2018年は副業元年と言われているが、実際には副業をしたくても、何をどうすればいいのか分からないという人が多い。そこでオススメなのが「自分の得意なことを仕事にしてしまう」というパターン。この連載では、これまで起業の相談に応じてきたクライアントの中から、スキマ時間とこれまでの経験をいかし、自分の得意なことでそこそこの収入を生み出している人を紹介していく。

2回目に紹介するのは、助産師として働きながら、アルバム・アドバイザーとして活躍する仲野薫さん。そもそも助産師という仕事は超絶に忙しく、しかも不規則なシフト勤務の印象が強い。そんな本業を持ちながらも副業をすることは可能なのだろうか。そして、聞きなれない『アルバム・アドバイザー』とは一体どんな仕事なのか。

  • 仲野さんの『アルバム・アドバイザー』としての仕事とは

きっかけはわが子の写真整理

助産師として働く40代女性の仲野さんは、忙しい仕事の傍ら、アルバム・アドバイザーとしても活動。月に5~10万円を稼いでいるという。

もともと写真を撮るのが好きな仲野さん。わが子と愛犬の写真を撮りまくり、気がつけば大量のデータがパソコンの中にたまっていたが、仕事の忙しさゆえに、整理も現像もできないまま放置状態だった。

その後、パソコンが壊れたことで慌ててデータ復旧を業者に依頼。なんとか回復できたものの、今後に不安を覚え、一念発起して写真を現像・整理することになった。しかし、初めはあまりの写真の多さに、どう整理すればいいのか分からなくなったそうだ。

「そこで、写真の整理術について調べたんです。でもどうせやるなら、徹底的に、簡単に、しかもかわいく整理したい! そう思って見つけたのが、スクラップブッキングという写真の整理術でした」。

  • スクラップブッキングの楽しさを知ったことが副業のきっかけに

スクラップブッキングというのは、ただ写真をアルバムに貼るだけでなく、かわいい柄のアルバム台紙やカラフルな型紙などを使い、写真をデコレーションするように整理する方法とのこと。

「その時の思い出やエピソードなど、文字で書き込むと一生の宝物のように思えました」。

この体験が、やがて仲野さんの副業へと昇華していくことになる。

資格取得が広げてくれた世界

スクラップブッキングの楽しさにハマッた仲野さんは、その勢いのまま、アルバム作りの技術を伝えるアルバム・アドバイザーの資格を取得。仕事が休みの日に、周りのママさんたちにアルバム作りを体験してもらうようになった。

  • アルバム・アドバイザーとしてアルバム作りの楽しさを伝えていった

やがてその楽しさが口コミで広がり、仲野さんのところには大勢の生徒さんが集まることに。講座の受講料はさることながら、資格を取得したことで、アルバム材料の販売代行も手掛けられるようになり、副業としての収入が安定していった。

講座を開催していなくても、生徒さんが自宅でアルバム作りをしたくなった時には、仲野さんを通してスクラップブッキングの会社から材料を購入できるからだ。

忙しさがストレスではなく気分転換になったから続けられた

とはいえ、そもそも本業が忙しく、スキマ時間しか使えない。全てが順調に進んだわけではなさそうだ。

「普段は通勤時間も含めると、1日に12時間近くを本業に割いていましたので、副業には休日をあてるしかありませんでした。でもそうなると、自分が休める日は減ることになりますし、やはり家事も疎かになってしまいました」。

本業が忙しいと気になるのが、副業による体調不良や精神的ストレスだ。しかし仲野さんは、あっさりと言ってのける。

「お客さまと子どもさんと自分、みんなが完成したアルバムを見て幸福感や満足感を得られるんです。だから本業が忙しくてもがんばれますし、むしろ本業だけのほうが気分転換できずにストレスをためていたかもしれません」。

  • 「幸福感や満足感を得られたから副業を続けられた」と仲野さん

仲野さんはLINEグループなどを活用して、生徒さんたちのコミュニティ作りも行っている。そこでお互いにできたアルバムを見せ合ったり、お互いに刺激を受けてまたアルバム作りに励んだり、そんな効果を生んでいる。

最後に仲野さんは、今後の展望を語ってくれた。

「小学生から年配の方まで、楽しくアルバム作りができて、見せ合える場を作っていきたいですね。親のいない子や病気の子、不登校の子たちにも楽しい時間を提供したいです。親の愛、周りの人たちの応援がつまったアルバムは、人生の困難を乗り越えていく大きな力になると思うので」。

どれだけ自分が楽しめるか、周りの人を巻き込めるか

筆者が感じたのは、仲野さんが写真もアルバム作りも本気で楽しみ、その勢いのまま多くの人に幸せを届けているということ。これがアルバム・アドバイザーとしての副業を成功に導いている要因だろう。

副業と言うとどうしても"稼ぐため"というイメージが先行しがちだが、しっかり成果につなげていくには、自分もどれだけ楽しめるか、そしてどれだけ周りの人を巻き込めるか、が重要だ。まずは自分が好きなこと、スキマ時間に取り組めることを見つけてみてはどうだろう。

戸田充広
趣味起業コンサルタント。全日本趣味起業協会代表理事。
趣味起業のパイオニアとしてこれまで300名以上の趣味起業家を育て、現在は全国でのセミナー、講演活動のほか、数々の講座でさらに趣味起業家を育て続けている。著書に『稼げる! 自分に合った副業が必ず見つかる! 副業図鑑』(総合法令出版)、『決定版! 趣味起業の教科書』(マガジンランド)、『消費税率アップから家計を守る! サラリーマンのための安全「副業」のススメ』(すばる舎)などがある。「全日本趣味起業協会