元国税局職員さんきゅう倉田です。パーティの参加費は「接待交際費」にします。

個人事業者として活動していると、無料のパーティがたくさんあります。無料でも、食事やドリンクが提供されるので、何もお金がかかっていないということはなく、負担してくれている誰かがどこかにいるわけです。それは、基本的には主催者のはずなので、大きな貸しがなければお礼をしなければいけません。

大人になってから、友人や上司の家に遊びに行くときは、手土産を必ず持っていきます。それは一般的なマナーとされていますが、会費を払うことなく相手の家で食事やお酒をご馳走になるわけですから、対価として手土産を持っていくのは至極合理的です。

持って行かなければ社会常識を疑われるかもしれません。そのようなマナーは社会人なら誰でも知っているので、催しでその考え方を流用しないのは怠慢となります。

  • 無料のパーティで、タダ乗りしないこと

先日、友人の会社の周年パーティに出席しました。酒や料理が提供され、奥の方では主催の代表取締役や関係者の面白いトークが展開されます。事前の案内では「お酒や簡単な料理の提供はありますが、差し入れ大歓迎です」と記されていました。社員が沢山いて、社長に会えないような大規模のパーティではありません。

社長が一人で準備し、友人や取引先を招いた内々のパーティです。きっと、みなさんに会社や自分のことを知ってほしい、久しぶりに会いたい、と考えて催したのでしょう。会費は無料です。だから、まともな大人なら、お酒か料理を持っていきます。タダでいただくわけにはいかないからです。

しかし、何人かは手ぶらでやってきます。手ぶらで良い、と言われているのでそこまで責めることはできませんが、悲しい気持ちになりました。パーティのほとんどの時間は、参加者同士の交流会なのですが、それくらいの小さな支払いもできない方とは恐ろしくて交流できません。知り合いになって仕事をすることになっても、正当な対価を支払わない可能性を危惧してしまいます。

さらに、そのパーティの最後には、社長の著書の販売が行われました。社長から、簡単なピッチがあって「入り口で売ってます」と告知がありましたが、買う人が全然いないのです。ぼくは、社長と知り合ったばかりだったので、その本の存在を今まで知りませんでした。だから、もちろん買います。

自分の本を出すとわかるのですが、本を買ってもらえると、とてつもなく感謝します。多幸感に包まれると言っても良いです。2000円もらうより、1冊本が売れるほうが、より嬉しいのです。だから、知人が本を出したら、読む必要がなくとも買うことにしています。

そのパ―ティでは、ビジネス上の知り合いを増やす機会を与えてもらって、さらに、下品な言い方ですが、タダ飯を食ったのに、会費がありません。だったら、それを負担してくれ人の本くらい買っても良いはずです、しかし、そのような思考に至らない、他人から恵んでもらうだけのフリーライダーがたくさんおわすのです。

無料のものばかり手に入れて、誰もお金を払わなければ、経済は衰退して、終いには崩壊してしまいます。主催者は、みんなに来てほしいから無料にしてくれています。その無料の分のお礼もできない人は、物の価値が分かっていません。物の価値が分かっていない人は、人付き合いやビジネスで絶対にミスをします。相手が必要としている金額が読めないので、低い金額を提示して不快にし、社会通念上相当でない高い金額を要求されても気づくことができない。

大成するためには、常に、物やサービスの価値を知り、正当な対価を支払い続ける訓練が必要です。支払うチャンスがあれば、積極的にお金を使いましょう。

さんきゅう倉田

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さんきゅう倉田

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さんきゅう倉田

さんきゅう倉田

芸人、ファイナンシャルプランナー。2007年、国税専門官試験に合格し東京国税局に入庁。100社以上の法人の税務調査を行ったのち、よしもとクリエイティブ・エージェンシーに。ツイッターは こちら