問題をおさらい!

  • ホンダ「ロードパル」

    このバイクはなんでしょう? という問題でした

正解はこちら!

【答え】ホンダ「ロードパル」

正解はホンダの「ロードパル」でした!

バイクに乗らない人でも、中高年であれば多くが知っている「ラッタッタ」というバイク。正式名称は「ロードパル」です。ホンダが1976年に発売しました。イタリアの大女優、ソフィア・ローレンさんが「ラッタッタ~!」の掛け声で走り出すテレビCMが有名になり、「ラッタッタ」自体が小型バイクの総称だと勘違いする人もいたようです。

「ロードパル」はホンダが女性をターゲットとして開発した50ccのバイクでした。今でこそ原付を利用する女性はたくさんいますが、当時は『バイクは男性の乗り物』というイメージが強かったようです。その理由は、女性の体力では「スーパーカブ」でも重くてスタンドがけが大変で、キックペダルを強く踏んで行うエンジン始動が困難だったからです。女性でも乗れそうな小型バイクもありましたが、むき出しになったエンジンの存在感は危険性を感じさせ、自転車よりも運転が難しい乗り物に映ったのかもしれません。

女性を対象とした徹底リサーチの末に生まれた「ロードパル」の車体はミニサイクル並みに小さく、車重も44kgに抑えられました。エンジン始動は女性でも簡単に行える「タップ式」を採用。ペダルを数回踏み込んでゼンマイを巻き、ブレーキレバーで開放してクランクを回すという仕組みです。「ラッタッタ」は、この操作をテレビCMでソフィア・ローレンさんが行った時の掛け声だったというわけです。

  • ホンダ「ロードパル」

    女性でもエンジン始動が容易なタップ式スターターを採用

今見ると「ロードパル」はメインフレームが細く、バイクというよりは自転車に近い印象を受けるかもしれませんが、これは自転車しか乗ったことがない女性達に『私でも乗れそうだ』とイメージしてもらうのに一役買っています。バイクっぽさを抑えるためエンジンや駆動系もコンパクトに一体化していますが、これは「スイングユニット式」として後のスクーターで定番となる構造です。

それまでバイクを諦めていた女性向けの商品としての完成度やテレビCMのインパクト、5万9,800円という手軽な価格に加え、主婦層が集まりやすい自転車店やデパートでの販売展開を行った結果、「ロードパル」は翌年までに25万台を売り上げる大ヒットを記録します。その後は、走行時に自動で始動用ゼンマイを巻く「クイック・スターター」を装備した「ロードパルL」や、2段式の自動変速を採用した「ロードパルS」のほか、主婦の買い物用に特化した「パルフレイ」、若者向けの「パルディン」「パルホリデー」の派生モデルを加え、1983年までに累計174万台が生産されました。

  • ホンダ「パルフレイ」

    主婦向けに改良された「パルフレイ」

  • ホンダ「パルディン」

    若者向けのスポーティーな「パルディン」

  • ホンダ「パルホリデー」

    アウトドア系の「パルホリデー」

こうして「スーパーカブ」に続いて大成功した〝ラッタッタ〟こと「ロードパル」ですが、翌年にはその座を脅かす強敵がヤマハから登場します。このお話は次回にて。

それでは、次回をお楽しみに!