サーキットやガレージを飛び出し、街の施設やイベントへやって来たマシンに会いに行く、シリーズ「街なかの競技車」。第1回目となる今回は、静岡市のコンベンションセンター「ツインメッセ静岡」で出会えたレースカー「スバル WRX STI NBRチャレンジ」のお話です。
ホビーのイベントにてニュル24h優勝車をパチリ
5月12~13日、ドイツで行われた「ニュルブルクリンク24時間レース(ニュル24h)2018」 。世界一過酷なんて言われるこの耐久レースで、スバルの「WRX STI NBRチャレンジ」が、2年ぶり5回目のクラス優勝に輝きました。おめでとう!!
で、昨年秋のことですが、模型メーカー主催のホビーイベント「タミヤフェア2017」にニュル24h 2016の優勝車がやって来ると聞いて、会場のツインメッセ静岡へ会いに行きました。タミヤが電動ラジオコントロールカーとして「WRX STI NBRチャレンジ 2016」を製品化したご縁あっての展示です。
「WRX STI」ってどんなクルマ? NBRってなに?
このレースマシン、実は市販されているスポーツセダン「WRX STI」をベースに製作されています。もともと「WRX」とは、初代「インプレッサ(GC8)」のうち世界ラリー選手権(WRC)参戦モデルに与えられたグレード名でした。
その後、スバルテクニカインターナショナル(STI)のコンプリートカーとして「インプレッサWRX STi」が登場し、やがてカタログモデルに昇格。スバルがWRCを離れてからもその名は継承されましたが、2014年のモデルチェンジで“インプレッサ”の文字が消え、「WRX」という独立した車種と「WRX STI」というモデルが誕生したんです。
そしてNBRとは、ドイツのサーキット・ニュルブルクリンクを指します。フルコースの1周がなんと約25kmもあり、世界屈指の難コースとして知られるニュルブルクリンクで、年に1度開催される24時間耐久レースに、スバルは2008年から継続して挑戦。そのための特別なマシンが「WRX STI NBRチャレンジ」というワケです。「インプレッサWRX」時代からの特徴である、水平対向の2L4気筒ターボエンジン(EJ20型)とAWDとの組み合わせで、勝利を重ねてきました。
市販車の骨格+ドライカーボンパーツで、よりワイドに
さて、「WRX STI NBRチャレンジ2016」を間近で見学した感想ですが、エアインテークの両側にエアベントを設けたボンネットや、大きく張り出したワイドフェンダーなど、戦いのための装備が迫力満点でした。ボディの骨格自体は市販車と共通ですが、より低く(1475→1395mm)、よりワイド(1795→1860mm)! 外装パーツにはドライカーボンを採用して軽量化を図っているとのことで、その質感もハッキリと見て取れました。
ニュルブルクリンクからの帰国後に整備されたのでしょうが、それにしても24時間の激闘をくぐり抜けたとは思えないほど、キレイだったのも印象的です。チームSTIのマシンへの愛を感じてしまいました。今年優勝した「WRX STI NBRチャレンジ2018」とも、いつかどこかで出会えるでしょうか?
【スバル WRX STI NBRチャレンジ 2016】
全長×全幅×全高 | 5120mm×1860mm×1395mm |
---|---|
ホイールベース | 2650mm |
エンジン | EJ20型水平対向4気筒ターボ |
排気量 | 1994cc |
最高出力 | 250kw(340ps)/5500rpm |
最大トルク | 461Nm(47kgf-m)/3000rpm |
【ツインメッセ静岡について】
静岡市内にあるコンベンションセンター。毎年5月には国内最大級の模型の新製品展示会『静岡ホビーショー』も開催され、ここでも競技車に会えるチャンスがあります。『WRX STI NBRチャレンジ』は、2017年11月18~19日に『タミヤフェア2017』で展示されました。