外装の取り付け

外装(ボディカバー)を取り付けるには、まずボディマウントと呼ばれるパーツを各所に固定する。このボディマウントを介してボディカバーを装着するのだが、このパーツは左右で見分けが付きにくいものが多いので、パーツを切り離したら、すぐに取り付けるようにしよう。シールなどで目印を付けておくのもいいだろう。

左下の黒いパーツがボディマウント。切り離して使用する

外装はネジやマジックテープでボディマウントに固定する

SMALL FACEバージョンの場合は、頭部と肩の外装の取り付け方法が通常バージョンと異なるので注意。また、外装を全て取り付けてみて、パーツ同士の干渉やケーブルの引っかかり等がないかチェックするのを忘れずに。特にサーボのケーブルは傷つきやすいので、カバーのエッジで擦れていないか気をつけたい。

ちなみに筆者の場合、アスリートカップ終了後にメンテしていたら、太腿の部分でケーブルの皮膜が傷ついているのを発見した。外装を固定しているネジが内側に飛び出しており、これが傷の原因のようだったので、ネジをニッパーで切って短くする対策をとった。マニュアルになくとも、各自の機体状況にあわせて調整することも時には必要である。

太腿で固定しているケーブルに傷が。試合中にショートしなくて幸いだった。もちろんすぐケーブルを交換した

太腿の外装を固定している2×8mmのネジが内側に飛び出している。短いネジを持っていなかったので切ることにした

TEC-3の取り付け

次に無線化である。前回紹介したように、普通であれば近藤科学製の「KRC-1」を使うところだが、筆者は今回、Hotproceedの「TEC-3」という製品を使用した。ロジクール製のプレイステーション 2用コードレス・コントローラ「LPGC-60000」で操作できるようになるもので、KRC-1に対しては以下のようなメリットがある。

  1. 左右2本のスティックによるアナログ操作が可能になる
  2. 無線が2.4GHz帯で、利用可能な距離が長い(最大10m)。またアンテナも不要
  3. 周波数を自動で切り替えるので、複数台使用時にもクリスタルの交換が不要
  4. 費用が安い(LPGC-60000+TEC-3は1万5千円程度、KRC-1無線セットは2万円強)

そのほか、コントローラの電源が単3電池×2本で済む(KRC-1では単4が8本必要)という細かな点もあるのだが、一方でデメリットとしてはボタンの少なさが挙げられる。

近藤科学製の「KRC-1」(左)とロジクール製の「LPGC-60000」(右)

コントローラ上部にはどちらもボタンを4つ配置している

KRC-1には十字ボタンのほか、斜め入力用のボタンも別個に用意されており、それぞれにモーションを割り当てることが可能。LPGC-60000でもボタンの同時押しで同様の操作はできるが、タイミングが少しでもずれると他のモーションが発動してしまうので、正確に操作するのはかなり難しい。サッカーなどではフルにボタンを使用するので、キー割り当ては工夫する必要があるだろう。

さて、TEC-3の取り付けだが、まず考えなければならないのは「どこに格納するか?」ということだ。MANOI AT01のSMALL FACEバージョンでは、最初筆者はムリヤリ背中に入れていたのだが、ちょっとはみ出しており、転倒時の衝撃が心配だったので、最終的には頭部のスペースに格納することで落ち着いた。重心は多少高くなってしまうが、前後のバランス的にはいいかもしれない。

LPGC-60000の受信機(上)とTEC-3(下)を接続。電源はRCB-3から供給される

頭部のスペースに格納。衝撃が心配なので、実際には周囲にプチプチも入れた

TEC-3を使ってみる

TEC-3の一番のポイントはアナログ操作が可能になることだが、これについて補足しておきたい。通常のボタン操作では押したかどうかの判断しかできないが、LPGC-60000のスティックはどのくらい傾いているかの値を出すことができる。例えばこの数値を使って、MANOIの腕や足をスティックどおりに動かすようなことが可能になるのだ。

動画
左右のスティックをそれぞれAT01の腕に割り当てた

モーションデータの中では、「MIX」オブジェクトを利用する。ここで、左スティックの左右がPA-1、上下がPA-2、右スティックの左右がPA-3、上下がPA-4として出力値(0~127)を取り込めるので、これを各サーボの出力に対して加えることができる(ミキシング)。例として腕を動かすモーション(腕コントロール.RCB)を作成したので見てほしい。

以下のリンクから腕コントロール.RCBをダウンロードしてください
01.zip - 腕コントロール.RCBの圧縮ファイル(zip形式:614B)

MIXオブジェクトの後では全てのPOSオブジェクトでミキシングが有効になるので、ループの最初に置くだけで良い。またモーションの最後でミキシングを解除するのも忘れずに

ミキシングは歩行モーションにも応用が可能。右スティックの左右で重心が移動するので、AT01が曲がりながら歩く。適当に作ったモーションなので、スティックを急に傾けると転ぶ

またこの機能を応用して、左右に自由に曲がれる歩行モーションを作ることもできる。ボタン入力でも条件分岐を組み合わせて作ることは可能だが、ミキシングを利用すればモーションデータがシンプルになるほか、大きく曲がったり小さく曲がったりと調節も可能だ。こちらも添付のデータ(アナログ歩行.RCB)を参照して頂きたい。

以下のリンクからアナログ歩行.RCBをダウンロードしてください
02.zip - アナログ歩行.RCBの圧縮ファイル(zip形式:937B)
動画
距離が短いのでちょっと分かりにくいが、最初ゆっくり左に曲がり、後半は右に曲がっている
注意:筆者の機体は股ロールと股ピッチを換装したほか、RCB-3もアップデートしている。このモーションは違う構成ではうまく動かない可能性もあるので、参考程度に考えてもらいたい。