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    八村倫太郎

八村倫太郎が主演を務める映画『ホーム スイート ホーム』の完成披露舞台挨拶を取材

映画『ホーム スイート ホーム』(9月4日公開)の完成披露舞台挨拶が19日、都内で開催された。この映画は、ある日、未来から息子と孫がやってきて……というタイムスリップもので、主演の八村倫太郎は、祖父の代から続く煎餅屋を継いだ植木一郎を演じる。

そして主題歌には、八村が所属するダンス&ボーカルグループ・WATWINGの新曲「My Sweet Place」が採用されている。この舞台挨拶の日が配信開始日とのことで、MCを担当したドロンズ石本が「配信開始おめでとうございます!」と祝福すると、八村は「ありがとうございます」と感謝を述べつつ、「主題歌をやらせていただけるということも当たり前じゃないと思うので、すごくうれしくて。しかも、今日がリリースで、上映会も今日というのは、運命的なものを感じています。映画も曲もよろしくお願いします!」と伝えた。


【取材担当記者より】当たり前じゃねえからな。加藤浩次の名言を思い出しました。そうです、何事も当たり前じゃないのです。起床し顔を洗うのに蛇口をひねるとキレイな水が出るこの状況、会社へ行くのに乗る電車が毎日決まった時間に来るこの状況、私の一日の始まりから順に振り返っていくだけで、誰かに支えられていることが分かります。この考え方でどんどん進めていくと、その先に「主題歌をやらせていただけるということも当たり前じゃないと思う」という発言に行きつくのだと私は思いました。

主演俳優の所属グループの楽曲が主題歌になると聞くと、なんとなく前例を思い浮かべ、なんとなく今回はそのケースねと自然と受け入れがちですが、その背景には本人たちがこれまで積み重ねてきた頑張りはもちろんのこと、映画の主演を張れる才能をきちんと世に送り出したスタッフのこれまでのサポート、そしてその頑張りや才能の煌めきを取りこぼすことなくキャッチしていたファンの人たちの応援がある。彼の言葉には、そんな思いが込められているように感じました。推察が行き過ぎた感はありますが、何はともあれ、さらりと「当たり前じゃない」と出てくるのは、とても素敵ですよね。

それに比べて、私はどうでしょう。感謝の気持ちを忘れ、いろんなことを当たり前のように享受する毎日です。朝ギリギリまで布団から出られず、ドタバタと歯を磨き、シャワーを浴び、急いで家を出るも、乗りたかった電車が目の前で行ってしまって、一人ぷんすか怒っている。全部自分のせいなのに。恥ずかしいです。昨日は夕飯にゴーヤチャンプルーを作ったのですが、お皿に盛り付けたあと、お箸を取りに行って戻ってくるときにテーブルに体をぶつけて、床にぶちまけてしまいました。原因は、お皿をテーブルの端っこのほうに置いたままにしていたからです。過去にも同じミスを何度もしでかしています。お腹が減っているのには耐えられないし貧乏性なので、そのゴーヤチャンプルーを救助して、また一人ぷんすか怒りながら食べました。当たり前にできるようなこともできない。情けないです。

八村倫太郎の好青年ぶりにベテランのカメラマン男性も口元をゆるめる

舞台挨拶の最後に登壇者を代表してメッセージを求められると、八村は「タイムスリップの話は世の中にほかにもありますし、誰しも未来や過去に行ってみたいと思ったことがあると思うんです。だから、(『ホーム スイート ホーム』の)物語自体がすごく観やすいし、タイムスリップは入り口として、すごくいいと思うんですよね。はじめのほうは、コメディ要素があるので、クスクス笑いながら観られると思うんですけど、そこから家族のあたたかい話になっているんですよ。そこの流れがすごく素敵な映画だなと思っていて。最後には思わずポロッと泣いてしまうような感覚にもさせてくれて、それがこの映画の魅力かなと思っています」とアピール。

また、「一つ好きなシーンがある」といい、「(ネタバレになるので)あまり言えないんですけど、現実世界では絶対にできない経験をさせてもらえたんです」「役者をやっていないと、できない体験をさせてもらえて。先ほど、(企画コーナーで)過去や未来に行けるならどこがいい? という質問がありましたが、本当に戻れるなら、僕はその瞬間に戻りたいなと思います。皆さんも、そのシーンを観たときに、自分だったらどう思うんだろう? と考えさせられるのかなと思います。その時に、家族って素敵だなと思ってもらえたら、この作品の魅力が最大限に伝わっているような気がします」と話した。


【取材担当記者より】この舞台挨拶中に思っていたのは、先述の「当たり前じゃない」と言葉にできるところもそうですが、彼はとにかく感じがいいのです。親世代の人たちの口からよく聞いていた「こんな子に育ってほしい」とは、この感情なのでは……? そう思いました。柔らかくて穏やかな雰囲気の人、素敵です。あとは、話を振られたときの気持ちのいい返事、素敵です。そして決定的に心を動かされたのは、舞台挨拶が終わって、出演者たちが降壇するときでした。会場に集まった人たちから贈られる大きな拍手に応えながら、彼は記者やカメラマンたちのほうにも視線を配り、一人ひとりの目を見るように「ありがとうございました! ありがとうございました!」と伝え、はけていったのです。

なんていい人。いや、失礼承知でなんていい子なんだと思いました。そのまぶしいくらい爽やかな好青年ぶりに、ベテランの男性カメラマンも口元をゆるめるのが見えました。なんならちょっと照れていました。かわいい。でも、その気持ち分かります。なんだかときめきましたよね。私はイベント取材で心を動かされた人がいると、帰りの電車で検索する習慣があるのですが、この日は「八村倫太郎」と調べました。まずはWikipediaをチェックして、YouTubeチャンネル『バタやんちゃんねる』の動画に駒木根葵汰と一緒にゲスト出演したものを見つけたので、それを観ました。やっぱり感じがいい。コメント欄にも「なんていい子たち、息子もこんな感じになってほしい、、」とありました。ですよね、分かります。と同時に、こんな人になりたい! と私は思いました。

マネできるとしたら、まずはあの気持ちのいい挨拶だ。そう思って後日、コンビニでお会計をしてもらった際に「ありがとうございました!」と目いっぱいお礼を伝えました。すると、友人からは「部活かよ!」とツッコミを受け、店員さんはびっくりしていました。それに私もびっくりしていました。感じのいい人は一夜にしてならず。まだまだ道のりは遠そうです。

映画『ホーム スイート ホーム』ストーリー

2026年の冬。祖父の代から続く煎餅屋を継いだものの、無気力に過ごしている植木一郎(八村倫太郎)。そんなある日、押入れから突然現れたのは28年後から来た息子・英郎(増子敦貴)と56年後から来た孫・史郎(駒木根葵汰)だった。

ちょっとしたボタンの掛け違いから未来が変わり、生まれてこなくなってしまう英郎と史郎。未来を元の姿に戻すため、時空を行き来しながら歴史を修正していくうちに、3人は1999年の夏に到着。そこで出会ったのは、一郎が知る父親の姿とはまるで違う、若き日の父・耕太郎(前田公輝)だった。さらに、代々続く家と煎餅屋にも存続の危機が迫っていて――。

なお、完成披露舞台挨拶には、八村のほか、増子敦貴(GENIC)、駒木根葵汰、前田公輝、大原優乃、山谷花純、吉川鮎太監督も登壇した。