2019年もあと残すところ1カ月、そろそろ大掃除の時期ですね。長い間、放置していた汚れと格闘しなければと思うと、なかなか重い腰が上がらないという人も多いのではないでしょうか。頑固な汚れでも手間なく簡単に落とすことができるグッズがあれば、大掃除に対するテンションも上がりそうですよね。

  • 強力かび取り剤「かびとりいっぱつ185」(鈴木油脂工業)

そこで今回から数回に分けて、「使い方が簡単」「とてもよく汚れが落ちる」と評判の便利グッズを紹介。実際に掃除で使った感想をお伝えします。1回目に使用したのは、業務用のかび取り剤。浴室の「ドアのゴムパッキン」「シャワーホース」「天井近くのゴムパッキン」の3カ所に発生したかび汚れに試してみました。

ジェル状の強力かび取り剤「かびとりいっぱつ185」

今回、試したのは、ジェル状の強力かび取り剤「かびとりいっぱつ185」(鈴木油脂工業製)です。シリコンコーキング、ゴムパッキン、タイル目地、シャワーカーテン、小物類などに発生したかびに使用できるとパッケージに書いてあります。

主な成分は一般的なかび取り剤と同じ「次亜塩素酸塩」ですが、ジェル状になっているので、汚れに密着しやすいのだそう。確かに壁面に塗布してみると、スプレータイプのかび取り剤は液だれしてしまうのに対し、こちらは1カ所にとどまっているのがわかります。

  • 左側がスプレータイプのかび取り剤、右側が「かびとりいっぱつ 185」

少しチューブから出してみます。透明でほどよい粘度の洗剤がスルスルと出てきました。スプレー状のかび取り剤と違い、塩素臭もきつくありません。一般的なかび取り剤で落としきれなかった汚れもきれいになるとのことで、期待が高まります!

  • チューブから出すと、ジェル状の洗剤が出てきます

業務用のかび取り剤「かびとりいっぱつ 185」が挑むのが、筆者宅のかなり放置してしまった浴室のかび汚れです。お恥ずかしい限りですが、ドアのゴムパッキンは黒ずみが取れず、石けんかすや他の汚れもついてヌルヌル。

  • 黒ずんでいるドアのゴムパッキン

シャワーホースの凹んでいる部分には、真っ黒の黒かび。

  • 真っ黒なかびが付着したシャワーホース

天井部分のパッキンは、特に四隅の部分は湿気がたまりやすいのか、かびがひどいです。

  • 天井部分のゴムパッキンにもかびが……

これらのかび汚れは気になりつつも、「見かねた夫がいつか掃除してくれないだろうか」と淡い期待を抱いたり、「週末こそ掃除しよう」なんて伸ばし伸ばしにしたりしているうちに、目も当てられない状態に……。果たしてこんなひどいかび汚れでも、きれいになるのでしょうか。

浴室のゴムパッキンの汚れに試してみる

最初に試したのは、浴室ドアの周りのゴムパッキンです。これまでも何度か市販のかび取り剤でトライしていますが、奥まで入り込んだかびを取ることは難しく、黒ずみが全然取れないままでした。

チューブを押してジェルを少しずつ塗布していきます。うまく均等に塗ることができるよう、スポンジなどを使ってもいいようです(獣毛は使用不可とのこと)。そのままかび汚れの状態を見て、換気をしながら1時間~24時間放置します。

  • ジェルを汚れた部分に塗布していきます

2時間放置しましたが、特に変化はありません。12時間後、色がかなり薄くなっていました。その後、製品の放置時間MAXの24時間、そのままの状態で置いておきました。放置して24時間後の様子がこちら。水で洗い流すと「新品のように真っ白」とまでは行きませんが、気になっていた黒ずみはかなり目立たなくなっています。

  • 24時間放置後、洗い流すと、黒ずみがきれいになっています

  • 塗布前(左)と、24時間放置後の様子(右)

一番かび汚れがひどいシャワーホースもすっきり!

