東京2020オリンピック競技大会では、史上最多となる33競技339種目の開催が予定されている。本連載では、イラストを交えながら各競技の見どころとルールをご紹介。今回は「バレーボール」にフォーカスする。

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バレーボールは、ネットによって分けられた18メートル×9メートルのコートで、2つのチームがネット越しにボールを打ち合う球技。ボールを落とさずに、3回以内のタッチで相手コートに返球する。相手チームのサーブをレシーブし、トスを上げ、スパイクを打ちこむのが基本的な流れで、攻撃と防御を交互に行うことになる。個人の高い技能はもちろん、戦術を理解し共有する固いチームワークや協調性が求められる。

どちらかのチームがコート内に落球したり、大きくはじいてアウトになったり、また反則によってボールを繋げなくなるまで、ボールを打ち合うラリーが続く。スパイカーのダイナミックなプレーや、諦めずにボールを追う姿から目が離せない。

バレーボールから派生したビーチバレーボールは、砂の上に設けられたコートで、2人1組のチームが対戦する。バレーボールは東京1964大会から、ビーチバレーボールはアトランタ1996大会から、男女ともオリンピックの正式種目となった。

速さと高さ、パワーみなぎる男子のプレー 粘り強い女子のプレーに刮目せよ

■バレーボール
主な大会や国際試合は6人制で、前衛・後衛それぞれ3人の計6人で競技を行う。守備を専門とするリベロは、どの後衛の選手とも交代することができる。レシーブのスペシャリストとして、1人だけ異なる色のユニフォームを着用するので判別しやすい。

試合は、ラリーに勝ったチームが1点と同時に次のサーブ権を得るラリーポイント制で、25点先取の5セットマッチで行われる。ただし24対24の同点になった場合はデュースとなり、相手チームより2点リードするまで試合は続けられる。

特に実力が拮抗したチーム同士の対決では1点の取り合いが長く続き、手に汗握る展開となる。3セットを先に獲得したチームが勝者となるが、セットカウントが2対2となった場合、最終第5セットは最小限2点差をつけて15点を先取したほうが勝利する。

男子のプレーは、速さと高さ、そしてパワーが魅力だ。強烈なジャンプサーブは、時速120キロメートルを記録する。低いトスを速く上げて素早くスパイクを打つ速攻(クイック攻撃)は、目が追いつかないほどの速さだ。また、2メートルを超える長身の選手がスパイクを打つ高さは、3.5メートルにも達する。その打点から、渾身の力でボールを相手コートに叩きつける迫力は圧巻だ。

女子はラリーが続きやすく、1回のプレーが長いのが特徴だ。コートに落ちる寸前のボールを拾い、最後まで諦めずに追いかける粘り強いプレーに、心からの声援を送りたい。

■ビーチバレーボール
ビーチバレーボールは、21点先取のラリーポイント制、1試合3セットマッチで行われる。コートは16メートル×8メートルで、インドアよりひと回りほど狭めだが、ネットの高さは男子が2.43メートル、女子が2.24メートルと同じ設定だ。その広さと高さを2人だけでカバーするのだから、かなりハードな競技だと言えよう。

チームメイトの息の合った連携プレーが見どころだ。相手チームには見えないように、腰の後ろで、両手の指を使ったサインを送ってコンタクトをとっている。

イラスト:けん

出典:公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会