決まった住所を持たず、日本中を旅しながら生活しているカメラマンの南谷有美(なんや・ゆみ)さん。訪れた地域では人々とどのように交流し、どんな仕事をしてきたのか。それぞれの地域の魅力についても綴っていただきます。
新型コロナウィルスの影響で、日本各地で休校や自粛を余儀なくされました。出口の見えない自粛生活や、慣れない環境の中で行う仕事。普段とは異なる環境に身を置いたことでストレスが溜まり、体調を崩してしまったという方もいらっしゃったのではないでしょうか。
そんな状況の中で、三重県にある四日市ふるさとファームでは、農業を通して健康的な食生活や人との繋がりを提供されています。新鮮な野菜を求めて県内外から人が訪れると言われていますが、その魅力はどうやら野菜だけではないようです。運営されている森一知さんに、その魅力を伺ってきました。
生産者も消費者もうれしい「会員制」
四日市ふるさとファームの大きな役割の一つに、農家さんと消費者の方を繋ぐということがあります。
愛情を込めて作られた野菜ですが、売れることもあれば売れないこともあるという現状に心を痛めていた森さん。そこで、安定した収入を農家さんに送りたいと考え、始めたのが会員制の仕組みでした。
それは月額2,000円で登録できる会員に向けて、かごにいっぱいの新鮮な野菜を月に2回渡すというもの。さまざまな種類の野菜が入っているので、見ているだけでワクワクしてしまいます。安心安全な野菜をお子さんに食べさせたいという子育て世代を中心に、人気が集まっているのだそうです。
無料で楽しめる農業体験
また、四日市ふるさとファームでは、農業体験も行われています。
事前に予約する必要がありますが、その料金はなんと無料! 自然に触れながら野菜を育てるという経験ができるので、お子さんとの参加も楽しそうです。
新鮮な野菜を使って作られる、絶品ランチも
さらに収穫した無農薬野菜を使った絶品ランチもいただくことが出来ます。実は森さん、中国でお店をしていた経験もある料理人。なんと500円から楽しむことができるそうです。
生活をより豊かにするイベントの数々
四日市ふるさとファームのお客様のほとんどは子育て世代のお母さん。安心安全なものを我が子に食べさせたいという想いで、遠方からもいらっしゃるそうです。
そんなお母さんたちのために、各種教室やイベントも開催しています。この日に行なっていたのは、梅ジュース作り。私も一緒に作りました。
野菜の販売だけでなく、さまざまな方法で、農業を通した食の大切さを問いかけ続けている四日市ふるさとファーム。生産者の気持ちも、利用者の気持ちも考えた取り組みの数々を取材して、地域の方から愛されている秘密が、分かったような気がします。
南谷有美(なんや・ゆみ)
カメラマン/ライター
2018年4月に認可外保育園の園長を退いてから、各地を巡る旅人に。リモートで仕事をしながら、好きな場所で好きなことをして生活しています。