2つ目のロケメンバー候補として集結したのは、高橋克実、錦鯉、ニューヨーク、浜口京子の6人。矢部が「前よりしょぼくないですか?」とこぼしていた通り、失礼ながら前回よりスケールダウンの感があった。

「このメンバーなら遠方へ行くかも」という予感が漂う中、ガチャで選ばれたのは「三重県鳥羽市・海女さんの数日本一」と、遠からず近からずのエリア。ところがニューヨークと錦鯉が選ばれ、またも芸人旅になった。高橋と浜口が選ばれなかったのだが、6人に歓喜と落胆の明暗はそれほどなし。演者の問題なのか、演出の問題なのか、さすがにもう少し盛り上げたほうがいいのではないか。

海女はシーズンオフの時期であるため、「海女の獲った魚介を食べながら話を聞く」というシュールなロケがスタート。「伊勢エビ」「アワビ」「サザエ」「大アサリ」「ヒオウギ貝」「おしんこ」を入れた“浜焼きガチャ”をすることになった。ようやく「おしんこ」という明暗の“暗”が設定されたが、スタッフが神栖市ロケの教訓を生かしたのかもしれない。

案の定と言うべきか、ガチャで引き当てたのは、渡辺隆が「サザエ」、長谷川雅紀が「サザエ」、屋敷裕政が「ヒオウギ貝」、矢部が「サザエ」、岡村が「大アサリ」ときて、最後に嶋佐和也が「おしんこ」。

続いて、高級食材の伊勢エビとアワビがまだ残っていたため、“浜焼きおかわりガチャ”が行われ、アワビは長谷川、伊勢エビは岡村が獲得した。さらに海女さんへの“お礼ガチャ”が登場。「海女さんで謎かけ」「海女さんのテーマソングを歌え」「海女さんを大爆笑させろ」の中から大爆笑させろが選ばれ、再び岡村が即興の形態模写ギャグで笑いを誘った。ギャグの最中ツッコミを入れ続けていた矢部も含め、この部分だけは『めちゃイケ』時代のナイナイを思い出した人もいたのではないか。

最後のお会計ガチャに選ばれたのは、「おしんこ」の嶋佐。岡村が「大爆笑やんけ! 初めてキレイにガチャ決まった」とツッコんでいたが、9,400円という“少額ゴチ”を盛り上げるのは嶋佐でなければ成立しなかったのかもしれない。

続いてミキモト真珠島へ行き、“入場料ガチャ”で選ばれた嶋佐が再び9,900円を支払った。もはや笑い重視の方向性にシフトしたのか。バラエティとしての完成度が上がった一方、ガチンコ感はほぼなくなっていた。

さらに篠原涼子と合流し、“ゲスト交替ガチャ”で選ばれたのは錦鯉。2人は番組のガチンコ感を訴えていたが、むしろ最も多忙な彼らが帰るほうが自然だった。決して意地悪な目線ではなく、現在の視聴者はそれくらいのことをイメージしてしまうものだ。

■ほのかに残る『めちゃイケ』の岡村

ミキモト真珠島で用意されたのは“素潜りガチャ”。しかし、中のカプセルは岡村のみ……これはイカサマという意味ではなく、「海女の衣装が小さいため岡村しか着られないから」というオチだった。素潜りに挑んだ岡村は成功こそしなかったが、ここでも『めちゃイケ』のオファーシリーズをほんのり思い出した人がいたのではないか。

最後に、一行は地元の飲食店へ。ここでも“飲み物ガチャ”が行われ、嶋佐が「グラスワイン赤」、屋敷が「グラスワイン白」、篠原が「生ビール小」、岡村が「ノンアルコールビール」、矢部が「ノンアルコールリキュールゆずとろりん」を獲得。バランスよくメニューが散らばった。

続く“食べ物ガチャ”では、嶋佐が「ホルモン(黒毛和牛)」「海鮮丼」、屋敷が「本日のお刺身盛り合わせB」「海女の盛り合わせ」、篠原が「名物伊勢うどん(玉子入)」「きゅうり一本漬」、岡村が「生かきポン酢」「ホタテ貝」、矢部が「梅きゅう」「チャンジャ」を獲得。ガチか仕込みか、“最高”のニューヨーク2人、“普通”の篠原と岡村、“最悪”の矢部と3つのグラデーションができたため、エンディングらしいムードが漂い始めていた。

最後は“お会計ガチャ”で選ばれた嶋佐が17,886円を支払い、エンディングトークで矢部が1日かぶっていたカツラに自らふれ、地元の人に「ヤバい人」と見られたことをこぼして番組は終了。途中、「カツラを山田孝之にかぶらせたかった」「矢部がかぶっても面白くも何ともない」というトークがあったが、笑いが足りなければ途中で罰ゲーム的な仕掛けを追加してもよかったのではないか。

初の試みということもあってか、制作サイドがガチンコと笑いのバランスに戸惑っている様子が感じられた。また、ともに50代のナインティナインがメインの番組だけに、落ち着いたムードのロケになるのは仕方がないが、終始メンバーのリアクションが薄く、特に「ロケが楽しい」という空気が感じづらかったのはなぜか。もっとナイナイの楽しそうな笑顔が見たかったし、それはスタッフ側の問題なのかもしれない。

だからなのかは分からないが、視聴率は個人全体2.4%、世帯3.6%の厳しい結果に終わってしまった(ビデオリサーチ調べ・関東地区)。この結果で「ナインティナインのネームバリューが落ちている」というのはあまりに気の毒なだけに、別企画でのリベンジ機会を設けてほしいところだ。

■次の“贔屓”は……翌日放送の『逃走中』と比較必至か!『THE鬼タイジ』

『THE鬼タイジ』に出演するオードリーの春日俊彰(左)とフワちゃん

今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、19日に放送されるTBS系バラエティ特番『THE鬼タイジ』(19:00~)。

「人間に襲いかかる鬼を光線銃で打ち倒す」というコンセプトのアトラクション系特番であり、6回目の放送となる。今回は「房総半島の人間たちが鬼化した」という設定のもとホテル三日月でロケが行われ、芸人からアイドル、アスリート、子どもまでの16人が参加するという。

まさかの大みそかゴールデンタイム放送から約3カ月。今回は翌日に類似性を指摘される『逃走中』(フジ系)も放送されるだけに、どうあっても比較は避けられないだろう。真価を問われる放送であり、今後を左右するかもしれない。