昨年に発行の告知がされてから話題となっていた「Visa LINE Payクレジットカード」の申し込み受付が、いよいよ4月23日より開始された。サービス初年度3%還元やスマホ決済との連携など、魅力的なサービスを備えた同カードについて、利用に際して知っておくべきことを解説する。

  • 「Visa LINE Payクレジットカード」東京2020オリンピックエンブレムデザイン

2021年4月までは3%還元

「Visa LINE Payクレジットカード」はLINE Pay、Visa、三井住友カードの提携により発行される。年会費は1,375円で初年度は無料。年に一度でも利用すれば、次年度も無料になるため、実質年会費無料で利用可能だ。

ショッピング利用に応じてLINEポイントが貯まり、基本は100円につき1ポイント。2021年4月30日までは、期間限定で100円につき2ポイントが上乗せされ、還元率は合計で3%になる(予告なく変更・終了の場合あり)。

ポイントの還元にはLINE Payアカウントへのクレジットカード登録が必須で、還元されるポイントは1回の決済ごとに計算される。LINEポイントはLINE Payでの決済時に1ポイント=1円として利用できるほか、LINEの各種サービスへの支払いに充当可能だ。

LINE Payのスマホ決済がチャージ不要に

カードにはVisaのタッチ決済の機能が搭載されており、ローソンやマクドナルドなどの対応店では、端末にカードをタッチするだけで支払いが可能。2020年夏からは、「LINE Pay カード(プリペイド)」などチャージ残高での決済同様、支払いと同時にLINEで決済通知が送られてくるサービスも開始予定となっている。

LINE Payと連携して利用できる「チャージ&ペイ」の機能も大きな特徴だ。LINE Payで支払いをする際は、通常は事前に残高のチャージが必要だが、「Visa LINE Payクレジットカード」を登録して「チャージ&ペイ」を選択すれば、「Visa LINE Payクレジットカード」の請求にまとめられ、都度のチャージが不要になる。「チャージ&ペイ」の利用分に関しては、後述する「LINEポイントクラブ」のマイランクに応じた還元率が適用される。

「チャージ&ペイ」が利用できるのは、QR / バーコードの提示または読み取りで支払うコード決済、請求書支払い、オンライン支払いとなり、Google Payで利用可能なQUICPay決済は対象外となる。なお、「Visa LINE Payクレジットカード」はApple PayまたはGoogle Payに登録すればiDでの支払いも可能となり、こちらはクレジット利用分と合わせての請求となる。

LINEポイントクラブのプラチナに必須

これまでLINE Payで決済をした際は、決済利用実績に応じた「マイカラー」によってポイントが還元されていたが、2020年5月1日からは新たに「LINEポイントクラブ」がスタートする。

「LINEポイントクラブ」は過去6カ月間に獲得したLINEポイントに応じて「マイランク」が決定し、ランクが高くなるほど充実した特典が受けられるLINEのメンバーシッププログラム。ランクの算定基準と特典は以下の通りだ。

マイランクは毎月1日の午前10時に更新される。たとえば1月から6月までに500ポイント獲得していれば「ゴールド」になり、7月1日の午前10時から1カ月間適用される。「プラチナ」に関しては、LINE Payアカウントに「Visa LINE Payクレジットカード」を登録することが必須条件となる。

マイランクの算定対象となるLINEポイントの獲得は、LINE Payや「Visa LINE Payクレジットカード」の利用だけでなく、他社からのポイント交換も含め、LINEポイントが貯まるすべてのサービスが対象だ。

特典クーポンは「LINE Pay」の人気加盟店70社以上が参画しており、コード決済またはオンライン支払い時に利用できる。「チャージ&ペイ」利用時の還元率はマイランクによって変動するため、LINE Payとクレジットカードの両方が使える店では、2021年4月までは3%還元になる「Visa LINE Payクレジットカード」で支払うことを基本にしつつ、特典クーポンで還元率が3%以上になる場合はLINE Payを使うといいだろう。

ちなみに「プラチナ」の基準となる5,000ポイントは、「Visa LINE Payクレジットカード」の利用だけで獲得する場合、半年間で17万円弱、1カ月あたり2万8,000円弱利用すれば達成できる(3%還元期間中の場合)。LINEポイントはLINEショッピング、LINEデリマなど、LINEの様々なサービスを使うことでも貯められるので、早めに条件をクリアして、「チャージ&ペイ」でも3%還元を得られるようにしておきたい。

「チャージ&ペイ」を利用していないLINE Payでの決済は、「マイカラー」終了にともないポイント付与対象外となる。

東京2020オリンピックエンブレムデザインが枚数限定発行中

「Visa LINE Payクレジットカード」は現在、レッドとブルーの2色から選択可能。どちらも東京2020オリンピック限定デザインとなる。6月頃からはスタンダードデザインも申込可能になる予定で、こちらはホワイト、グリーン、イエロー、ブラックの4色から選べるようになる。少しでも長く3%還元で使うなら、早めに申し込んでおいたほうがいいだろう。

  • 「Visa LINE Payクレジットカード」のスタンダードデザインは6月頃から募集開始予定

なお、申し込みやクレジットカードとしての利用にLINEアカウントは必須ではないが、ポイント還元を受けるにはLINEアカウントとの連携が必須となり、連携したLINEアカウントを削除すると、貯まったポイントは消滅する。機種変更であれば引き継ぎは可能だが、もしアカウントを削除する場合は、事前にポイントを使い切るなど注意して取り扱おう。

※本記事で紹介したサービス内容は更新日時点の情報です。「税別」などの注記がない限り、原則として消費税込みの金額を表記しています。ポイント価値は編集部にて算出しており、利用方法によって上下する場合があります。各サービスには一部対象外となるケースがあります。ご利用の際は公式サイトなどで最新の情報をご確認ください。

■ 筆者プロフィール: タナカヒロシ(ライター・編集者)

普段は音楽やエンタメ関係の仕事が多いが、過去に勤めていた会社の都合でクレジットカード本を作ったことをきっかけに、クレジットカード、電子マネー、ポイントなどに詳しくなる。以降、定期的にクレジットカードのムック本を編集・執筆。3月8日発売の『最強クレジットカードガイド2017 本当にトクするカードの選び方・使い方=写真=』(角川SSCムック)では、編集統括および記事の大部分を執筆している。