浮気性の私も、三日坊主の君も(……誰のことだ!?)、この連載が5回も続くとは思っていなかったんじゃない? これも、ひとえに読者の皆様と、優しい美人担当編集者H氏(一部分だけほしのあき似と本人は言っている)のおかげです。心の底から「ありがとう! 」と私は言いたい。そこで、今回のテーマは「ありがとう」。文体も今回だけは、丁寧語にしてみましょう。

突然ですが、皆さん! 3月14日は何をしてましたか。そう、ホワイトデー。いつから、バレンタインデーの5倍返しになったのかはさておいて、きっちり「ありがとう」はしましたか。え? 私ですか!? もちろん、選挙運動みたいに「ありがとう」を連発ですよ。

いえいえ、そんな話ではなくて、3月14日といえば寝台急行「銀河」ラストランの日だったわけですよ。東京と大阪を結ぶあの寝台急行がなくなってしまったのです。当日の午後11時、大勢の観客の「ありがとう! 」「お疲れさま! 」という声に包まれて、「銀河」は東京駅を出発していきました。

「ありがとう」っていい言葉ですよね。日本の鉄ちゃんだけじゃないでしょうか、汽車にむかって「ありがとう! 」と言うのは。ドイツ人だったら「ダンケシェーン! 」、フランス人だったら「メルシーボク! 」なんて叫ぶのでしょうか……。

さて、今回は記念すべき(??)5回目ということで、大盤振る舞い。寝台急行「銀河」のお宝映像を公開しちゃいます。実は私、3月11日~14日まで4日間連続で「銀河」を見に行っちゃってたんです。

つい最近までは、うらさびしかった「銀河」の出発

1月27日、東京駅にて「銀河」。まだ見物客はほとんどいなかった

「銀河」廃止が発表されたのは、昨年12月。しかし、1月末まではいつものように、東京駅10番ホームをうらさびしく発車する姿が見ることができました。左の写真は1月27日の模様。後尾から撮影するマニアも2、3人ほど。「銀河」が23:00に発車して、そのすぐ後には23:10発の「ムーンライトながら」号が入線する。余韻なんてあったもんじゃありません。「ムーンライトながら」号の方が賑わっていました。

盛り上がってきたのは、2月に入ってから。2月の連休には、「銀河」は早くから満杯。私も東京から乗ろうとしたのですが、全然とれない。そこで、大阪からの帰りの「銀河」を狙ったわけですが、3日前ですでに4席しか残っていない。この模様は3回目で紹介しているので、参考にしてください。

3月に入ってからはなかなか時間がとれず、次に見に行ったのは3月11日のこと。これは実にラッキーでした。「銀河」を牽引するのはEF65という電気機関車で、通常青い塗装です。しかしこの日の機関車は、赤い車体側面に斜めに大きく「EF65」とペイントされている1118機。かっこいいです。「銀河」を見にくる人は増えたとはいえ、まだまだ余裕がありました。ムービーを見て下さい。

動画
3月11日の「銀河」

3月11日。赤いEF65が客車を牽引する

見物客がグッと増えたのは3月12日。それにしても、デジタル一眼レフとビデオカメラの数の多さには驚きました。そうそう携帯電話で撮影している女子もちらほら。しかし、フラッシュをつけて撮影する人の多さに、警備員が怒っていました。「最低限のマナーを守ってください」「フラッシュ機能を切ってください! 」と。

3月13日。背伸びして、連結を撮影する鉄ちゃん

ラストラン! 3月14日は「ありがとう」で出発

最終日となる3月14日、東京駅10番ホームには、大勢の人々が押しかけました。一部報道では2,000人だの3,000人だの書かれていましたね。もうお祭り騒ぎ。「銀河」が発車すると、「ありがとう」「お疲れさま! 」という声が!! 怒濤の10番ホームです。

動画
ラストランとなる寝台急行「銀河」

3月14日。電光掲示版も撮影

「銀河」の列車案内板も、今日でおしまい

人・人・人

先頭は人が多すぎて立錐の余地もない

発車間際の様子

いずれにせよ、鉄道史においてこれで1つの時代が終わりを告げたと言ってもよいのではないでしょうか。次は夕方の時間帯に発車する寝台特急がなくなる番なのでしょうか……。それにしても、あれほどの人数が押しかけたにもかかわらず、事故がなくてよかったです。駅員の方、作業員の方、警備員の方、「ありがとう」ございました。