過労自殺しかけた経験を描いた書籍「『死ぬくらいなら会社辞めれば』ができない理由」の著者である汐街コナさんが、会社から身を守るための処世術などを紹介する漫画連載「会社につぶされないために」。今回のテーマは「当時は気づかなかったけれど(3)」です。

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転職後まもない頃のことです。当時はセクハラだと思っていませんでしたが、今絵として描くとなかなかひどいですね。そりゃ周囲が止めたわけだ。

ハラスメントは「嫌がらせ」と訳されますが、加害者が「嫌がらせ」だと自覚して行うことは少ないと思います。

セクハラにせよパワハラにせよ、「ちょっとした冗談」「厳しく指導しただけ」と認識している加害者の方が多いでしょう。

それだけに、社内で人事に報告されたり、もっとひどい場合には警察に訴えられて、はじめて「ハラスメントだったのか」と自覚する加害者もいると思います。

これは、被害者だけでなく、加害者にとっても不幸なことだと思います。自覚があれば防げたかもしれないということですから。

「私はセクハラだと感じないから、別にいいや」「普段はいい人だし、これくらいで騒ぐのも空気読めないかな」と思う人もいると思うのですが、そうやってセクハラを指摘しないことで、いつか相手が「加害者」として厳しい処分を受ける日がくるかもしれません。そして、もちろんそこには大きな心の傷を負った被害者も存在します。

そういう状況を生み出さないためにも、「これくらいはいいか」と見逃さず、ちゃんと指摘することも大切だと思います。