「工場見学」という四字熟語、大人になってもワクワクするもの。学生の頃に社会科の授業で工場見学をした方は多いと思いますが、社会人になってから改めて行くと、また違った発見がありそうです。

大人になると更に楽しめそうな社会科見学のひとつが「ビール工場の見学」。アサヒビールでは、今年1月に茨城県守谷市と大阪府吹田市の工場にそれぞれ併設されているミュージアムを一新しました。

「スーパードライミュージアム」は、アサヒビールが手掛ける「スーパードライ」ブランドの世界観を五感で体感できるという体験型のミュージアムだそう。スーパードライを「五感で体感」? しかも今回のリニューアルでは、さらに臨場感あふれる内容になったと言いますが、工場見学で「臨場感」???

疑問はたくさんありますが、スーパードライを製造しているビール工場なので「おいしいビールが飲めるかも……」とちょっと期待感も。今回、マイナビニュース編集部では茨城県守谷市のアサヒビール茨城工場の「スーパードライ ミュージアム」を取材、その様子をレポートします。

スーパードライ ミュージアムへの向かい方は?

茨城県守谷市にあるアサヒビール茨城工場では、スーパードライをはじめとしたビールや缶チューハイ、ソフトドリンクなどを製造しています。その茨城工場に併設されている「スーパードライ ミュージアム」は、その名の通り「スーパードライ」のこだわりや製造工程を見学できる施設。

ツアーの所要時間は約80分で、毎日10~15時の間に開催。事前に特設サイトから予約の申込みが必要で、ツアー料金は20歳以上が1,000円、小学生以上が300円です。

アクセスは、つくばエクスプレス・関東鉄道常総線「守谷駅」からバスで10分程度。事前予約をすれば、守谷駅から無料の送迎バスを利用できます。

  • 「スーパードライミュージアム」外観

「スーパードライミュージアム」の入り口は、銀色と赤と黒のちょっと近未来感のある外観。このカラーリングは「スーパードライ」!! 入場前からワクワクします。

没入感が半端ない! スーパードライができるまで

スタッフの方に案内されて、「スーパードライ」のツアーがスタート!

ツアーが始まって最初に案内されるのが、まるで映画館のような「スーパードライシアター」。全長17mの5K大型スクリーンで、スーパードライのこだわりが紹介されます。

  • 大きなスクリーンがインパクト大! スーパードライシアター

大迫力の音響と映像で見るスーパードライ、ビール好きはこの音と泡の動きを見るだけで「たまらない!」と思うはず。 この後の工場見学に期待が高まります。

ミュージアム内部は「スーパードライ」一色。か、かっこい~! 左右のディスプレイで製造シーンのダイジェスト映像を見つつ、どんどん奥へと進んでいきます。

エスカレーターで移動して……隣の階段をよく見ると、ここにもおなじみの「スーパードライ」!

この階段に描かれた「スーパードライ」350mlは1200本。この1200本という数、茨城工場の製造ラインで45秒間に造られる缶の数だそう。実際ずらりと並ぶ様子を見ると、改めて工場の規模の大きさに驚きます。

スーパードライのおいしさの秘密は「酵母」にあり!?

エスカレーターで上ったフロアでは、製造工程の紹介が。ビールの原材料である麦芽やホップが展示されているエリアや、ビールのもととなる麦汁(ばくじゅう)を仕込む大きな釜も。

  • ビールの原材料となる、麦芽とホップ

ビールの原材料「ホップ」は、まるで松かさのような見た目。名前は知っているけどどんな材料か見たことがない人も多かもしれません。スーパードライでは、上品な苦味を実現するためにビターホップに加え、香りのある「アロマホップ」も使用しています。

  • 巨大な仕込み釜がいくつも並ぶ

「仕込み」の段階では、様々な釜が使われます。大きな釜を使い分けながら、麦芽を煮込み、濾過し、ホップを加えて……多くの工程を経てビールのもととなる「麦汁」が作られるそう。ツアーのコースにはガラス越しにそれぞれの釜を見下ろせるエリアも。パソコンで釜を制御している様子を見ると「工場だ……!」とちょっとワクワクします。

「麦汁」の時点では、まだ麦のジュースのような状態。この次に、ビールの味わいを生み出す「発酵」の工程を行います。

  • 酵母の過程が分かる「発酵コーナー」は動く照明で臨場感たっぷり

スーパードライで使用されているビール酵母は「318号酵母」と呼ばれる酵母。この318酵母が、スーパードライらしいキレのあるクリアな味を実現しているそう。

  • キレのあるスーパードライ、おいしさの秘密は「318号酵母」にアリ!

