり、レギュラー陣も次々に姿を消していきました。そのたびに前向きに進化させていったのが、トシさんの人間性だと思います。

――印象に残る言葉などはありますか?

昨年、ちょっとキツい特番をトシさんの手伝いでやらせていただく機会がありました。そのときに僕が、「キツいっすね」と嘆いてしまったのですが、トシさんから「キツい番組をやればそれだけ成長してるでしょ! 50を超えてまだ成長するなんてうらやましいな~」と言われたんです。ドラゴンボールの孫悟空に似てるなと改めて思いました(笑)

――日テレの制作の人たちと話をしていると、結構な割合でみなさん高橋利之さんの話題になります(笑)

長嶋茂雄さんみたいな人なんですよ。昭和のプロ野球ファンって、酔っ払うと最後は必ず長嶋さんの話するじゃないですか。それが、日テレの人はみんな「俺はトシさんにこう言われたんだ」って話するんですよ(笑)

――その高橋利之さんのノウハウがちゃんと伝搬しているのが、日テレの組織としての強さのような気がします。

そうですよね。トシさんが『行列』でスターディレクターになるまで、テレビ番組の会議って、時間がすごく長かったんですよ。それが当たり前だと思ってたら、トシさんの会議はものすごく短いんです。

あと、再現VTRの台本を書いて“トシさんチェック”っていうのがあるんですけど、僕の書いた5枚くらいの台本が1枚と3行くらいになって返ってきたんです。こんなに切ったら内容が分からないと思ったんですけど、OAを見ると全然伝わるんですよね。すごく分かりやすく、端的に、今の話題を切り取る…というのがあの人の武器のような気がします。

■「SMAPがやってくれたらうまくいく」

――タレントさんで、特にこの人はすごかったと印象に残る方は、どなたになりますか?

僕が言うのもおこがましいんですが、やっぱりSMAPさんですね。『スマスマ(SMAP×SMAP)』(フジテレビ)をやっていたので、あんなすごいタレントさんは、やっぱりいないなと思います。

――どんなところが印象的ですか?

5人ともクリエイターなんですよ。例えば、中居(正広)さんが「今度、(草なぎ)剛にこういうことやらせてみたら?」とか、香取(慎吾)さんが「今度、(稲垣)吾郎ちゃんでこんなことやってみようよ」とか、5人が5人をブランディングできてるんです。

あと、スマスマといえば、歌ありコントありゲームありっていう究極のタレントバラエティじゃないですか。その中で、企画として甘かったり、コントとして弱かったりすることがあっても、結果最後に「SMAPがやってくれたらうまくいく」ということになるんです。テレビって、視聴率のことを考えて、「ああでもない、こうでもない」って粘りに粘るんですけど、かなりストレートにいろんなことができたのは、やっぱりSMAPがやってくれるからなんですよね。そういうスーパースターの総合バラエティをやれたというのは、自分の中では本当に夢のような時間でしたし、そんな人たちって、時代とかもあってあまり出ない気がするんですが、これから誰かがそうなることを祈ってます。