映画で感動した作品に、ふたたび舞台で出会える! そんな贅沢な楽しみを味わってみませんか。舞台をみる前にもう一度、映画を見直してみるもよし、舞台をみてから映画を再確認してみるもよし。二粒で、楽しみは無限に広がります!

『おくりびと』 - 映画版の7年後をナマの舞台で!

第81回アカデミー賞で、外国語映画賞を受賞した映画『おくりびと』が舞台になる! 舞台版は映画のストーリーを舞台にのせる形ではなく、映画のエンディングから7年後、夫婦の間に長男が誕生したという設定で描かれる。

映画版に続き、脚本は小山薫堂、音楽は久石譲が映画の世界観そのままに書き下ろすとあり、映画の続編としても楽しめるはず。舞台版ならではの醍醐味として、奇才・久石の音楽を生演奏で堪能できるのも話題だ。納棺師・小林大悟を、歌舞伎役者の中村勘太郎、妻・美香を、田中麗奈がそれぞれ演じる。映画で美香のお腹の中にいた子どもは小学生に成長しているという設定。しかし、彼は父親をチェロ奏者と思いこんでいる。大悟は自分が納棺師であることを息子になかなか言い出せなくて――。

歌舞伎役者・中村勘太郎が納棺師役に挑戦!

『おくりびと』
日程 2010年5月29日(土)~6月6日(日)
会場 赤坂ACTシアター(東京・赤坂) ※地方公演あり
小山薫堂
演出 G2
キャスト 中村勘太郎、田中麗奈、真野響子、柄本明ほか
料金 S席10,000円、A席8,500円

『ドリームガールズ』 - 伝説のミュージカル、ブロードウェイから直送!

アカデミー賞2冠に輝いた2006年の映画版の印象が強いけれど、もともとは1981年にブロードウェイで初演されたミュージカル、『ドリームガールズ』。60~70年代を舞台に、3人組のコーラスガールを中心に華やかなショービジネスの裏側にある栄光、挫折を、ソウル、R&B、ゴスペルなど多彩な音楽でつづっていく同作は、『コーラスライン』の振付・演出家として知られるマイケル・ベネットの遺作でもある。

トニー賞6部門を受賞し、4年に及ぶロングランを成功させたこの伝説ともいえるミュージカルが、2009年11月、同作とゆかりの深いハーレムのアポロシアターで再演! LEDなど、ハイテクを駆使した21世紀版として新たに蘇り、熱狂のなか幕を下ろした。この話題作が、キャストもそのままに早くも来日する。

ブロードウェイの興奮が東京で味わえる奇跡を是非とも堪能すべし

ブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』
日程 2010年5月19日(水)~6月5日(土)
会場 Bunkamuraオーチャードホール(東京・渋谷)
プロデュース ジョン・ブレリオ/ヴィエナ・ウェイツ・プロダクションズ
脚本・作詞 トム・アイエン
オリジナル・プロダクション演出・振付 マイケル・ベネット
演出・振付 ロバート・ロングボトム
音楽 ヘンリー・クリーガー
料金 S席12,600円、A席11,000円、B席8,000円

『裏切りの街』 - 三浦大輔の書き下ろしに、個性派キャストが集結

この春、演劇ファンの間で、注目度ピカイチの作品がこちら。乱交パーティに集う男女を描いた作品『愛の渦』で岸田戯曲賞を受賞するなど、現代社会をリアルに、過激に切り取る作風で話題の三浦大輔がパルコ劇場に初登場となる。

同公演は「人が人を裏切る瞬間というものをしっかり描きたかった」という三浦の書き下ろし新作だ。キャストは、三浦自身が多大な影響を受け、また本作が4年ぶりの外部出演となる松尾スズキ。さらに、演技力に定評のある秋山菜津子、ドラマからバラエティまで幅広く活躍中の若手注目株・田中圭らが顔を揃えた。さわかやなイメージの田中が、女に甘え続ける、無気力なフリーターを演じることも話題になっている。強烈なまでの個性が一堂に会することで、どんな化学反応を見せてくれるのか、乞うご期待!

岸田戯曲賞作家が紡ぐ「怠けたい人間たち」の物語

『裏切りの街』
日程 2010年5月7日(金)~5月30日(日)
会場 パルコ劇場(東京・渋谷) ※地方公演あり
作・演出 三浦大輔
音楽 銀杏BOYZ
キャスト 秋山菜津子、田中圭、安藤サクラ、古澤裕介、米村亮太朗、江口のりこ、松尾スズキ
料金 7,350円、学生券5,000円(当日指定席引換・要学生証提示・イープラスのみ取扱。限定枚数販売)
長谷川あや
大学時代から舞台にはまり、小劇団のストレートプレイから大型ミュージカルまでジャンルを問わず観劇。卒業後は出版社に入社し、編集者として活躍。1996年に退社し、現在はフリーライターとして、All About演劇・コンサートや女性誌、情報誌などで読みものページを中心に執筆している

イラスト:gnk