連載コラム『サラリーマンが知っておきたいマネーテクニック』では、会社員が身につけておきたいマネーに関する知識やスキル・テクニック・ノウハウを、ファイナンシャルプランナーの中村宏氏が、独断も交えながらお伝えします。
1年前よりも、1%以上物価が上がっている
毎月下旬になると「消費者物価指数」が発表されます。
4月下旬に発表された2014年3月の消費者物価指数の前年同月比は+1.3%(生鮮食品を除く総合)。つまり、今年3月は1年前より物価が1.3%アップしていたことを示しています。
消費者物価指数は、昨年11月から5カ月間連続で前年同月比+1%超が続いているので、ややインフレ基調になってきているといえそうです。
景気の回復に伴って物価が上がることは経済にとっていいことですが、インフレになると相対的にお金の価値が目減りするため、私たちは、物価上昇率以上の利率で賃金や財産が増えていかないと、生活が苦しくなってしまいます。
少しでも有利な高い預金商品を探すクセをつける
サラリーマンの場合、自分の力で賃金を上げるのはそう簡単ではなりません。なぜなら、会社の業績や所属部門の成果など、自分の"頑張り"ではなんともならないところがあるからです。
しかし、自分の財産を増やす工夫はできるはずです。
現在の金利水準だと、1%の利回りを確保するにも、安全確実な預金では難しそうです。しかし、ゆとりのお金がない投資経験のない人が、いきなりリスクのある株や投資信託で運用するのは避けたほうがいいでしょう。
そんな人は、現時点では、安全確実な預金のなかで少しでも有利な商品を選ぶ習慣をつけてはいかがでしょうか。
もう何年も、一般的な銀行では、この低金利のなか普通預金も定期預金もほどんど金利は変わりません。そのため、預金商品を比較検討したことがない人も多いのではないでしょうか。しかし、今後物価が上昇するとやがて金利も上がってくるはず。そのときのために、今から複数の商品を比較して少しでも有利な商品を見つけるクセをつけておくのです。
ネットバンクや新しい銀行の預金が有利
ネットバンクや新しい銀行は、従来の銀行と比べると金利を高くして商品の魅力を高め、顧客を積極的に獲得する姿勢を示しています。
これらの銀行は、馴染みがないので不安だという方がいますが、従来の銀行と同じように普通預金や定期預金は預金保険制度の対象で、銀行が万が一破綻しても元本1,000万円とその利息までは保護されます。
一般的に定期預金の金利は「固定金利」であるため、今後市場金利が上昇すると予想されるときには、満期の短いもののほうが適しています。なぜなら、満期が来るとそれまで貯まったお金で同じ商品が買われて自動更新され、更新時には市場金利の上昇に合わせて適用金利も上昇するからです。
満期が1~2週間の超短期にもかかわらず、1年満期の金利に劣らない高い金利を示しているユニークな預金商品もあります。
夏のボーナスに向けて、今から少しでも有利な預金を選んでおいてはいかがでしょうか。
(※画像は本文とは関係ありません)
執筆者プロフィール : 中村宏(なかむら ひろし)
ファイナンシャルプランナー(CPF認定者)、一級ファイナンシャルプランニング技能士。(株)ベネッセコーポレーションを経て、2003年にFPとして独立し、FPオフィス ワーク・ワークスを設立。「お客様の『お金の心配』を自信と希望にかえる!」をモットーに、顧客の立場に立った個人相談やコンサルティングを多数行っているほか、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿などで生活のお金に関する情報や知識、ノウハウを発信。
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