株式投資には「売却益で利益を得る」「配当金を得る」「株主優待を楽しむ」の3つの投資目的があり、これらの目的によって銘柄を選んでいきます。この中でも株主優待は、初心者が株式投資を始めたきっかけとしてもよく話題に上がります。
ただ、どうやって始めたらいいのか、株主優待を得るにはどうしたらいいかわからない方もいますよね。まず始めるには何が必要なのか、また予算額の目安など、初心者の方にもわかりやすく基礎知識からご紹介していきたいと思います。
株主優待を始めるなら口座開設が必要
株主優待とは企業が自社の株式を一定数保有している株主に対して、自社の製品やサービスをプレゼントすることです。自社をアピールすることが目的でもありますが、受け取る側としては株主しかもらえない商品や特別なサービスが受けられる点は魅力的です。
しかし、株主優待は株式投資をしていないと受け取れませんので、まずは口座を開設することから始める必要があります。
口座を開設するまで
(1)証券会社に口座を開設するために、郵送またはオンラインで申し込む。
(2)氏名・生年月日・住所が確認できる本人確認書類(※運転免許証や住民票の写し、印鑑登録証明書、各種健康保険証、パスポートなど)のコピーを用意(ネットの場合はアップロード、窓口は原本)。
(3)マイナンバーカード(顔写真付き)または通知カードのコピーを用意。
(4)必要書類は郵送、またはオンラインで送ります。開設までの日数はオンラインの場すぐに開設できる証券会社もありますし、郵送ですと10日程かかることもあります(オンラインで即時に開設はできる場合でも、取引には時間を要することがあります)。
また各証券会社により必要書類は異なりますので、必ずご確認ください。
口座を開設する際には、3種類の口座から1種類を選ぶことになります。
一般口座
自分で株取引に関する税金を計算し、確定申告します。
特定口座(源泉徴収あり)
証券会社が株取引の損益を計算して、税金を源泉徴収して納めてくれます。
特定口座(源泉徴収なし)
証券会社が株取引の損益を計算してくれますが、確定申告や納税は自分で行います。
口座の種類は変更も可能ですので、まずは株式投資の初心者は証券会社がすべて税金を計算して納税してくれる、源泉徴収ありの特定口座がおすすめです。
どのくらいの予算を持っていればいいのか?
株式投資はミニ株(単元株数未満)と言って1万円以下の取引もありますが、株主優待を実施している企業の多くは、1単元=100株以上が必要です。予算は株主優待を受けたい企業の株価によって違ってきますが、1,000円の株価なら1,000円×100株=100,000円となり、必要な予算は10万円となります(加えて手数料もかかります)。
初心者の方は「初期予算は10万~30万円の範囲で投資しよう」と、大体の目安を付けるのがおすすめです。必ず家計が厳しくならないように、余裕資金の中から投資しましょう。
株主優待の気をつける点
現在、株主優待を実施している企業は右肩上がりに増加し、株主優待制度の新設がされてきている一方で、企業の業績悪化が原因で廃止・改悪を余儀なくされる場合もあります。新設されてからすぐに廃止されるケースは少ないので、銘柄選びの際は企業の業績や利回りを十分にチェックしておきましょう。
また株主優待は、株主が決まる「権利確定日」に株を持っていなければ優待品がもらえません。権利確定日は企業によって異なり、銘柄によっては数カ月先が権利確定日ということもあります。銘柄を買う前に企業のHPなどで必ず確認しておきましょう。
購入する際のポイント利回りについて
株主優待の際に考慮する点として優待利回りがあります。優待にかかった金額(優待に必要な株数)に対して、優待で受けるサービスや商品がどのくらいの割合で購入できたかという指標になります。この数値が高いほどお得な優待券と言えます。優待利回りは3%以上であればお得な優待と一般的には言えますが、利回りが高いと分母の株価が安いことにつながりますので、株主優待の廃止を考えると業績の変化にも注意しなければなりません。
初心者向けの銘柄
株式投資をすぐに始めてみたいという初心者におすすめの銘柄を12月権利確定日・優待利回り・初期投資費用を加味してご紹介していきましょう。
12月のおすすめ株主優待 3銘柄 12月末の権利確定
楽天(4755)
インターネットショッピング「楽天市場」は皆さんもご利用されたことがあるとは思います。楽天のサービスはショッピングサイトのみならず、「楽天証券」「楽天pay」「楽天トラベル」など、多彩なラインナップで消費者の生活を支えてくれています。12月3日には株主優待の変更があり、株主にとってより幅広くサービスが受けられる内容となりました。
最低投資金額 93,300円 (2019.12.13時点の株価933円より)
不二家(2211)
言わずと知れた「洋菓子」の老舗! 知らない人はいないであろう「ペコちゃん」のキャラクターで有名ですね。最近は大人気「ペコちゃんのほっぺ」が品切れになることも多いらしいです。
2008年から山崎製パン傘下に入りスイートガーデン(タカラブネ)を買収するなど「老舗復活」の雰囲気が漂ってますね。
最低投資金額 218,200円 (2019.12.13時点の株価2,812円より)
すかいらーくホールディングス(3197)
全国に3,000店舗を出店しているファミリーレストラン業界大手のすかいらーくホールディングス。「ガスト」「ジョナサン」、そして人気しゃぶしゃぶ店「しゃぶ葉」(よく利用しています!)など、お客様のニーズを応えて多様なブランドを展開しています。また、環境問題にも積極的に取り組み、2020年東京オリンピック・パラリンピックまでには、プラスチック製ストローの使用を廃止することを発表しています。
最低投資金額 217,200円 (2019.12.13時点の株価2,172円より)