気づけば、大雪の日になっていた。こんな空模様だからこそ、銭湯で温まろう。訪れたのは、世田谷区・祖師ヶ谷大蔵にある「そしがや温泉21」だ。小田急線「祖師ヶ谷大蔵」駅から徒歩4分の好立地。メディアでも度々取り上げられる人気銭湯でもあるので、ご存知の方も多いかもしれない。

  • 「そしがや温泉21」へは、小田急線「祖師ヶ谷大蔵」駅から徒歩4分

    「そしがや温泉21」へは、小田急線「祖師ヶ谷大蔵」駅から徒歩4分

大雪だって関係ないさ!

どんどん降り続く雪のため、写真が見づらく申し訳ないが、外観はほとんど公民館のような雰囲気。手すりが見えているところが階段になっていて、これを降りた先に入浴券売機と入り口がある。

その脇には自販機と灰皿の簡易休憩スペース。14時の開店に合わせて行ったが、常連客は何事もなかったように集まっており、既に10人以上の相客がいた。感服するとともに、どこか少し心強いものを感じる。

フロントロビーは広く、旅館の大浴場のような趣がある。テレビや腰掛け、マッサージチェアなどがゆったり配されている。フロントは左側。こちらでチケットを渡し、左手奥が男湯、その反対が女湯になる。

脱衣所も手前と奥の2層式。手前には貸しロッカーが並んでいるほか、自販機とマッサージチェアでゆったり過ごせるスペースになっている。少し薄暗くなっており、湯上がりにこんなところで腰を下ろしたらうたた寝をしてしまいそうだ。奥がロッカールーム。鍵は100円玉返却式。洗面台が3基、YAMATOのはかり、デジタル体重計などがあるほか、なんと床暖房付き。なんともありがたい設備だ。

お風呂もサウナも選びたい放題

男湯のイメージ(S=シャワー)

男湯のイメージ(S=シャワー)

浴室に進もう。カランには既にイスと桶がセットされている。桶はケロリンで、関西式のやや小型タイプのものだ。ボディソープ、リンスインシャンプーは完備。加えて、石けんも置かれているのは珍しい。

湯を簡単に紹介すると、ジェットバス付きの白湯、電気風呂のシルクバス、天然温泉黒湯のバイブラ&電気風呂が右手に並ぶ。湯はデジタル表記でどれも41度くらいとぬるめ。黒湯は特に人気で、10分以上入り続けている客もいた。みな視線は右手上部。音は聞こえないものの、こちらに大型テレビが設置されているからだ。

正面奥には、水風呂、ミストサウナ、冷凍サウナが。冷凍サウナはなかなかお目にかかれないレアな設備で、その名の通り、キーンとした小部屋の中で身体を冷やすという一風変わったサウナ。さすがに今日は遠慮した。

そしがや温泉21は有料エリアも充実。サウナ、さらに右手側浴槽の間の扉から露天エリアに出ることができ、こちらがプールになっているのだ。蒸し暑い日は、冷凍サウナやプールで最高だろう。でもやはり今日は遠慮した。

湯上がりは床暖房で快適な着替え。外に出ると相変わらずの降雪。でも身体が芯から温まっていると、風情を楽しむゆとりが生まれてくる。湯冷めしないよう駅に急ぎつつ、湯の余韻に浸った。

※イメージ図は筆者の調査に基づくもので正確なものではございません

筆者プロフィール: 高山 洋介(たかやま ようすけ)

1981年生まれ。三重県出身、東京都在住。同人サークル「ENGELERS」にて、主に銭湯を紹介する同人誌『東京銭湯』『三重銭湯』『尼崎銭湯』などをこれまでに制作。