いつの時代も恋に悩める男女は多いもの。ここでは、弊誌人気連載「理系のための恋愛論」の酒井冬雪先生が、皆さんの恋愛に関する悩みにお答えします。恋愛に悩んでいる人、まずは先生に相談してみましょう!



35歳会社員、結婚3年目男性です。最近、妻(36歳)が「~をしちゃだめ!」と頻繁に言ってきて、ウンザリしています。

「お風呂に入らず布団に入ってはダメ」「トイレのフタは必ず閉めろ」「食事のときにペチャクチャいわすな」「貧乏ゆすりをするな」「つくった料理に醤油やソースをかけるな」「お風呂から上がったらバスマットを放置するな(洗濯籠に入れるもしくは干して置け)」などなど、いちいち口うるさくいいます。

食事のペチャクチャについては、外では気をつけているのですが、家では気が緩んで鳴ってしまいます。貧乏ゆすりもしかり。他はちょっと妻が口うるさすぎる気がします。妻も完璧な人間ではなく、洗面台には髪が落ちたまま放置していますし、トイレのドアが開いたまま、なんてこともよくあります。

これだけアレをやっちゃダメといわれ続けると、毎日の生活が窮屈です。妻とどうやって折り合いをつければいいでしょうか。



はじめまして、こんにちは。あらら、相談者さんのお話を聞いていて、私もつい「んんん? 」と思ってしまいました。

私も食事中のペチャクチャとつくった料理に醤油とソース、お風呂に入らずお布団は怒ってしまいそう。貧乏ゆすりとトイレのフタ、バスマット放置は、そんなにイラッとしませんね。でも、トイレに新聞雑誌を持ち込む、足音ドタドタやドアをバタンバタンと閉めること、靴下が片一方ずつどこかにいってしまって見つからないなんていうことは「ダメ! 」です。

とはいうものの、人それぞれクセやなおらない習慣はあるものですよね。私はある時期、同業の先輩男性2人と一緒に仕事をしていたのですが、一人は机が少しずつ動くほどの貧乏ゆすり、もう一人は握りこぶしの人差し指の根本をコリコリと噛んで、時折ペチュだのクチュだの音を出すというクセがありました。

仕事をしているというのに、変な物音を立てる2人にイライラした私は、「貧乏ゆすり禁止! 」「指しゃぶり(と呼ぶことにした)禁止!」と2人に言ったのですが、すると2人が声をそろえて、「オマエだって、頭のてっぺんを触ってみろ」というのです。「は? 」と思いながら、自分の頭の上を触ってみると、電波が立っていました。

そう、私は小さい頃から、頭の上の髪の毛をクルクルと人差し指に巻きつけて、巻いた髪を親指の爪でギシギシするというキューティクルに悪そうなクセがあるんです。その音がギーギーうるさいと2人から注意されたわけです。そこで、3人は話し合いました。「何ゆえ、自分達はこの悪癖を捨てることができないのだろうか」と。

貧乏ゆすりは、親からも学校の先生からも怒られ続けたが、なおらないといいます。学校で、「なおせ、なおせ」と言われると、今度は腕が震えてきて鉛筆やノートが落ちるので、勉強に本格的に支障が出てしまい、やはり「足をガタガタするのでよし」と言ってくれた先生がいたときはホッとしたそうです。

握りこぶしの関節を噛むのは、やはり幼少期の指しゃぶりの変形バージョンで、これをやめると、今度は爪をありえないところまで噛んでしまう。爪と関節なら関節のほうが痛みはないので、そちらを選ぶしかなかったそうです。

私はと言えば、若かったころの一時期はさすがに髪の毛のツヤを心配してクセを直そうとしましたが、そうすると寝ている間に頭のてっぺんだけではなく、髪全体をクルクルしてして朝起きるとサザエさんのようになってしまうので、「これではストレスが溜まる」と、直そうとすることすらもやめてしまった次第でした。  

そして、「たぶん、3人とも集中しているとき、うまくいかなくて考えごとをしているときに、悪癖が出てしまうのだろう。ということは、このクセを止めれば仕事に差し障りが出る可能性もある。仕事をスムーズに進めるためには、貧乏ゆすりも関節コリコリ噛みも、髪の毛ギシギシも致し方のないこと。お互いに、お互いのことはガマンしてやっていこう」ということで話は決着したのでした。

相談者さんもアホらしいとお思いになるかもしれませんが、ぜひ奥様と2人で、「どうして、このクセはなおらないのか」とお互いのクセやイラッとくる習慣を一つずつ検証していってはいかがでしょう。その際、頭ごなしに相手を責めてはいけません。「思い起こせば、このクセはいつごろからはじまり……」と歴史をひも解き、このクセや習慣がなくなったときのメリット、デメリットについても2人で話し合って考えてみるといいと思います。

その上で、これをしないと生活に支障をきたすとか、これをやらないとストレスで別の問題が発生するのでしたら、そのクセはお互いに認めてゆるし合うことにし、なくても大丈夫なようでしたらなおしていくようがんばろうと協力してみてはどうでしょう。

家庭は、お互いにリラックスできる場であってほしいですが、節度の基準は人それぞれ違うかもしれません。そんな話も踏まえつつ、楽しく解決策を話し合ってもらいたいものです。健闘を祈ります!

イラスト: のでこ

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