前回までビットコイン(※)の概要や機能などを解説してきました。今回は、ビットコインの購入について見ていきましょう。

※「仮想通貨=ビットコイン」ではなく、「ビットコインは仮想通貨の一種」ですが、一般的な会話ではビットコインという単語を使う人が多いので、ビットコインという名称を使っています。

ビットコインはどこで入手する?

ビットコインを入手するにはいくつか方法がありますが、取引所(交換所)で購入するのが一般的です。

第13回で「取引所を通じて購入して」と説明しましたが、ビットコインはインターネットの世界の話ですから、取引所といっても東京証券取引所のように物理的な建物があるわけではありません。また、取引所ではビットコインだけでなく様々な仮想通貨が取引されています。取引所も数多くありますが、扱っている仮想通貨や手数料などはそれぞれ違います。このあたりはFXと似たイメージですね。

FXのときもそうでしたが、多くの業者が参入すると、やはりあまり信頼のおけないところも出てくるように、仮想通貨の交換業者もすべてが安心安全とは言えません。

2017年4月から施行された改正資金決済法により、仮想通貨交換業は金融庁の登録が必要になりました。顧客管理(本人確認など)はもとより、資本金や顧客の資産の分別管理などについても基準をクリアしないと登録できません。登録済みの交換業者は金融庁のサイトに掲載されているので参考にすると良いでしょう。なお、現在も申請中、登録待ちといった業者も多くあります。

取引には口座開設が必要

銀行や証券会社と取引するにはまず口座開設が必要であるのと同様に、ビットコインもまず交換業者で口座開設をします。

  • <口座開設の流れ>

なお、交換業者によって扱っている仮想通貨の種類や取引の種類(信用取引、証拠金取引など)、スマートフォン用アプリの有無など、サービスに差異があるので、いろいろ比較して選ぶことも大切です。また意外と重要なのがサポート体制。電話サポート窓口の有無、トラブル時の対応なども確認しておきたいところです。

取引所でビットコインを買ってみよう

仮想通貨交換業取引業者には「取引所」サービスだけでなく「販売所」のサービスもあります。どちらを使うか自由に選べます。違いを見てみましょう。

  • 取引所と販売所の違い

取引所は買いたい人と売りたい人のマッチングをしてくれるところです。したがって取引の相手は自分の注文にマッチする人であり、互いの条件がマッチしなければ取引成立まで時間がかかることもありますが、納得した価格で買うことができます。

一方、販売所の取引相手は事業者で、価格は事業者が提示する価格(いわゆる言い値)です。したがってこちらがOKさえすれば取引成立というわけです。ただし、販売所の提示額は取引所での取引価格よりも、こちらにとっては不利な価格となることに注意が必要です。事業者と売買するためいわゆる手数料分が上乗せされるからです。

ビットコインを購入するからには当然日本円の入金が必要となります。インターネット、ATMなどから銀行振込、クレジットカード、コンビニ決済などで取引所の指定する振込口座へ入金します。逆に日本円を出金するときは、取引所の口座から出金して自分のアカウント情報に登録した銀行口座へ入金します。ただし日本円での出金は振込手数料がかかります。

また第14回の機能説明の中で、「送金」がありました。送金の場合はAさんからBさんへ直接送るわけです。このように取引所を通さず、誰かから送ってもらって入手するという方法もあります。厳密に言うと「購入」とは少し違いますね。次回は送金の仕方を中心に解説します。

鈴木暁子

鈴木暁子

ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)。キャリアコンサルタント。FPオフィス Next Yourself代表。
「多様化するライフスタイルに応じたライフプラン・マネープランづくりが重要」という視点で、企業、自治体、大学オープンカレッジなどで年間約50回のセミナー・講演を行うほか、新聞、雑誌・WEBなどで精力的に情報発信をしている。
「お金はいい使い方をしてこそ活きる」をモットーに、これまでに数百件の家計診断のほか、 個人コンサルティングも行っている。資産運用、ライフプランニングを得意とし、特に共働き夫婦のライフプランニング、リタイアメントプランニング、高齢期のお金と住まい、相続設計に力を入れている。著書に『100歳まで安心して暮らす生活設計』(実業之日本社)。