――池上さんがNHK退局後、最初にメインに据えた番組を作ったのはテレビ朝日さんだったと思います。それ以降、他の民放各局で池上さんの番組がどんどん放送されるようになりましたが、それらの番組への印象はいかがですか?

正直、うちのマネをしているはずだなと思って見てます(笑)。その時に僕らはどうすべきかとなったときに、2つの考え方があると思うんです。1つは、僕らがオリジナルだから、オリジナルを守ろうという発想。もう1つは、他がマネしてきたから変えていこうということです。そこで、僕らは後者の選択をしました。

――具体的にその変えていった部分とはどんなところでしょうか?

池上さんが解説する部分をバラエティにはどうしてもできないし、する必要もないので、VTRをバラエティ要素に寄せるということをしてます。他にも、セットの色味を少し変えるとか、パネラーのタレントさんに真面目な話の中で笑わせてくれる人を起用したりとか、そういう部分ですかね。ちょっとしたことなんですけど、そのちょっとしたことこそが、実は重要だったりするんです。

『池上彰のニュースそうだったのか!!』(テレビ朝日系、毎週土曜19:54~)
最近話題のニュースや、今さら「知らない」とは恥ずかしくて言えないニュースを池上彰が基礎から分かりやすく解説していく番組。きょう17日(18:56~20:54)の2時間スペシャルでは、「天皇と世界の王室」「憲法改正」「世界では珍しい!?日本で当たり前のこと」を取り上げる。

――まさに、バラエティ班ならではの施策ですね。

でも、難しいんですよね。あんまりバラエティバラエティすると、池上さんの良さが失われてしまうので。池上さんがオヤジギャグを言いながら解説するという部分は、誰がどう作っても変えられないんです。だから、そのフィールドや前後を含めた世界観をどうするか。たまに奇抜なことをする番組もありますけど、だいたい失敗してると思います。だって、視聴者の皆さんが求めているのは、池上さんが何をしゃべるのかということですからね。

その上で、テレビを作る以上は、新聞をバリバリ読んでるサラリーマンに向けてだけではなく、小さな子供からおじいちゃん・おばあちゃんたちにも見てほしいので、例えばアイドルの子がパネラーとして出ることにいろんな意見もありますが、同世代の人が何をしゃべるのかということがちょっとでも取っ掛かりになればという思いがあるんです。そんな中で、もがきながら作ってます(笑)