元国税職員さんきゅう倉田です。好きな休日の過ごし方は「納税」です。

つい先日までビジネスコンテストに取り組んでいました。

ビジネスコンテスト、略称「ビジコン」とは、自分のビジネスアイデアを文章、動画、プレゼン、モックなどの形で提出・発表して勝ち進んでいき、賞金獲得を目指す催しです。

今回参加した東京都のビジコンは、フィードバックがないのでアイデアが磨かれることはありませんが、賞金が出ることもあり3,000人程度のエントリーがあります。

Slackを用いた他の参加者との交流も活発で、声を掛け合って壁打ちやもくもく会をしています。よいアイデアを持っている人との交流を期待して、ぼくはお酒を飲む機会を設けることにしました。

半分しか来なかった飲み会

まず日程と場所をSlackのチャンネル内に投稿し、参加者を募集しました。12名から反応があり、飲み放題のコースでお店を予約して、参加者をグループに招待し、事前決済の締め切りとお店の場所を連絡しました。

そのうち締め切りまでに決済した人は4人でした。「決済できない場合は連絡をください」と案内したけれど、8人から連絡はありません。

参加するのかしないのかもわかりません。予約したお店はキャンセルポリシーを設けていて、前日や当日の人数変更は100%の料金を請求するとしていました。

参加した人で参加しなかった人の代金を支払うなんて不合理なので、当然予約人数を変更します。さて、決済をしなかった人たちはどのような行動をとったでしょうか。

顔も知らない赤の他人が友人と同じように誠実な行動を取る確率は低い

参加表明をした12人のうち、4人がぼくの案内の内容を守ってくれました。残りは8人。ぼくがこれまで体験したことのない行動が多かったので、ご紹介します。

(1)締め切りを過ぎた後に唐突に決済する

締め切りになったら決済できないようにURLを削除していたんですが、どうやら事前にコピーしていたようで、5時間ほど遅れて決済した人がいました。そこまでする人がいるとは予想外でした。申し訳ないけれど、今回は返金しました。

(2)締め切りを過ぎた後に「やっぱり用事があります」とキャンセルする

「締め切り前なのでお金は大丈夫だと思いますのでキャンセルします」と連絡がありました。「予約しました」と伝えているので、何を持って"大丈夫"と判断したのかわかりませんが、「また今度飲みましょう」と返信しました。

(3)決済はしないし、DMを送っても返事がない。

互いの素性を知らないので、連絡が取れなくなるような不義理をしても心が痛まないのかもしれません。多少困るけれど、よくあるので想定の範囲内です。

(4)決済がなかったので、DMを送ると「行けません」と返事が来る。

「行く」と行ったから予約しましたが、そんなこと気にせずキャンセルする人もいます。こちらも想定していたのであまり驚きませんでした。

(5)「DMを見ていませんでした。締め切りを過ぎてしまいましたが参加できますか?」

主催者のぼくは急な連絡に対応できるよう、少なくとも1時間に1回は見るようにしています。参加者が数日間に渡って確認を怠るようなことはないと思っていましたが、そういう人もいるんですね。

ビジコンはみんな起業の意思を持って参加しています。つまり仕事です。仕事で用いる連絡用ツールを放置するのは、個人事業者歴9年のぼくからすると考えられない。

メールやチャットをすぐに返さない人は気づいていないと思いますが、返事を待っている人は返事が遅ければ遅いほどストレスが増加します。連絡が遅くなってよい場合などほとんどない。

すぐに連絡が取れる個人事業者に仕事が集まるし、返事が遅い人はその分仕事も遅延するので決済も遅くなり売上が減ります。

返事が遅い人は他人に迷惑をかけるのでビジネスに向いていません。会社に属して言われた通りに動き、ミスをしたら怒られて矯正される環境が向いています。

(6)決済もない返事もない、でも当日にやってきた

これが最も驚きました。決済がなく、連絡も取れなかったけれど、当日お店にやってきた人がいました。恐怖を感じました。本人は「決済もしてないし、連絡も返してないけど、参加するんだからみんなに迷惑はかけない」と何も気にしていなかったのかもしれません。

でも、来るか来ないかわからない人がいると主催者は不安です。ギリギリまで待ったうえで、その人の分の予約をキャンセルしないといけないので、連絡もこまめにチェックします。

さらに、当日になってお店の方と交渉しなければいけません。結局、その人の分だけアラカルトで注文することになりました。他人の行動が予想の斜め上を行くと恐ろしさを感じます。

当日キャンセルが出てもいいように、事前決済制を取っていましたが、決済の締め切りを早くして、その後に予約すべきでした。人の行動は予想以上に不合理で面白い。だから、行動経済学への興味がつきません。

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