春になり、暖かくなってきます。お花見に行こう、バーベキューをしよう、テニスやゴルフに出かけよう、神社仏閣めぐりをしよう、植物園に行こう……というように、外でデートをしようと考える方も増えるのではないかと思われます。

というわけで今日は、外でデートするとき、殿方に注意してほしいポイントについて、女性の側から考えていきたいと思います。


Cちゃん(27才、公務員)は、職場の休日の昼間の時間を使って、英会話教室に通っています。あるとき、その英会話教室で知りあって意気投合したFくん(30才、某医療機器メーカー勤務)から、授業の帰り道に、

「天気もいいから少し歩いていかない」

と散歩に誘われました。前にも、

「帰りにお茶でも……」

と誘われたことがあるのに、タイミングが合わなくて断っていたので、Cちゃんは、

「いいですね」

と彼にOKの返事をしました。英会話教室の近くには、大きな森林公園があります。

こんなに天気のいい日に、そこを歩くのは気分がいいだろうなぁ……とCちゃんも考えたのでした。

Fくんと二人きりになるのは、はじめてなので、Cちゃんはちょっと緊張してしまいましたが、公園は公共の場所だし、駅もすぐそばにあるし、寒かったらすぐに帰ればいいのです。

授業の進度や、教室に通っているメンバーのことをあれこれ話しながら、Fくんと楽しく公園の中を歩いていたのですが、Cちゃんは「あれ?」と思いました。鼻水がズルズル出るし、目がショボショボしてきたのです。(なんでだろう。……えー、もしかしたら、もう花粉が飛んでる? やばい、これは花粉症だ。でも、Fくんの前で鼻水かんだり、へっくしゅん、へっくしゅんとくしゃみを連発することもできないし……。どうしよう~)

気になれば気になるほど、鼻水はたれてくるし、目からは涙も出てきます。やだ、マスカラが落ちちゃう。

化粧が落ちたり、鼻水がたれそうな様子がFくんにばれないように、下を向いて歩いていると、自分の足先が目に入りました。

(やだー、今日に限って、白いパンプスはいてきちゃった。どうりでさっきから、足が痛いと思ってた)

買ったばかりの白いパンプスは、強い風と公園の砂埃で汚れています。ガマンしているうちに、だいぶ歩いてしまったようで、気が付くと、ふたりは駅からだいぶ離れた公園の奥のほうまで来ていたのでした。

(ここからまた戻るのか~。はぁー、くつのことはもうあきらめたほうがいいな。うぅー、それにしてもまだ完全に暖かいわけではないみたい。だんだん寒くなってきちゃった。やだ、どうしよう……トイレに行きたくなってきた。どうやってFくんに切り出そう~)

くつはすすけて、目はマスカラが落ちてパンダ目、鼻水はたれてくしゃみをこらえるのに必死だし、おまけに寒くてトイレに行きたい。

だんだん気分が滅入ってきたCちゃんですが、Fくんは彼女の困ったようすにも気づかないようで、一生懸命に、自分の仕事のことを彼女に説明しています。

もう、ダメ……。これ以上、ガマンできない……というところで、目の前に公園のトイレが見えました。Cちゃんは、

「ごめんなさい、ちょっと行ってくるね」

と、小走りでトイレに駆け込んだのでした。 そして、自分の顔を手洗い場のカガミを見てガクゼンとしました。アイメイクは、涙でほとんど落ち、たれていないと思っていた鼻水がツツーッとたれ、鼻の頭も目も真っ赤になっていたのです。

(私の顔がこんなになっているのに、大丈夫? とも言ってくれずに、自分の話をしゃべりつづけていたFくんって何なの? しかも、やっぱり寒い。ホットチョコレートとか、何かあったかいものが飲みたい)

甘いものが食べたいことや花粉症を、Fくんのせいにするのも理不尽ですが、鼻水と涙でグショグショになり、寒さに震えるCちゃんは、とってもハラを立ててしまいました。簡単に化粧を直し、ゆっくりとFくんのところへ戻ると、

「寒くなったし、なんだか疲れたから帰ります」

と言い、帰り道は急ぎ足でスタスタと駅のほうまで戻ったのでした。Fくんは、彼女が急に冷たくなったわけがわからず、あたふたとCちゃんの後を追いかけるのでした。


このように、外でのデートにはイロイロと注意することが必要です。たとえば、長い距離を歩くのだったら、彼女の服装を何気なくチェックしてみます。彼女が、スカートにパンプス姿なら、徒歩での長距離移動は避けたほうが無難です。

この時季、花粉症の人は外にいるのがけっこうつらかったりしますので、長い時間、外にいることは避けてあげることも大切です。また、フリースやウールニットなど、花粉がたくさんくっつきそうな服ではなく、表面がツルツルした生地(花粉がつきにくい)の服を着ていってあげる。車で出かけるのなら、車にローションタイプのティシューを用意してあげる。

マスクやサングラスをしている姿に同情してあげる。コーヒー、チョコレート、辛い食べ物など、刺激物(辛い食べ物)を取らないように、外食する際も配慮してみる……といったやさしさを見せてあげてほしいものです。はあ、女の子と付き合うって、聞いてるだけで面倒でタイヘンそうだなぁ、やれやれと思う男性も多いかもしれませんが、愛がある女の子は、男の子からやさしくしてもらうと、何倍もの愛で返すものです。

アウトドアであれこれ気を配ることで、女の子のいちばんいいところを引き出せる。そんな男性になってほしいなぁと思います。


酒井冬雪です。サッカー名鑑発売の季節になりました。あの選手が今はあのチームに……と驚かされることがいっぱいです(新聞でチェックはしてきたけど)。シーズンが始まるまでに、そんなオドロキが薄れ、自分で自分を納得させる作業が終わっているといいかもしれません。では、またね。