フェラーリ「512BB」は、前回紹介した「365GT/4BB」の発展型として1976年のパリ・サロンで登場しました。車名の「512」という数字は、365GT/4BBの「365」とは違うルールで付けられています。その意味とは?
「Ferrari Festival Tokyo 2026」に集結したフェラーリの写真を一気に見る
正解はこちら!
【答え】5リットルの12気筒エンジン
512BBの「512」とは、5リットルの12気筒エンジンを意味しています。
512BBが搭載する12気筒エンジンは、365GT/4BBのエンジンのボアを1.0mm、ストロークを7.0mm拡大し、82.0×78.0(mm)としました。これにより、単室排気量は約412ccとなります。排気量アップで低速トルクを向上させ、厳しくなる排ガス規制などをクリアすることなどが目的でした。最高出力は360馬力で、365GT/4BBより20馬力ダウンとなっていますが、メーカー発表の最高速は302km/hと変わっていません。
従来の「1気筒あたりの排気量」を車名とするルールに従えば「412BB」となるはずですが、このときは「5リットル・12気筒」を示す「512」が採用されました。このタイミングでフェラーリの命名ルールが変更されたという説もありますが、後に、ほぼ同じ排気量の60度V型12気筒を積みながら、単室排気量から名付けられた「412」も登場しています。また、後年には800馬力・12気筒を意味する「812」が登場するなど、フェラーリの命名規則は時代やモデルのキャラクターによって使い分けられていることがうかがえます。
筆者の推測ですが、「512」という命名は「5リットル・12気筒」を前面に押し出したいというマーケティング上の理由からつけられたのではないかと考えます。512BBが登場する前年の1975年には、ランボルギーニ・カウンタックのスペシャルモデルである「ウルフ・カウンタック」が登場(5リットルエンジンを積んでいるとされました)。ライバルの「5リットル」というインパクトに対抗するため、5リットルであることを強力にアピールしたかったのではないでしょうか。
デビュー当時の512BBは吸気システムにウェーバー製トリプルチョーク・キャブレター(1つのキャブレターで3気筒を担当)を4連装していましたが、1981年にはボッシュ製機械式燃料噴射(Kジェトロニック)に変更され、車名も「512BBi」となりました(「i」はインジェクションの意味)。最高出力は340馬力にダウンし、最高速も280km/hに改められています。
なお、「BB」の意味については、365GT/4BBの解説でお伝えした通り「Berlinetta Boxer」(ベルリネッタ・ボクサー)の略です。詳細は365GT/4BBの解答をご覧ください。
それでは、次回をお楽しみに!




