テレビ解説者の木村隆志が、先週注目した“贔屓”のテレビ番組を紹介する「週刊テレ贔屓(びいき)」。第244回は、1日に放送された日本テレビ系バラエティ特番『ワールドドキドキビデオ』(19:00~)をピックアップする。
2020年9月から放送されている特番で、そのコンセプトは「衝撃映像VS超人気者のにらめっこ」。今回は人気者38人が「感情を顔に出してはいけない」というルールで、“ノーリアクション王”を決めるトーナメント戦が行われた。
「2年間で8回目」のハイペースで放送されている日テレのトップ特番だが、この日は裏で『衝撃の早ワザ映像150連発! 世界スピードスターGP』(フジテレビ系)も放送。民放各局をめぐる“映像(動画)集”というジャンルの現状にもふれていきたい。
■好感度抜群のキュートな笑顔
番組はまずオープニングで、「衝撃動画」と「面白動画」の2部門があることを発表。前者が4つ、後者が6つのブロックに分かれてトーナメントを行うという。
「衝撃動画」のAブロックは、指原莉乃、田中圭、清野菜名、松坂桃李、奈緒、劇団ひとりの6人。1つ目はカメラに向かってボールがぶつかってくる動画で、いきなり清野と奈緒が反応してしまう。2度目のリアクションで失格となるため、2人は早くもピンチということになった。
目を引いたのは、早々に清野、奈緒、ひとりが失格になったあと、姿を消してしまうのではなく、そのまま残してリアクションさせ続けていたこと。失格となってリラックスした出演者たちは、より自然な反応を見せるため、ノーリアクションの時間が続いて盛り上がりに欠けるリスクを軽減させていた。
「衝撃動画」の肝は、「芸能人はビビりなのか?」をめぐる緊張と緩和のコントラスト。結局、Aブロックでは、田中と松坂が無傷で決勝進出を果たした。
続いて「面白動画」のAブロックがはじまり、永野芽郁、中川大志、高橋ひかる、滝沢カレン、チョコレートプラネットの長田庄平と松尾駿が登場。永野、高橋、中川がこらえきれず立て続けに笑ってしまうなど、ほほえましいシーンが続いた。真顔から一転してキュートな笑顔が見られる「面白動画」は好感度が上がりやすく、出演者たちにとってありがたい番組なのではないか。
このブロックは13本の動画が映されたが、まさかの全員失格。主に「出演者ごとに別撮り」という撮影方式のため、各ブロックの組み分けは制作サイドが調整できるはずであり、「全員失格」のパターンをあえて作ったのは、ガチンコムードを漂わせたいからなのか。
■番組の顔は風間俊介と松本まりか
下記に、各ブロックの出演者と決勝進出者をあげておこう。
「面白動画」のBブロックは、片桐仁、松本まりか、中村倫也、奈緒、乃木坂46・賀喜遙香、サバンナ・高橋茂雄が登場し、片桐、松本、賀喜の3人が決勝進出。
「衝撃動画」のBブロックは、清原果耶、及川光博、池田エライザ、椎名桔平、チョコレートプラネットの長田庄平と松尾駿が登場し、池田、椎名、及川が決勝進出。
「面白動画」のCブロックは、成田凌、清野菜名、松坂桃李、井桁弘恵、日向坂46・齊藤京子、オズワルド・伊藤俊介が登場し、井桁と齊藤が決勝進出。
「面白動画」のDブロックは、田中圭、清原果耶、及川光博、松本若菜、生見愛瑠、劇団ひとりが登場し、清原が決勝進出。
「衝撃映像」のCブロックは、永野芽郁、成田凌、片岡愛之助、佐々木蔵之介、生見愛瑠、風間俊介が登場し、佐々木、永野、片岡、風間が決勝進出。
「面白動画」のEブロックは、池田エライザ、椎名桔平、ジャングルポケット・斉藤慎二、指原莉乃、SixTONESの田中樹と森本慎太郎が登場し、池田が決勝進出。
「面白動画」のFブロックは、橋本環奈、佐々木蔵之介、片岡愛之助、溝端淳平、堀田茜、宮川大輔が登場し、佐々木と溝端が決勝進出。
「衝撃映像」のDブロックは、橋本環奈、中川大志、中村倫也、宮川大輔、髙橋ひかる、ブラックマヨネーズ・小杉竜一が登場し、中村が決勝進出。
決勝戦の前に「2大ノーリアクション王の特別マッチ」と題して、普通のチャレンジでは満足できない風間俊介と松本まりかに向けた“エクストリームステージ”が始まった。
「まばたきも禁止」という過酷なルールで行われ、3つの動画が映される中、松本が勝利。ただ、この勝敗はどちらでもいいことであり、「風間と松本がこの番組の顔」という意味のコーナーなのだろう。
「面白動画」決勝は、賀喜遙香、清原果耶、溝端淳平、池田エライザ、齊藤京子、松本まりか、佐々木蔵之介、井桁弘恵、片桐仁、片岡愛之助の10人で行われ、そのルールは「リアクション1回で失格」。5本の動画が映された結果、井桁、松本、溝端の3人が同時優勝し、特に松本は3連覇を達成した。
一方の「衝撃映像」決勝は、風間俊介、及川光博、田中圭、池田エライザ、椎名桔平、佐々木蔵之介、永野芽郁、松坂桃李、中村倫也、片岡愛之助の10人で行われ、こちらもルールは「リアクション1回で失格」。5本の動画が映された結果、及川、田中、片岡、中村、椎名の5人が同時優勝となった。