元国税職員さんきゅう倉田です。好きな休日の過ごし方は「記帳」です。

ロシアがウクライナに侵攻し、各国がロシアに対して経済制裁を発動しています。

個別の制裁の内容は把握していませんが、ロシアとの貿易が停止すると社会や経済にどのくらいの影響があるのか、地理データに基づいて考えました。

『データブックオブザワールド2022』(二宮書店)でロシアの生産物や資源を見てみます。

(%は世界全体の生産量に対する割合、世界での順位)
小麦 9.7% 3位
ライ麦 11.2% 3位
えん麦 19.1% 1位
ばれいしょ 6% 3位
ひまわり 27.4% 1位
キャベツ 3.7% 3位
石炭 5.3% 5位
原油 13.4% 2位
天然ガス 18.3% 2位
ガソリン 3.6% 3位 
鉄鉱石 4.1% 5位
鉛鉱 5.3% 5位
マグネシウム鉱 5.2% 4位
タングステン鉱 2.6% 3位
コバルト鉱 4.9% 2位
ニッケル 12.4% 2位
レアアース 2.0% 3位
バナジウム鉱 25.3% 2位
水銀 2.1% 4位
硫黄 8.8% 3位
金鉱 8.4% 3位
銀鉱 5.9% 4位
白金 11.6% 2位
ダイヤモンド 28.2% 1位
製材 9.1% 3位
軽油 5.6% 4位
重油 11.6% 1位
粗鋼 4.0% 4位
アルミニウム 5.7% 3位
マグネシウム 3.8% 2位
天然ガスの埋蔵量 19.9% 1位
天然ガスの輸出量 18.3% 1位
小麦の輸出量 17.8% 1位
一人当たりGNI 1万ドル前後
人口 およそ1.46億人

生産量が5位以内のものを抽出しました。

レアアースやレアメタルはロシアや中国に偏在していることが以前から問題となっています。ロシアへの経済制裁によって取引が停止して中国とロシアが連携を強めれば、日本などへの供給は一段と滞るかもしれません。

小麦の生産量は3位ですが輸出量は1位です。世界的に小麦の供給量に影響が出るでしょう。日本はアメリカ、カナダ、オーストラリアなどから輸入しています。

香川のうどんの多くが、オーストラリア産の小麦を使っていると聞いたこともあります。香川は水もないし、小麦もない。それでもうどん県としての地位を維持しています。

ロシアの機械類の輸出
1位中国 
2位オランダ
3位ドイツ
4位ベラルーシ
5位トルコ

ロシアの野菜と果実の輸入
1位中国
2位ドイツ
3位ベラルーシ
4位アメリカ
5位イタリア

ロシアの貿易は中国が中心となっています。ロシアに限らず、中国が貿易相手国1位の国は散見されます。中国は世界の工場と呼ばれ、輸出も輸入も活発です。

欧米などから経済制裁を受けても、中国と密であればロシア経済への影響は少ないとロシアは考えているのかもしれません。

日本の対ロシア貿易
輸出
1位自動車
2位一般機械
3位自動車部品
4位電気機器
5位タイヤ

日本からロシアへは自動車関連製品や機械の輸出が多い。現在、ロシア国内にある日本の自動車メーカーの工場停止が実施されているので、輸出だけでなく現地生産も行っていることが分かります。

地理的観点で考えると、貿易摩擦解消や輸送費・人件費の削減が目的です。ロシア国内に雇用を生み出すことも利点といえます。

輸入
1位液化天然ガス
2位石炭
3位原油
4位パラジウム
5位魚介類

液化天然ガスの輸入はただちには停止しないようです。液化天然ガスはおよそ7割が火力発電に用いられ3割は都市ガスに充てられます。供給が停止すればインフレ圧力となることは間違いない。

原子力発電を再開できず、水力・風力・地力発電は供給が不足し、太陽光もまだ不十分。 日本は火力発電への依存度を高めています。石炭の輸入量は増えていますが、二酸化炭素排出量の少ないクリーンなエネルギー天然ガスは石炭より望ましい。これが不足すれば石炭の使用量を増やして環境負荷を強めることになるかもしれません。

豊富な資源を持つロシア。国家間の関係悪化による社会・経済的影響を考え、電気使用量を減らすなどの行動が国民にも求められています。

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