過労自殺しかけた経験を描いた書籍「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」の著者である汐街コナさんが、会社から身を守るための処世術などを紹介する漫画連載「会社につぶされないために」。今回のテーマは「当時は気づかなかったけれど(6)」です。
セクハラも含め女性の権利関連を声高に叫ぶのが、なぜか性被害に遭いやすい10~20代の若い女性ではなく、上の年代の女性が多いことを不思議に思う男性もいるようです。
例えば、社内で若い女性に絡む男性社員に、「それセクハラです!」と年配の女性社員が声を上げると、「若い女性が男性社員にチヤホヤされているから、オバサン社員が嫉妬している」と受け取る男性もいるようです。
そういうケースがないとは言いませんが、多くは「自分が若い頃に嫌だと自覚できなかったこと・言えなかったこと」を思い出し、指摘しているというケースだと思います。
過去の自分を思い出したときに、若い女性が「自覚できない・言えない」ということは容易に想像がつくからです。
セクハラだけでなく、イジメやパワハラに遭った経験がある人なら「被害の自覚が難しい」ことはわかるのではないでしょうか。
「そういうものだから」「これが普通だ」と思わされていることもあれば、「自分は被害になんか遭っていない」「自分はこれくらい平気な強い人間だ」と思いこむことで、自分の心を守ることもあります。
それは当事者からすれば、生き抜くために必要なことで、安易に否定はできません。
しかし、そうやって被害を受け入れてしまう人間が多い限り、被害は被害として認知されず、永遠に「そういうもの」として受け継がれていってしまいます。
ですので、「これは否定しなければならないことだ」と、気が付いた人が声を上げるのは、大切だと思います。