リモワとコラボして電子バゲッジタグを開発・運用を開始したルフトハンザ・ドイツ航空(LH)。機内誌のデジタル化やチャット型のフライト検索アプリを開発したりと、さすが技術大国ドイツの航空会社! という革新的な変化を続けている。日本路線への導入はまだだが、新技術を駆使したサービスが利用できる路線が増えているそう。では日本路線でだけ楽しめるものと言えば? それは、機内食に和食のチョイスがあることだ。
なつかしの? ボーイング747も健在
ルフトハンザと言えば、あのジャンボジェット機の愛称で人気のボーイング747。日本の航空会社では、ANAの国内線でがんばっていた最後の機体が2014年3月に退役して以来、導入している航空会社がない。「日本の空からジャンボが消えた」と、ちょっぴり悲しい空気が流れたものだ。
だが、ルフトハンザは今もジャンボを導入し続けており、日本路線にも就航しているので、実は「消えた」と思うのは間違いだ。羽田および関空にそれぞれ、747が毎日飛来しており、うち羽田線には747-8の最新鋭機が就航している。
エアバスA340-600のプレミアムエコノミー
今回の旅、往路では羽田=ミュンヘン線を利用したので、エアバスA340-600である。こちらはちょっと機内デザインが面白く、エコノミークラスのトイレが1カ所に集中している。階段で下の階へ降りていくと6つの個室があるのだが、このレイアウトはかなり珍しい。600型機のみのオプションとのことで、導入した会社が少ないのかもしれない。
さて、往路はプレミアムエコノミークラスである。スパークリングワインのドリンクサービスから始まり、プレミアム感は搭乗した時から始まっている。冊子になったメニュー、ポーチに入ったアメニティと、うれしいサービスがいっぱいだ。
前菜にご飯、メインもご飯
肝心の機内食は、昼食と夕食の2回。いずれもメインディッシュを選ぶ形だが、日本路線の特権というわけで、ここはやはり和食をチョイス。だが、ワンプレートでサーブされるため前菜の「シーフードとマカロニサラダ、三食巻き寿司」と、メインディッシュの「和風バーベキュービーフとご飯」とご飯ものが被った上にパンも供され、炭水化物祭り状態である。
しかし、牛肉はゴボウや玉ねぎの入ったソースがかかっていてなかなか濃い味。箸が進む。「このくらい炭水化物必要だよ」という意味か……。ちなみに、次の機内食(夕食)までのスナックはおにぎりであった。
2回目のミールは前菜はなく、軽食だ。何しろ到着時間は17時頃。これから現地でがっちり素敵なディナーを食べる時間ゆえ、がっつりとはいけない。ここは比較的消化の早いパスタ、「ラビオリパスタ ほうれん草とチーズのソース」をチョイスした。
……のはずが、けっこうがっつりでしたね。こちらはクリーミーなソースとチーズのコクのおかげで白ワインが進む! そして、デザートの「プラリネガナッシュケーキ」はとろりとなめらかなビターチョコレートとラズベリーのソースが絶妙で、これまた赤ワインが進むお味であった。
ジャンボの最新鋭機747-8とは?
帰路はフランクフルトからだったため、みんな大好きジャンボジェットの最新鋭機に搭乗。利用クラスはビジネスである。
2階建てということで、入ってすぐに階段があるのが印象的。外から見るとイルカのように頭の部分がもりあがっているが、なるほどここが2階部分なのだな、と確認。ビジネスクラスに使用されている。ファーストクラスは1階部分の最前列というレイアウトだ。
ウェルカムドリンクサービスから始まるアッパークラスなサービス。供されるのはもちろんシャンパンだ。メニューには洋食と和食のチョイスがあり、前菜も洋食と和食で内容が違い、和食なら和の前菜がつく。せっかくの日本路線ゆえ、ここもやはり和食をチョイスだ。
前菜には3種類の握り寿司と茶そば、そして小鉢がつく。メインには肉、魚などのチョイスはなく、本日は「豚ほほ肉の味噌煮込み」で、つけあわせにはダシの利いた里芋やしいたけなど。和風の味付けは欧州帰りの身にはほっと落ち着く。ほほ肉は箸で崩せるほどの柔らかさで、しっかりじっくり調理されていることが分かる。スープはおすましで、乾燥する機内ではするっと飲める温かいものはありがたい。
朝食ももちろんがっつり
朝食のメニューははっきり言えば、どのエアラインでも、そして洋食を選ぶとあまり変わり映えのしない内容のことが多い。なので筆者は、朝食には必ず"洋食"以外の選択をすると決めている。ちなみに、朝食で和食を選ぶと洋食よりも"しっかり感"があるのは、どのエアラインでも共通だ。
果たしてルフトハンザでも、洋食が「スクランブルエッグとトマトコンポート」なのに対し、和食は前菜に「厚焼き玉子、牛肉のしぐれ煮」など、更に小鉢もついた上にメインには「鮭の幽庵焼き」とご飯がつく。つけあわせにお漬物や野菜の煮物、おすましもつくという充実ぶり。運ばれてくる度に楽しいのだ(量は多いが)。
ふと気づけば、隣に座っていたドイツ人男性も和食をチョイスしている。どれも筆者の倍くらいのスピードでぺろりとたいらげており、なるほど、ドイツ人男性に合わせた量なのかもしれない。
※記事中の機内食は、2017年2月の羽田→ミュンヘン線、フランクフルト→羽田線で提供されたもの