続いて試したのは、シャワーホースです。よくもまあ、ここまで黒かびを放置したなと自身でも呆れてしまうほどの汚れっぷり。

  • かびで汚れたシャワーホース。ジェルなら曲面でも垂れることなく洗剤を塗ることができます

とはいえ、これまでもかび取り剤をスプレーしたあと、キッチンペーパーとラップでパックしたり、歯ブラシを使ってこすったりして、何度か汚れを取ろうと試みたこともあるのです。しかし、ホース表面の凹んだ部分のかびはしつこく、なかなか取りきれませんでした。

ホースの表面にジェルを塗っていきます。曲面に塗っても洗剤は垂れることはありません。そのままの状態でしばらく放置しました。

2時間後、早くもかびの黒い汚れが茶色く変わってきました。そのまま放置を続けて7時間後、黒ずんでいたホースの色が白く変わっています。ジェルを水で洗い流すと、ホースが真っ白!

  • ホースが真っ白になりました

あまりにもあっさりと汚れが落ちるので、「ええっ!? これまでこすったり、パックしたりの手間は何だったの?」と思ってしまうほど。黒かびの沈着汚れもありません。これは気持ちがいい!

  • 塗布前(左)と、7時間放置後の様子(右)

天井近くのゴムパッキンもきれいに

ホースの汚れ落ちのよさに気をよくした筆者は、天井近くのゴムパッキンに生えたかびにも試してみることに。

  • ゴムパッキンの汚れにジェルを塗っていきます

かび汚れにジェルを塗っていきます。換気しながら放置すること6時間後、こちらもシャワーホースと同様に黒いかびは見えなくなっています。水でジェルを流すと、塗布した部分のかび汚れはすっかり消えていました。

  • 真っ白になった天井近くのゴムパッキン

天井付近が前と比べて明るくなったのがわかります。

  • 左側は掃除していない天井、右側がかび取りで掃除をした天井

天井など高い場所にあるかび汚れは、スプレータイプのかび取り剤だと塗布は難しいので、つい放置してしまいがち。でもこれなら塗布しやすいので、ストレスなくかび取りできそうです。

今回、3つの箇所のかび汚れを試しましたが、ドア近くのゴムパッキンは24時間、シャワーホースは7時間、天井近くのゴムパッキンは6時間……と、放置時間はかび汚れのひどさや、かびが発生した部分の素材などによって異なることがわかりました。比較的汚れが軽いものであれば、数時間の放置で汚れはきれいになるのではないでしょうか。

まとめ

ジェル状のかび取り剤「かびとりいっぱつ185」。一般的なかび取り剤と比べて割高(Amazon価格税込1,340円/2019年11月時点)ですが、多少高くても使ってよかったと思わせる魅力がありました。

まず一番驚いたのはかび取り効果の高さ。ドア付近のゴムパッキンの汚れは半分諦めかけていたので、あれほどきれいになるとはびっくり。シャワーホースや天井近くのゴムパッキンのかび汚れに至っては「なかったことに」と言っていいほどの汚れ落ちのよさです。

また、斜面や曲面、凹凸がある部分でも液だれしない使い勝手のよさも魅力です。スプレータイプは液剤が周囲に飛び散るもありますが、この商品はジェル状なのでその心配もありません。また、塩素のにおいがきつくないので、塩素の刺激臭が苦手な人でも、比較的使いやすいと思います。

しつこい黒かび汚れは、漂白剤に片栗粉を混ぜてパックしたり、かび取り剤をキッチンペーパーに含ませラップしたりといった方法も有効であるようです。でもそのひと手間が面倒で、なかなか掃除に着手できない人も多いのではないでしょうか。

忙しい年末、少しでも効率よく掃除をしたい場合に使用してみるといいかもしれません。

※「かびとりいっぱつ185」は塩素系洗剤です。有害な塩素ガスが発生させないように、酸性タイプの洗剤との併用は絶対に避けてください