財務省、MBA留学、マッキンゼーを経て、2015年にスタートアップ企業・ウェルスナビを立ち上げた柴山和久さん。お金にまつわる独自のキャリアを生かしながら、現在は、資産を自動運用するサービス、ロボアドバイザー「WealthNavi(ウェルスナビ)」の提供を通じて、誰でも手軽に資産形成ができる世の中を作ることにチャレンジしています。

Q. 35歳の会社員で、妻と6歳の子どもがいます。65歳までに、老後の資金として1000万円を確保したいです。どんな投資に、どれくらいの金額をまわせばいいでしょうか?(30代・会社員・男性)

■ 柴山和久さんの回答

ご相談者は、老後の生活費として1000万円を準備したいということですね。「30年後に1000万円」を目標とされているなら、投資ではなく積立貯金をおすすめします。月に3万円ずつ積み立てていけば、30年間で1080万円になります。あえてリスクを取って投資をしなくても、コツコツ貯金をすれば大丈夫です。

ただ、一般的に、リタイア時には一人あたり3000万円あれば安心だといわれています。1000万円の貯金があっても、ほかに資産のご用意がなければ、老後の生活費としては足りないことも予想されます。

これまでの日本では、定年まで会社勤めをしていれば、リタイア後は退職金に頼って暮らしていくことができたかもしれません。しかし、厚生労働省のデータによれば、大企業の退職金は、年に約2.5%ずつ減少しています。仮にこのペースが続くと、ご相談者が退職金を受け取る頃には、大企業であっても退職金の平均が1000万円を切ってしまうでしょう。

もし「30年後に3000万円」など、より高い目標を掲げるなら、以前のコラムでもお伝えしたとおり、「長期・積立・分散」の資産運用がおすすめです。いつまでにどれくらいの資産を築きたいか、この機会にぜひご家族で話し合ってみてください。


執筆者プロフィール : 柴山 和久(しばやま かずひさ)

「誰もが安心して手軽に利用できる次世代の金融インフラを築きたい」という想いから、プログラミングをイチから学び、2015年4月にウェルスナビ株式会社を設立。16年7月に世界水準の資産運用を自動化したロボアドバイザー「WealthNavi」、17年5月におつりで資産運用アプリ「マメタス」をリリース。

起業前には、日英の財務省で約10年勤務、その後マッキンゼー・アンド・カンパニーに勤め、ウォール街に本拠を置く10兆円規模の機関投資家を1年半サポート。東京大学法学部、ハーバード・ロースクール、INSEAD卒業。 ロボアドバイザー「WealthNavi」の概要はこちら→https://www.wealthnavi.com/