インスタグラムで最近よく見るラーメン。丼の半分弱を占める牡蠣ペーストやら、花のように盛り付けられたチャーシューやら、とろけるような鮮やかな黄身の卵やら、こだわってそうな海苔やらがトッピングされている……見るからに美味しそう。きっと牡蠣の旨味が爆発してるんだろうな。

そんな気になるラーメンが食べられるのは、五反田の「無冠」。何やら予約必須らしい。これは予約できたタイミングで行くしかない!

■完全予約制のため、行列に並ばなくてOK

完全予約制ということになかなか慣れず、ついついタイミングを逃しがちだったのですが、なんとか予約完了。ちなみに予約の手数料もなく、キャンセルも可能とのことで、かなり良心的。

予約は、一枠6席、前日の21時から翌日分のみの予約となっている。筆者は会社帰りに寄りたいので、19時に予約。「無冠」に行けるという楽しみがあったので、その日の仕事はびっくりするほど捗りました。

「無冠」は五反田駅西口を出てすぐ。近辺には、淡麗ラーメンで有名な「麺屋彩音」もあります。

予約時間の10分前に到着。店前をうろうろ。“ネット予約制”の文字も書いてあります。19時にはなっていませんが、恐る恐る入店。店内は本当にカウンター6席で、ラーメン屋にしてはかなりコンパクトな印象。先客は女性1名のみ。

店主から予約済みかどうかの確認を受け、食券を購入。メニューはいたってシンプル。券売機の前で悩むことが多い筆者ですが、今回は悩む余地もなく「特製牡蠣塩」を購入。仮に別メニューがあったとしても、昨日から“牡蠣ラーメン”を食べたくて、ワクワクしていますし迷いようがありません。

入店した時に店のコンパクトさは感じましたが、いざ座ってみると強烈な狭さは感じませんでした。むしろ厨房が近いので、店主の作業の様子が良く見えて楽しい。

満席になってから全員分の牡蠣ラーメンが提供されると思いきや、全員の着席を待たず、あっという間にカウンター上に完成した「特製牡蠣塩」が! 自分でテーブルに持ってくるスタイル。

19時になると6席満席。横並びに座ったお客さんが、同じラーメンを無我夢中で食べている状況。お客さんは全員、一人で来ているので会話もありません。店内は夢中で麺を啜る音が鳴り響いていました。

■旨味爆発! 唸る美味しさ! 細部までこだわりぬいた「特製牡蠣塩」は、必食の一杯

  • 特製牡蠣塩(1,000円)

何から食べるのかとても戸惑いますが、今回は牡蠣ペーストではなく、スープからいってみます。

うまい!! 隣の人も、小声で「うまっ」って言ってましたね。見た目の白濁した色のとおり、しっかりと貝の旨味が凝縮されいてます。塩の加減もちょうど良い。最高すぎます。ここに牡蠣ペーストを溶かしても美味しそうだ。

これが噂の牡蠣ペースト。食べログなどを見ると、“牡蠣のアヒージョ”と書いている方も多いのですが、個人的には“アヒージョ”よりも“ペースト”という方がしっくりくるので、“牡蠣ペースト”と呼ばせていただきます。

ひと口食べてみると、濃厚な牡蠣! そして良い味を出しているのが、“えのき”。溶けるような牡蠣ペーストに、食感をプラスしているんです。にんにくも効いているので、ご飯の上にかけても良さそう。

スープに溶かして食べてみると、ボンゴレパスタのような印象。どんどんスープの味が変わっていくのも良いですよね。

麺は、三河屋製麺の麺ですね。厨房にあるコンテナにしっかり書いてありました。見た目以上に、歯切れの良い中太麺。そして意外に量があります。三河屋製麺も大好きなので、もう最高!

さらに、レアチャーシューの量が凄い! 一枚、二枚というレベルではなく、何枚ものレアチャーシューがまとまって一塊になっています。肉自体の旨味を感じられるチャーシューで、そのまま食べるのも良し、スープに浸してももちろん良し。スープが熱々なのですぐにチャーシューの色が変化します。美味しいだけではなく、量もたくさんあって、お得感がありました。

6人分提供し終えたら、店内ではチャーシューを機械(生ハム切る機械)でスライス、一塊にして次の予約の人数分作っていました。

夢中で食べ進めていたところで、ふと卓上調味料を思い出しました。唯一の調味料、それが“ぶどう山椒”。

気づけば、右隣の人も左隣のひとも、“ぶどう山椒”を振りかけています。これは筆者も参戦するしかない!

どれくらいかければ良いかも分からず、まずは3振り。“ぶどう山椒”って普通の山椒とどう違うのかな。そんなことを考えながら、ぼーっと麺を啜ってみると、“ぶどう山椒”の破壊力が凄まじい。山椒独特の香りがアクセントになり、完璧な味変。

ちなみに“ぶどう山椒”って“緑のダイヤ”って呼ばれているらしいです。確かに普段家で焼き鳥に振っている山椒より高級な気がしました(笑)

味変も楽しみながらあっという間に、完食。もちろんスープも一滴も残らず飲み干しました。美味しすぎて、感無量! スムーズなオペレーションも気に入りました。絶対に。また予約して行きます。

最後に一言、「特製牡蠣塩」のラーメンが“1,000円”って破格すぎませんか?