まず、ストップロスについてご説明しましょう。

ストップロスがつくのは2つの場合があります。

ひとつは、自分で考えていた相場観が全く外れていた」場合と、もうひとつは、相場観は合っているのに、相場に入るタイミングが、早すぎた場合です。

そして、こうしてストップロスがついた時は、休むことをお勧めします。

ただし、一歩踏み込んで、起死回生を狙うなら、「倍返し」という方法もありますので、お話ししてみたいと思います。

「倍返し」とは、ドテンとも言いますが、たとえば、ロング(買い持ち)1万通貨を持っていたとしたら、2万通貨売って、ショート(売り持ち)1万通貨に、ポジションをひっくり返すことです。

逆に、ショートを、ロングにひっくり返す時も、同じ要領です。

ただし、個人向けのFX会社のシステムは、いっぺんにポジションをひっくり返せるものといったん既存のポジションを決済してから、改めて新規注文をするものとがありますので、ご自分のシステムがどちらかは、前もって確認しておいてください。

それでは、「倍返し」の注意点を、挙げてみたいと思います。

1) 必ずしも、損失を取り戻し、利益に転換する保証はありません。

しかし、窮地から活路を見出すという意味からは、試してみる価値はあります。

相場に勢いがあるほど、うまく行く可能性は高いです。

2) 自分が考えていた方向感を、自分で否定することになりますから、結構勇気が要ります。

3) 「倍返し」の決断は、早く決断することが大事です。

決断できなければ、ストップロスがついたら、休むに越したことはありません。

4) 「倍返し」は、最初に申し上げたストップロスのつく2つの場合のうち、自分で考えていた相場観が全く間違っていたためにストップロスがついた、あるいは、ストップロスまで届いていなくても、その前に、間違えたと気づいた時が、特にうまく行くことが多いと言えます。

5) もう一つのストップロスがつく場合の、相場観は合っていたのに、相場に入るタイミングが早すぎた場合は、トレンド自体は、元々の考えで合っているため、ストップロスがついても、あまりそれ以上には行かず、引き返してくる可能性が高く、あまり、「倍返し」は、お勧め出来ません。

6) しかし、5) の相場観はあっているのに相場に入るタイミングが早かった場合で「倍返し」したとしたら、早めに手仕舞ったほうが、安全です。

でないと、「往復ビンタ」を食うことになりかねません。

「往復ビンタ」とは、たとえば、やられたロングのポジションを「倍返し」して、ショートにしたら、相場が上昇に転じて、ショートのポジションでもやられる可能性があるということです。

このように、倍返しは、決して簡単ではありません。

しかし、全く自分の考えが間違っていたと、自覚した時に早く決心すれば、損失を限定あるいは取り戻してプラスにするチャンスは大いにあると思います。

あくまでも、やるなら自分を信じて早くやることです。

どうしても、経験が浅く、知識も十分でなければ、自分を信じることは難しいことだと思います。

しかし、中級、上級の経験度、そして十分な知識を身に着けたら、大事なことは、「自分を信じる」ことです。

なかなか、「自分を信じる」ということは、できそうでいてできないことです。

しかし、蓄積した経験や知識に照らし合わせて、この相場は上がるとか下がるといった方向を自ら予測したら、それは十分自分を信じて良いものだと思います。

むしろ、そこで、自分を自分で信じられなければ、次の成長はないと考えます。

オリンピックに出るようなアスリートでも、「自分を信じる」ことを口にしています。

誰よりも自分自身を信じてあげることが大切だと思います。