いま子会社を6社ほど経営しており、代表取締役は別の人に任せています。そんな中で、「代表取締役・リーダーの仕事」というのが何なのか、考えてみました。
リーダーのDRDR
「代表取締役・リーダーの仕事」を大きく分けると、以下の4つになります。
1:方向性を決める(Direction) ↓ 2:ルールを決める(Rules) ↓ 3:実施する(Do) ↓ 4:実績を出す(Result)
勝手に「リーダーのDRDR」と呼んでいます(笑)。
そして、その中でも一際大切なのは、1と4でしょう。究極的に言ったら、「これやろうぜ!!!」と言って、それができている状態になっていれば、過程やそこまでの仕事は関係ないわけです。
「これやろうぜ!!!」に関しての重みは相当あります。みんなが納得できて、かつテンションが上がって、かつ実績として出せる状態のギリギリのポイントで、かつ世の中の流れにも沿っているものでないといけないので、最初の方向性を決めるというところに多大な労力がかかってくるわけです。
これが「リーダー(代表取締役)の仕事」です。
2番と3番は、リーダーももちろんやるべきですが、どちらかというと「マネージャー」の仕事です。リーダーが決めた方向性を達成するために、必要な細かいルールやタスク管理、プランを考えるわけです。そして、それを実施します。
もう少し細かく見ていきましょう。
1:方向性を決める(Direction)
方向性を決めるってなかなか難しいと思います。「どうやって決断するんですか? どうやって方向性を決めるんですか?」とよく聞かれます。
集められるだけの情報を集めまくって、でも、やっぱり最後は「エイヤッ」と決めるしかありません。
スティーブ・ジョブズも経営判断に「ランダム性」が重要と考えていて、新しいアイディアやテクノロジーを決めるとき、ときどきサイコロを転がして「会社を賭ける」ことをしていたようです(参照:ウォルター・アイザックソン『スティーブ・ジョブズⅠ』)。
なので、最後は自分の直感を信じて、「決断して覚悟を決め」ましょう。選択した決断が正解だったか不正解だったかは、そのあとの行動によって決められます。
私たちも、「スパルタ英会話を今年6店舗に増やす!!」と決断をして、自由が丘と銀座に店舗を出し、いま大阪の店舗準備を始めています。これが正解か不正解かは、そのあとの全社一致団結での努力と、お客様の満足度で大きく変わってきます。
なので、「6店舗出すぞ!!」とまずは方向性を決めることが重要です。
2:ルールを決める(Rules)
方向性が決まれば、次はルールです。6店舗を出すということが、いかにうまく達成できるか。
店舗展開の責任者は誰にするのか? 店舗展開のときの家賃の想定幅は? 駅からの距離のルールは? 内装のルールは? スケジュールはどうするか? プランAでつまずきかけたときのプランBは?
できるだけ詳細まで、ルール・プランを作っていきます。
3:実施する(Do)
それが決まれば、あとはそれを実施するだけですね。何か大きな変更情報がない限りは、実施まで全員で突っ走ります。
4:実績を出す(Result)
PDCAの理論でいくと、もちろんDoのあとにはチェックが来て、再度修正したアクションプランに落としこまれると思います。通常のタスクレベルのことであったり、デイリーの業務であったりすればそれでいいのですが、リーダー・代表取締役の仕事としては、Doしたら、そのあとには「実績を出している状態(Result)」しか残っていてはいけないでしょう。
と、偉そうなことを言いながら、たくさん失敗して、たくさん実績が出てないものもあるのですが……(笑)。
そうならないように、最初の方向性を吟味して深く考察するようになり、成長していくのだと思います。
執筆者プロフィール: 小茂鳥 雅史(こもとり まさふみ)
株式会社スパルタ英会話 代表取締役
慶應義塾大学院卒業後、外資系証券会社モルガン・スタンレーMUFG証券に入社。退職後、NPO法人JAVO(ボランティア証明書発行機関)を発足。2年後、《語学で「夢はかなう」の実現》を理念とし、3カ月短期集中型の英会話教室を創業。わずか3年で4本のテレビ出演、年商を3億円企業へ。会社規模を拡大させ、世界をひとつのビックファミリーにという想いのもと、語学、IT、金融、人材などの6つの会社を束ねる株式会社We&を設立し、代表取締役に就任。
■株式会社スパルタ英会話