荒川良々&星野真里の妙技か、AKB48のフレッシュ演技か - 4月の3作品

気持ちも新たになる新年度。慣れない環境での生活や歓送迎会など、公私ともに忙しい時期ですが、そんなときこそ、心と体に一服の清涼剤が必要なのでは? つかの間、現実の世界を離れて、それこそ時代も超えてしまい別空間に旅立てれば、明日への活力もチャージできるはず。

『博覧會～世界は二人のために～』 - 第二次世界大戦前夜。台湾で興行を目論む一座の運命はいかに!?

舞台は1940年代──、第二次世界大戦前夜の台湾。その台湾で開催される「大博覧会」での催しに出演するため「淡路淡水一座」は海を渡るが、予定されていた興行の計画が宙に浮いてしまう。それをきっかけに、運命の歯車はくるくると回り始めて──。彼らは日本統治の幕切れが迫るここ台湾で、芝居を打つことができるのか?

劇団「猫のホテル」主宰で、劇作家兼演出家、さらには女優として活躍する千葉雅子の書き下ろし戯曲を演出するのは、個性派俳優として人気の池田成志。演出家としての活躍もめざましい池田がこだわったキャスティングは、女形の美しさにも定評のある篠井英介、『鴨川ホルモー』の好演が記憶に新しい荒川良々、演技力には定評のある星野真里などなど実に多彩。この顔ぶれがどんな化学反応を起こしてくれるか、乞ご期待!

『博覧會～世界は二人のために～』
日程	2010年4月8日(木)～4月21日(水)
会場	東京グローブ座(東京・新大久保) ※地方公演あり
作	千葉雅子
演出	池田成志
キャスト	荒川良々、星野真里、大谷亮介、菅原永二、池田成志、篠井英介
料金	5,800円、プレビュー公演5,000円

『戯伝写楽』 - 写楽は女だった? この春、新たな写楽像に出会う

日本人なら誰もがその名を聞いたことがあるけれど、誰もがその正体を知らない──、浮世絵師・写楽。寛政6年に突如として現れ、翌年に忽然と消えた写楽の本来の姿はいまだ謎に包まれたままです。その写楽がもし女だったら──?

『戯伝写楽』は、そんな新しい切り口で迫る和製オリジナルミュージカル。脚本は劇団☆新感線の座付き作家・中島かずきの書き下ろし。演出は、繊細な心理描写には定評がある元宝塚歌劇の演出家・荻田浩一が手掛けるなど、まさに演劇界の異種格闘技といった感じで、「いったいどんな作品になるの～?」とワクワク。気になるキャストは、新感線出身で、ここ最近は、『ミス・サイゴン』『レ・ミゼラブル』といったグランドミュージカルでも活躍している橋本さとしと、宝塚歌劇団退団後初主演となる元・宙組トップスター・大和悠河のW主演。葛山信吾、ソニンといった充実のキャスト陣にも期待大で、私たちの予想を覆すような新たな写楽像に出会えるはず!

『戯伝写楽』
日程	2010年4月7日(水)～17日(土)
会場	青山劇場(東京・青山) ※地方公演あり
作	中島かずき
演出	荻田浩一
音楽	立川智也
キャスト	橋本さとし、大和悠河、葛山信吾、ソニン、東山義久、岸祐二、小西遼生、辛島小恵、高谷あゆみ、林希、石井一彰、遠山大輔、海老澤健次、コング桑田、山路和弘
料金	SS席11,000円、S席9,800円、A席5,500円

『マーダーファクトリー』 - AKB48、『テニミュ』ら各方面で活躍中の若手が集結

『仮面ライダーキバ』の加藤慶祐、安部麻美、ミュージカル『テニスの王子様』の・瀬戸祐介、AKB48の仲川遥香、元・モーニング娘の保田圭が共演! とこちらもにぎやかな舞台になりそうな予感大。2009年1月に上演された舞台の再演となる本作、初演はキレのある脚本とゴージャスな舞台美術が好評を博し、全日程チケット完売となった話題作です。

舞台は、謎の予言者の予言通りの大震災に見舞われ、廃墟と化した東京。無法地帯となった東京では、無差別殺人集団「ラット」が暴挙を繰り返し、人々を食い荒らしています。未曾有の危機に直面した政府は、秘密組織「マーダーファクトリー(殺人工場)」を生み出して──といった近未来SF。驚愕のラストシーンまで、スピードたっぷりに進んでいくあつ～い舞台を、各方面で活躍中の若手俳優らによって再演! 初演をさらにパワーアップさせたエネルギッシュな舞台が期待できそう!

『マーダーファクトリー』
日程	2010年4月24日(土)～29日(木・祝)
会場	THEATRE1010(東京・北千住)
作	桑嶋美和
演出	藏信貴
キャスト	加藤慶祐、安倍麻美、進藤学、載寧龍二、三浦葵、瀬戸祐介、弥香、川隅美慎、仲川遥香、高山都、保田圭、藏信貴ほか
料金	5,800円

長谷川あや
大学時代から舞台にはまり、小劇団のストレートプレイから大型ミュージカルまでジャンルを問わず観劇。卒業後は出版社に入社し、編集者として活躍。1996年に退社し、現在はフリーライターとして、All About演劇・コンサートや女性誌、情報誌などで読みものページを中心に執筆している

イラスト:gnk