d払いおよびiD(dカード)の利用で、還元率が最大7%アップする「dポイントスーパー還元プログラム」の内容が、2020年5月10日にリニューアルされた。還元対象となる支払い方法と、還元率アップの条件を解説する。

  • dポイントが最大+7%還元になる「dポイントスーパー還元プログラム」

還元対象はd払いおよびiD(dカード)

「dポイントスーパー還元プログラム」の還元対象となるのは、d払いおよびiD(dカード)を使った支払いのうち、下表の支払い方法を用いた実店舗での決済となる。iD(dカード)はNTTドコモが発行するクレジットカード「dカード」を紐付けたiDによる決済のことで、「dカード」はドコモの回線契約者でなくとも入会できる。

なお、プリペイドカード「dカードプリペイド」を紐付けたiD決済はiD(dカード)に該当しないため、「dポイントスーパー還元プログラム」の還元対象外だ。

d払いを使うには支払い方法を設定する必要があり、クレジットカード払い、電話料金合算払い、口座払いの3種類が選べる。

クレジットカード払いは「dカード」を設定した場合のみプログラムの還元対象。また、電話料金合算払いはドコモの回線契約者のみ利用でき、銀行口座からの引き落としや「dカード」以外のクレジットカードで電話料金の支払いをしている場合でも、プログラムの還元対象になる。さらに、口座払いは事前にチャージしたd払い残高(ドコモ口座残高)から支払う方法のことである。

d払い(iD)はドコモのおサイフケータイ対応のスマートフォンでのみ利用できるiD決済で、利用代金は電話料金と合算して支払う。つまり実質的にはiD払いであるが、利用にはd払いのアプリが必須となる。

iD(dカード)は前述したように「dカード」を紐付けたiDによる決済のこと。おサイフケータイのiDで支払った場合やApple PayのiDで支払った場合、また「dカード」のカード自体に搭載されているiDで支払った場合でも、実店舗での利用分に関してはプログラムの還元対象になる。

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iDはAmazon.co.jpなどのECサイトでも利用できるが、これらのネット決済はプログラムの還元対象外。また、d払いのネット決済もプログラムの還元対象外となる。

もうひとつ気をつけたいのは、dポイントを充当した支払いは還元対象外となること。d払いでは支払い時にdポイントを充当できるが、たとえば1,000円の買い物で100ポイントを充当した場合、プログラムの還元対象は900円分となる。

iD(dカード)も事前にdポイントを「iDキャッシュバック」に交換することで、iD利用代金にdポイントを充当できるが、こちらのポイント充当分はプログラムの還元対象。つまり充当前の金額が還元対象となる。

還元率をアップさせる条件は?

「dポイントスーパー還元プログラム」の還元率アップ条件は下表の通り。還元率アップが適用される期間は毎月10日~翌月9日となる。

還元率アップの条件となるのは上記の5項目だが、それぞれの詳しい判定基準は以下の通りとなる。

・dポイントクラブで会員ステージが「プラチナ」
dポイントには5段階の会員ステージがあり、最上級の「プラチナ」になると条件を満たせる。「プラチナ」の条件はドコモ回線継続利用期間15年以上もしくは6カ月間の累計dポイント獲得数1万ポイント以上。

ステージ判定の対象となるdポイントは、街やネットの店を利用、ドコモ回線の利用、「dカード」の利用などで貯まるdポイントで、キャンペーンやポイント交換などで貯めたdポイントは判定対象外となる。

ステージは毎月1日に更新され、たとえば8月のステージは1~6月の累計獲得ポイントで判定される。つまり「dポイントスーパー還元プログラム」で8月10日~9月9日までの還元率アップ条件を満たすには、1~6月に1万ポイント以上を獲得するか、7月31日までにドコモ回線を15年以上継続利用している必要がある。

・dポイントを貯めた回数
dポイントを貯めた回数は、前月1~末日で判定される。回数にカウントされるのは、前述のdポイントクラブのステージ判定対象となる利用のみ。月に50回は簡単に達成できないと思うかもしれないが、「dカード」、d払い、dポイントカードは、それぞれ利用1回ごとにポイントが計算される。

つまり1日1回コンビニで買い物をすれば月約30回。d払いで「dカード」を紐付ければ、ポイントは別々に計算されるので、1回の買い物で2回ポイントを貯めることもできる。ファミリーマートやローソンなどポイントカード提示でdポイントが貯まるコンビニなら、1回の買い物で3回ポイントを貯めることも可能だ。

・「dカード GOLD」でドコモ利用料金を支払い
前月末時点で「dカード GOLD」の契約があり、ドコモの携帯電話またはドコモ光の料金を「dカード GOLD」で支払うと条件達成となる。「dカード GOLD」の契約は家族カードの会員も対象。また、携帯電話料金を家族で一括請求にしている場合でも、親回線の支払いが「dカード GOLD」に設定されていれば、子回線の会員も対象となる。

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・ネットでの利用額
前月1~末日で判定される。「ネットでの利用」の対象となるのは、d払い、ドコモ払い、spモードコンテンツ決済サービス(Google Play・iTunesなどのキャリア決済も含む)を使ったネット上でのすべての支払い額。

また、上記以外の支払方法でも、dショッピング、dデリバリー、dトラベル、DAZN for docomoなど、dマーケットの対象サービスでの利用額は、ネットを介した決済であれば集計対象。ネットを介さない銀行振込、代金引換払い、コンビニ払い、現地決済などは対象外となる。

・「dカード」請求額
前月請求分によって判定される。たとえば「dポイントスーパー還元プログラム」で5月10日~6月9日までの還元率アップ条件は、4月請求分によって判定される。4月請求分は2月16日~3月15日までの利用分となり、3月末頃に確定し、4月10日(土・日・祝は翌営業日)に引き落としとなる。

各項目の集計期間をまとめると、以下のようになる。「dカード」請求額は15日締めになるので注意が必要だ。

月1万5,000円利用分が上限

「dポイントスーパー還元プログラム」によって付与されるポイントは、1回の利用ごとに計算され、1カ月(毎月10日から翌月9日)につき1万5,000円利用分が上限となる。つまり+7%の場合は1,050ポイント、+1%であれば150ポイントが獲得上限。

ポイントは対象期間開始月の翌々月末日に付与され、付与から3カ月間(正確には96日間)有効な「dポイント(期間・用途限定)」となる。たとえば5月10日~6月9日までの利用分は、7月31日に付与され、11月3日が有効期限となる。

なお、これとは別にd払いもiD(dカード)も、通常利用分のポイントも貯まる。d払いは街での利用の場合は200円につき1ポイント(ネットでの利用は100円につき1ポイント)。「dカード」を紐付けていれば、「dカード」の利用分として別途100円につき1ポイントが貯まるため、200円で3ポイントが貯まる計算だ。iD(dカード)での利用分は100円につき1ポイントとなる。

「dポイントスーパー還元プログラム」の対象になるには、事前にエントリーが必要。2019年5月22日以降に一度でもエントリーしていれば、毎月エントリーする必要はなく、エントリー状況や現在の還元率はdポイントクラブのサイトで確認可能だ。

  • 現在の還元率はdポイントクラブのサイトで確認できる

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■ 筆者プロフィール: タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。