元国税職員さんきゅう倉田です。好きな判例は「万有製薬事件」です。
一方のBはこんなことを言いました。
「飲み会の企画をしたことがないので、どのように手伝えばいいのか分かりません。事前決済にするなら、手数料はかかってしまいますがPeatixを使うのはどうでしょうか。」
この「Peatix」というのは、イベントを催し、そのチケットの決済までできるサービスです。チケットを有料にすると手数料が発生します。Bは参加者の負担は増えてしまうが、クレジットカードで決済できるPeatixを導入した方がいいと思ったようです。
この場合のPayPayとPeatixの比較は難しい。ふたつのメリットやデメリットを数値として並べて評価できないからです。
このような場合には、指針に従い合理的な選択を行います。営利目的であれば利潤最大化を目指しますが、非営利なので「面倒でない」あるいは「満足度最大化」が指針となります。決済手段としてPeatixを選ぶと、参加者の支払う金額が増えるので満足度は変わらない、または下がります。
PayPayを選ぶと、決済できない人は参加ができないので、参加した人の満足度は下がりません。主催者の指示がスムーズに実行される点でも「面倒がない」ので合理的です。
だから、PayPayが最善手となります。
Bは飲み会を企画したことがないと言います。社会に出て数年働いても、そのような機会がない人もいるでしょう。
しかし、企画したことがなければ、失敗したこともないはずです。失敗や成功から学んでいないのに論拠なく別の意見を言うなんて迂闊です。
迂闊に意見を言われると手伝われる側はやはり困る。
ここではやはり「手伝ってくれる人を無下にできない」というのが心理的負担になります。
記事に経緯をまとめて、意見したことを「安易だ」「迂闊だ」などと責めるくせに、「無下にはできない」と考える中途半端な社会性を持った人間さんきゅう倉田。
何があっても怒らない代わりに、よしこれで1つネタができたぞといつも喜んでいます。
結局、彼らの意見を否定できないので、やんわりとお願いして自分の指示に従ってもらいました。なお、このとき、彼らはその返信の遅さにおいても手伝いとしての条件を満たしていませんでした。
だいたい3日後に返信が届くので何往復かする頃には、飲み会の数日前となっていました。さて、開催2日前にはいよいよ参加者に事前決済をお願いします。
AとBの返信のペースを考慮すると、店を予約した旨を伝えて事前決済のアナウンスを流してほしいと伝えても、指定した決済期限に間に合わない可能性が高い。
AとBふたりいるが、どちらも不安だ。ふたりに同じ指示を出して、ふたりともがアナウンスした場合は参加者の混乱を招く。
またここで、不要な思考をすることになりました。「手伝います」によってどんどん仕事が増えていきます。AとBへ費やした時間をグループ内でのやりとりに使った方がはるかに時間の消費が少なかった。
自分で送ることにしました。自ら事前決済のアナウンスと決済者の管理、個別の決済確認の連絡も行います。
さて、この事前決済を行ったのは11人中4人で、その中にAと Bは含まれていませんでした。
Bから連絡があったのは飲み会の数日後、Aにいたっては事前決済せず、何の連絡もなく当日いきなりお店に現れてしまいました。
お店を予約したことは、グループでのやりとりを見て知っているはずです。事前決済をしていなければ、予約人数に含まれないと考えなかったのでしょうか。
確認の連絡さえ入れてくれれば、予約人数を変更するなどの対応ができましたが、もはやどうしようもありませんでした。
みなさんも善意で誰かを手伝うことはあると思います。
ただ善意だからといって、面倒をかけていいわけではありません。知らず知らずに人に迷惑をかけているかもしれない。迂闊に行動すれば、それが習慣となって、仕事に悪い影響を与えるかもしれませんよ。
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