最後の20時台は、やはり例年通りチャリティーマラソン。兼近の母親が登場したり、松平健が「マツケンサンバII」を歌ったり、加山雄三が最後のサライを歌ったりと、いつもの流れが見られ、兼近は20時43分というベストに近いタイミングでゴールした。最高視聴率はそのゴール直後で、世帯視聴率の瞬間最高28.9%を記録(ビデオリサーチ調べ・関東地区)。どんなに「マンネリ」と言われようが、好結果であることは間違いないだろう。

今回もネット上には賛同や感動の声ばかりではなく、番組を見ていないであろう人々による「偽善」「本当のチャリティーではない」「ジャニーズ接待」などの批判も少なくなかった。ただ、募金額の多さも含め、数字だけを取っても日本テレビにとっては重要かつ終了は考えづらい番組であることは確かだ。

コロナ禍に突入してから3年目でキャッシュレス募金はすっかり定着し、芸能人らが会場に立つ対面募金に頼らなくても集められることも証明。「芸能人からの電話」など礼の方法も含め、キャッシュレス募金はさらに進化していくのではないか。

会場には観客が戻り、芸能人たちの距離感も近づき、接触もしていた。また、両国・国技館の周囲には兼近を待つ人々でにぎわっていたが、「密だ」などの批判の声は少なかったことも関係者をホッとさせただろう。

もはや何が変わり、何が戻ったのか。それが分からないほど以前と変わらない放送に見えた。それは『24時間テレビ』が「収録済みのドキュメントと音楽のライブショー」という安定感のあるコンテンツで大半を占めているからなのかもしれない。

24時間を超える生放送だが、ライブのハラハラドキドキではなく、安心してゆったり見られるコンテンツ。そんな本来の姿はすでに戻っていたように感じられた。「『24時間テレビ』と日テレのブレないたくましさはコロナ禍に負けなかった」と言っていいのではないか。

■次の“贔屓”は……22年ぶり復活! あのトリオが富士ロケに挑む『DAISUKI!2022夏』

『DAISUKI!2022夏』に出演する(左から)飯島直子、中山秀征、松本明子

今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、9月4日に放送される日本テレビのバラエティ特番『DAISUKI!2022夏』(14:00~)。

ゆるい街ぶら、アポなしロケ、飲みトーク、ギャンブルや宝くじのガチ体験など、現在のバラエティに影響を与えた1990年代の人気番組が22年ぶりに復活。「奇跡の復活! 松本&中山&飯島が富士河口湖ぶらり旅へ」と掲げているように、松本明子、中山秀征、飯島直子のトリオが、久々のロケに挑む。

今回の番組は、8月3日にBS日テレの『旅する水曜日』で放送された2時間特番を1時間に凝縮するようだが、むしろ魅力の再発見や今後の可能性を探る上で都合がいいかもしれない。はたして地上波での需要はあるのか。