怒られるのは好きではない。という人はきっとタイヘン多いと思います。女の私から見ていると、賢くて仕事もデキる男性ほど、怒られることを苦手としているようにも見えます。

男性とは意味が違うのかもしれないですが、私も怒られるのは好きではありません。私の周囲にいる、仕事の知り合いや友人の女性に聞いてみても、やはり、

「怒られるのなんて、キライですよ。誰だって怒られたくないに決まってます!」

と、みなさん口をそろえて言います。

ところが、男性の中に、ごくごくたまに、女性を平気で怒ることのできるキャラを持った男性がいます。そして、そんな彼がどういうわけかモテてしまったりする。私の友人のSくん(35才、某光学機器メーカー勤務)は、まさに怒り上手な男で、職場でも同僚の女性や部下の女の子を、

「ちゃんと仕事しろよ」「協調性を持て!」と、平気で怒っているようです。

彼に怒られた女性たちの意見を聞いてみると、

「最初は『ええ? 今の私に言った?』ってショックを受けたけど、正当な理由で、正論で怒られたから何も言い返せなかった。彼は人一倍働いてるし。最近では、ああいう人なのね、と怒られるのにも慣れた」

「初めて怒鳴られたときは……あっ、怒鳴られるって言っても大声とかじゃなくて、怒鳴ってる風な声みたいな、うまい加減なんですけど『何、この人ムカつく』と思ったけど、今どき、あんなふうに熱く怒ったりできる人もいるんだなとも思う」

と、おおむね、彼のキャラを理解し、ああいう人なのねと納得しているそうです。

そして、女性たちの中には、そんな彼に、

(こんなふうにハッキリ怒ってくれた人はいない。私のためを思って怒ってくれてるんだわ。どうしよう、彼のことを好きになっちゃった)

と好意を抱いてしまう女の子も後を絶たないのです。外見がカッコいいから、怒ってもゆるされるんだろう、と思う方もいるかもしれませんが、彼は取り立てて見かけのよい男性というわけでもなく、ごくごくフツウの容姿の持ち主にすぎません(ごめんね)。

若いときは、私も彼に何度か、

「時間にルーズなのはよくない」「楽しいのか楽しくないのか、自分の感情をハッキリだすべきだ」と怒られたことがありました。けっこうキツく、怒鳴っているかのような声のトーンで、本気で怒るので、こっちもアタマにきて、

「ちょっとぐらいの遅刻には寛大になりなさいよ」とか「無表情でごめんね。これでも楽しんでますから」と、大人げなくムキになって言い返してしまったほどです。

しかし、怒ったあとは、信じられないほどサッパリして「ごめん」とケーキか何かをおごってフォローしてくるし、二度と同じことを繰り返して怒ったりしないので、怒られた側の女の子も、根に持たない人が多いのではないかと思います。

近頃では、女性に面と向かって怒ったりする男性が少なくなったせいか、怒られるのを新鮮に感じた女の子は、

(私のためを思って怒ってくれてるのかも。好きになりそう)

という方向に行ってしまうのかもしれません。

彼と同じ職場の後輩の男の子Oくんは、

「言いたいこと言って女の人からモテてるんだから、ホントにいいキャラしてますよ」

と、うらやましげに言いますが、だからといって、

「誰にでもできるワザじゃないし。ボクが同じことをしたらゆるされないと思う」

と、自分のキャラクターをキチンとわかっているようです。

そうなのです。誰だって、怒られるのが好きなんてことはありません。ところが、ときどき魔が差すのか(アメとムチっていう言い方もあるし、たまにはビシッと言ってみたほうが、相手に強い印象を与えられるんじゃないか)と思ってしまうことがあります。

そこで、女友だちや職場の同僚の女性から、メールで仕事の相談や悩みを打ち明けられたりすると、ちょっと怒ってみたり、ビシッとキツい言葉を言ってしまったりする。

すると、女性は「何それ? ひど~い!」「そんな人だと思わなかった」と反対に怒ってしまったりする……。

女の子に一度「彼から怒られた→不愉快な思いをさせられた」という……ちょっと困った意味で強い印象を与えてしまうことになりかねないのです。そうなってしまうと、その印象を撤回するのは、なかなかむずかしいと思います。

やはり、女の子を怒ってみる……というのは、ごく一部の、怒ってもゆるされるような外見とキャラクターの持ち主だけが持っているもの。ほとんどの人は、異性を怒ることで、人気を獲得するなんて、無理な挑戦である場合が多いのです。

その証拠に、男女を逆転させて考えてみてください。男の子の間違いをガミガミ怒って、ケチョンケチョンに言う女性よりも、誰にも聞こえないところで、こそっと、

「これ……こういうふうにしておきますね」

と、男性のミスを伝える女性のほうが、モテるのではないかと思われます。

もちろん、ごくごくために、ガミガミ怒られるのが好き……という男性もいるようですが、それも少数派であるはずです。

男性のみなさんは、怒って相手にインパクトを与えるよりも、寛大だったり、冷静沈着でクレバーだったりすることで、女の子に印象をあたえる男子でいてほしいと願わずにおれない私です。


酒井冬雪です。ユーロ、観たいなぁと思います。私の周辺でも欧州サッカーを専門に観て「へええ、Jリーグ観るんだ?」という男性は多いです。しかし、私は聞きたい。この上、欧州サッカーに手を出したら、いったいいつ眠ればいいのか? と。それにしても、デコとロッベンはいいですね。では、またね。