連載『「老後破産」を回避せよ! - アラサーから始めるマネー対策』では、FPの馬養雅子氏が、貧困により老後の生活が破綻する「老後破産」をどのように回避すればよいのか、アラサーのうちからできる対策法をご紹介します。
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「老後破産」しないためには、若いうちから支出をコントロールして計画的に貯蓄していくことが大切。お金と向き合い、お金をきちんと管理していくことが必要です。

お金が管理できている人とできていない人を見分けられるのが、おサイフです。あなたのおサイフはいろいろなカードやレシートでパンパンにふくらんでいませんか?

おサイフがパンパンなのは、お金の管理ができていない証拠。そのままだと「老後破産」につながるかもしれません。もしあなたのおサイフがふくらんでいたら、中身をチェックしてみましょう。

老後破産予備軍はおサイフでわかる?!

クレジットカードは2枚で十分

まずクレジットカードは何枚入っていますか? あまり使っていないカードが入っていたら、それは取り出して別のところに保管しましょう。クレジットカードは1枚か、メインとサブの2枚あれば十分です。カードが多いとポイントが分散するし、落としたりなくしたりしたときに気づきにくく、不正使用されてしまうリスクもあります。

あまり使っていないのに年会費がかかっているカードがあるとしたら大きなムダ。即解約しましょう。

最近はコンビニなどで使えるプリペイドカードを使う人も多いでしょう。これも、いつも行くお店で使えるもの1枚だけおサイフに入れておくのがおすすめ。月に1回決まった金額をチャージしてその範囲内で買い物をするようにすれば、使い過ぎを防げます。

たまりやすいポイントカードに注意

おサイフにたまりやすいのがポイントカード。いろいろなお店が発行していて、「○ポイント貯まると○円割引」などの特典があったりすると、ついカードを作ってしまいがち。でも、有効期限までに必要なポイントが貯められないこともよくありますよね。

ポイントカードを作るときは、そのお店で特典が受けられるポイントに達するには、いくら買い物する必要があるか計算してみましょう。「1年間にこのお店で○万円買うことはないな」というケースは多いはずです。そう思ったら、カードを作ることはありません。

既に持っているカードは、期限が切れていないか、特典が受けられるポイントまで達する可能性があるかどうかをチェックして、不要なものは捨てましょう。

そうやって残ったポイントカードも、常に持ち歩く必要はないはず。「今日は仕事の帰りにあそこのお店に寄って買い物をしよう」という日だけ、そのお店のポイントカードをおサイフに入れればいいのです。

計画的な買い物を心がけていれば、「いつ使うことになるかわからないから、とりあえずおサイフに入れておく」ということはなくなります。買い物しようと思ったときに「今日はポイントカードがないからやめておこう」というふうに、衝動買いを防ぐことにもつながります。

レシート入れっぱなしはNG

おサイフにレシートがたくさんたまってパンパンという人もいるでしょう。逆に、コンビニのレジなどにある“不要なレシート入れ”にポイとレシートを捨てていく人も問題アリ。

レシートは、何にいくらお金を使ったかを把握するために必要です。でも、いつまでもためておいては駄目。できれば毎晩、おサイフから取り出して、スマホのお小遣い帳アプリや家計簿アプリに品目と金額を入力してから捨てるようにしたいもの。そうすればおサイフがすっきりするだけでなく、支出も確認できて、ムダ遣いを減らせます。

銀行のキャッシュカードは毎日持ち歩かない

銀行のキャッシュカードも毎日持ち歩く必要はありません。おサイフにキャッシュカードがあるから、お金がなくなるたびにATMで引き出すことになるのです。月に1回、あるいは週に1回など、決まった日にATMからお金を引き出し、その範囲内で支出するようにすれば、使い過ぎやムダ遣いがなくなります。

キャッシュカードは、お金を引き出す日にだけおサイフに入れていけばいいわけです。そうすれば、落としたりなくしたりする心配も減らせます。

こんなふうに、おサイフには必要最小限のものだけ入れるようにすれば、支出をコントロールしやすくなり、お金をきちんと管理できます。是非お試しを。

執筆者プロフィール : 馬養雅子(まがい まさこ)

ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。金融商品や資産運用などに関する記事を新聞・雑誌等に多数執筆しているほか、マネーに関する講演や個人向けコンサルティングを行っている。「図解 初めての人の株入門」(西東社)、「キチンとわかる外国為替と外貨取引」(TAC出版)、『明日が心配になったら読むお金の話』(中経出版)など著書多数。オフィシャルホームページ「あなたのお金のアドバイザー」。