発酵タンクの中で何が起こっているのか、小さな酵母の世界を実際に目で見ることはできませんが、「スーパードライ ミュージアム」では、酵母の過程をLED照明で再現。100個以上の上下に動くキネティックライトと映像を用いて、318号酵母が麦汁の糖やアミノ酸を食べて炭酸ガスやアルコール、香味成分を生み出す様子を紹介します。ダイナミックに動くライトと映像は、臨場感たっぷり!

  • 外を見ると広大な敷地に大きなタンクが!

発酵タンクの中で、酵母がおいしいスーパードライを作り出しているのか~……と感慨にふけりつつ窓の外を見てみると、工場の外には発酵タンクがズラリ! 直径8m、高さ20mの巨大なタンク、アサヒビール茨城工場には150本もあるそう。1本あたりの容量は500キロリットル、350ml缶に換算すると、約140万本! 想像がつかない規模ですが、スーパードライがいかに支持されているビールかがわかります。

ビール缶目線で体験! リニューアルした「スーパードライ ゴーライド」

あまりの規模にちょっとクラクラしつつ、今回のツアーでリニューアルされた「スーパードライ ゴーライド」へ。リニューアル前のツアーでも好評だったというこのコンテンツは、ビール缶の上に乗って、ビールの充填から出荷までを体験できるというもの。これまでは立ち見だったところから着席型に変更し、さらに振動や風、ミストの機能を追加したそう。

シアターの席に座ると、ゴーライドがスタート。正面・左右・床の3面に投影される映像と、映像に合わせた振動や風、ミストを受けると本当に工場の製造ラインに乗っているような気分に。中味を充填し、蓋をされ……ビール缶目線の体験は、まるでジェットコースター!

  • 「スーパードライ ゴーライド」の後は、先ほど映像で駆け巡った工場の様子を見られるエリアも

ツアーの冒頭で「45秒で1200本製造される」と話を聞いて驚きましたが、ゴーライドで疑似体験をすると、改めてその速さを実感。製造ラインを見るだけでなく、実際に「体験」できるのは「スーパードライミュージアム」と大阪・吹田市の「アサヒビール ミュージアム」だけ。体験したあとにスーパードライの缶を見たら、「あの工程を経てここまできたのか……」とちょっと親近感が沸くかもしれません。

工場見学のお楽しみ、できたてスーパードライで乾杯!

「スーパードライ」の秘密を知れば知るほど「スーパードライ、こだわりがすごい!」という思いとともに、「スーパードライ、飲みたい!!!!」という気持ちに。ツアーの最後は「スーパードライ ホール」でつくりたての「スーパードライ」を楽しむことができます。

ツアーで沢山歩いた後ということもあり、プロが注いでくれる冷えたスーパードライは格別! 「318号酵母」の力で麦芽とホップがこんなに飲みごたえとキレのあるビールになるんだなあ……。製造工程の裏側を知ると、いつもおいしい「スーパードライ」がさらにおいしく飲めそうです。

そして2杯目は、さらに楽しくなる仕掛けも。氷点下(-2~0℃)のスーパードライ「エクストラコールド」を専用サーバーから注ぐ体験や、泡の上にスーパードライのロゴやアートがプリントされる「泡プリンター」が楽しめます。どちらも写真映えすること間違いなしのコンテンツ。なお「ツアーに参加したいけど、ビールが飲めない」という方には、ソフトドリンクも用意されています。

  • きめ細かな泡の上にロゴが描かれる「泡アート」

  • 「エクストラコールド」サーブ体験。自分で注ぐのも楽しい!

「スーパードライ ホール」からエントランスに戻る途中には、お土産を多数取り扱うミュージアムショップも。「スーパードライ」に合うおつまみや、「スーパードライ」のロゴがあしらわれたグッズなど、ツアーの思い出にぴったりな商品が揃っています。

  • 「スーパードライ」ファンにはたまらない! お土産コーナーも

知って楽しく、飲んで楽しい「スーパードライミュージアム」は、「スーパードライ」がさらに好きになりそうな体験型施設でした。大人の社会科見学として、ぜひ遊びに行ってみてはいかがでしょうか。

スーパードライミュージアム(アサヒビール 茨城工場)
ツアー参加費:20歳以上 1,000円、小学生以上 300円(要事前予約)
住所:茨城県守谷市緑一丁目1-1
休業日:年末年始・指定休日
アクセス:つくばエクスプレス・関東鉄道常総線「守谷駅」下車、中央東口2番バス乗り場より無料送迎バスで約10分(予約制)
公式サイト:スーパードライミュージアム