突然ですが、「バレバレなんだけど……」と女子は気付いていても、当の男性は、「やったー、うまくいった」「さりげなくできたっ」とホッと満足している。そういう状況はよくあるものです。例えば社員食堂や学食で、かわいいあの子の隣席が運良く空いていたとします。しかもラッキーなことに、空いている席といえば彼女の隣のあの席だけなんです。

「ラッキー、チャンス! 」というわけで、男性はあたりを大げさに見回しながら「あれっ、席空いてないなぁ」と困った顔などをしてみます。そうしておいてからようやく、「あっ、あそこが空いていた」と気が付いたふりをする。ドキドキする心を隠しながら、「ここ、いいですか? 」とかわいい彼女の隣の席にササッと座ってみるのです。たった一度きりのことでしたら、たまたま偶然の出来事だったんだと女の子も思います。ところが、かわいいあの子の隣でランチを食べる幸せにすっかり味をしめた男子は、翌日もこの時間帯のこの席を狙ってみようと考えるようになります。

かわいくて人気の彼女の隣の席、やっぱり狙っているヤツはたくさんいるんだろうな、と思いきや、意外にもいつも彼女の隣は空いています。遠慮して遠巻きに見ているだけで、彼女の隣に座ってしまう男子は、実はなかなかいなかったのです。

「これまたラッキー! 」な訳なのですが、他の席も空いているのに彼女の隣に座るのは勇気がいります。というわけで、座る席がなくなるかもしれない危険を承知で、わざわざ混雑する時間帯にランチに行くようになり、毎日のようにいつも空席である彼女の隣の席に、「あれーっ、ここしか席空いてないなぁ」と周囲にも聞こえるような声でつぶやきながら座ってみる。

そりゃあ、自分ではバレていないつもり。極めて自然な行動だと当の本人は思っているかもしれません。しかし、周囲の人々はそんなに鈍くはないものです。周りにいる同級生や同僚、先輩女子達など女性はもちろんのこと、かわいい彼女本人も、それから気がきく男子達だって、「あれは、狙ってやってるよ」と気付いている場合がほとんどです。

もちろん、こういうことをするのがよくない、というわけではありません。ただ、自分としては、「うまくやった。オレの気持ち、バレてないぜ」と考えていても、男子の女子に対する気持ちって、大抵バレバレなんだよね、と思っておいたほうがいいと私は言いたいわけです。バレバレにもかかわらずうまくやったような顔をしていたり、さりげないふうを装ってみたりしていると、ちょっと潔くないような気がします。

また、バレてないぜ的な行動を取れば取るほど、後々、自分の気持ちに気付かれてしまったときに恥ずかしさも増していくというか、「うわー、恥ずかしい。ダメだ、もうショックすぎる」とうまくいかなかった時のダメージも大きくなってしまうのではないか、と思うわけです。ダメージが大きくなればなるほど、その後、女の子に対して臆病になってしまたっり、恋愛からますます縁遠くなってしまったりと悪循環が生まれてしまいます。

それでは、どうすればいいのか。まず最初に、「そもそも男のすることは、敏感で察しのいい女子達にはほとんどバレバレなんだ」ということを自覚してしまうことです。特に、同性である男友達からも「オマエってウソつけないよな~」「気持ちが顔に出るよね」と言われてしまうようなタイプの男性は、まず女性にバレずにあれこれできるはずがない! と認めてしまったほうがいいと思います。つらいかもしれないけれど……。

その点を自覚した上で、次にすべきことはオレの気持ち、オレのしていることはバレてないなぁというつもりの行動を取らないこと。彼女の隣の席に座りたいのなら、時間を調整したり、「あれ~、他に空いてる席ないなぁ」なんて周囲に聞こえるように言ったりせず、他に空いている席があろうとも、正々堂々と「ここ、いいですか? 」と隣に座ってしまうことです。もしも、「あっ、ここには友だちが来るんで……」と断られてしまったときは、「そうなんだ、ごめんね」と言って反対側の隣に座るなど、近くの席に座ってしまえばいいのです。

こんなふうにできたら、本当に「さりげなく」みえるはずです。結局、男性というものは女性に対して、恋愛の面で小さく策を練ってみても女性にはすぐにバレてしまうので、やっぱりストレートに行動してみたほうが男の子っぽくていいじゃないのと私は思います。。そのほうが、相手や周囲にバレていないつもりであれこれしていたときより、絶対にダメージも小さくて済むはずです。

バレていないつもりでバレているくらいなら、最初からバレてもいいんだくらいの気持ちで、男らしく、直球で女の子にアタックしてほしいものです。そんな男子って、かわいくてカッコいいと女性は思うものですので、ぜひがんばってみてください。

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酒井冬雪です。「バレバレなところがかわいいよね」と言ってくれる姉御肌でやさしい女性もたまにはいるので、そういうタイプが好きな男子は、今のままバレバレで行ってしまってもいいと思います。