出張での商談と食事を終えホテルに戻るも、なかなか眠れない…。今後のビジネスの展開を考えながら、一人でしっぽりと飲めるバーはないものか。そんな時におすすめなのが、アメリカ村にある「Bar Wisteria(ウィステリア)」だ。

  • アメリカ村のカオスビル、日宝三ツ寺会館にあり

※新型コロナウイルスの影響により、現在は休業中です。終息後、ぜひ足をお運びください

お店があるのはアメリカ村の一角にある「日宝三ツ寺会館」というビルの中。アメリカ村といえば、ファッションをはじめ大阪のサブカルを代表する個性的な店が集まるエリアだが、その中でもひときわ異彩を放つのが「日宝三ツ寺会館」だ。地下1階から4階の5フロアにバーや居酒屋など約60店舗が犇めき、個性的な店が多いことから“大阪のゴールデン街”とも揶揄されるほどのカオス的なビルで、その4階に「Bar Wisteria」はある。

「Bar Wisteria」オーナーの藤原麻也さんは、印刷会社を営むかたわらデザイナー、カメラマンとしても活躍するマルチな才能の持ち主。昼の仕事を抱えつつも、毎日朝までカウンターに立っているまさに大阪府知事よろしく「藤原、寝ろ」状態の生活を送っている。ちなみに、「Wisteria」はオーナーの名前の“藤”の英語名だそう。

  • オーナーの藤原麻也さん。デザイナー兼カメラマンとしても活躍

日宝三ツ寺会館はビルの中ながら2階がある店も多く、「Bar Wisteria」もその一つ。隠れ家的な特別席として使う店もあるが、「Bar Wisteria」ではアーチストたちに貸し出し、ライブを行なうこともしばしばだ。

  • 2階のライブスペース。コンパやパーティーなどにも利用できる

ウイスキーは約100種。希少なボトルも豊富

1階のカウンター席にはズラリと酒のボトルが並べられている。特にウイスキーに力を入れており、その数は約100種。珍しい酒も多く、その中からいくつか飲ませてもらった。

まずは「ジョニーウォーカー ア ソング オブ アイス」(1杯税抜1,000円)を。アメリカのテレビドラマシリーズ「Game of Thrones(ゲーム オブ スローンズ)」とジョニーウォーカーがコラボし、2019年に限定発売されたウイスキーで、4本並べるとイラストが完成するというユニークなもの。トロピカルなフルーツを感じさせる華やかな味と香りが楽しめる。

  • ジョニーウォーカー ア ソング オブ アイス。4本並べると白いオオカミのイラストが完成する

続いては、「メーカーズマーク カスクストレングス」(1杯税抜1,500円)。人気のバーボンである「メーカーズマーク」のなかでも希少な1本で、加水していないためアルコール度数が約55度と高いが、樽本来の風味とふくよかな旨味が味わえる。

  • メーカーズマーク カスクストレングス。樽特有の香りが広がる

ロックでちびちび飲んでいたら、小腹が空いてきたので何か作ってもらおうと藤原オーナーにたずねると「パスタならできますよ」とのこと。通常メニューにはないが、藤原オーナーはイタリアンの経験もあるため、その日の材料次第で料理を作ってもらえることも。ちなみに、コンパなどのパーティではしっかりと料理を出してくれるとのこと。料理をお願いすると、パスタの前にシーザーサラダ(1人前税抜800円)が。温泉卵がトッピングされていて、混ぜて食べるとまろやかに。カリカリのクルトンの食感も最高だ。

  • レタスたっぷりのシーザーサラダ。チーズもたっぷり

そしてパスタ(1人前税抜1,000円)が登場。しらすとネギがたっぷりと入ったオイル系のパスタで、ニンニクや鷹の爪の味の中にしらすのほのかな甘さがしっかりと楽しめるレストラン顔負けの味に、ついついウイスキーも進んでしまう。多すぎず少なすぎずのポーションも、小腹が空いた時にはぴったりだ。

  • しらすとネギのパスタは、レストラン顔負けのおいしさ

まだまだ希少なウイスキーがたくさん多く、今ではほぼ手に入らなくなったジャパニーズウイスキーなどもストックしているそうで、行くたびに新たしい味に出会えるのも魅力。お客さんは藤原オーナーの飲み仲間はもちろん経営者も多く、何げに会話をしているだけでビジネスのヒントになることも多いとか。大阪出張時の眠れない夜中にふらりと立ち寄るなら、ぜひ「Bar Wisteria」へ。

● Information
「Bar Wisteria」
大阪府大阪市中央区西心斎橋2-9-5
日宝三ツ寺会館4F
21〜翌5時
不定休