これだけ起業と何度も書いていると、今後数十年でどんな社会になるのか? また、自分の会社を含めて会社という組織体はどういう風になっているのか気になってきました。そんな考察を進めてみたいと思います。

徳川幕府はサラリーマン社会!?

歴史的観点で考えると、硬直化した社会というのが、サラリーマンの多い社会。徳川幕府時代も同じかと思います。逆に社会が硬直化していないのは、戦後や、戦国時代、戦国時代の直後など。それぞれのポジショニングが確定していない時というのは、将来への希望や野心も含めて、起業(当時であれば立身出世)が起きやすいのではないでしょうか。

結局は、「バランス」「パーセンテージ」。

私の歴史の基本的考え方です。「よく歴史は繰り返す」と言いますが、これは社会構造を見たときに、社会の機運やその社会に属する人種のパーセンテージが似たようなバランスを繰り返しているのではないかと思っています。

起業家の例で言うと、常に一定数の起業家はいるものの、社会の流れによって、起業家のパーセンテージが増える時期と減る時期があるということです。徳川時代や、平成初期は起業家が少なくて、戦時中や戦後は起業家が多いという主張です。

こう考えると、戦後巻き起こった起業ブームから、大企業化が進み、終焉を迎え始めている今日この頃。次の起業ブームが起こってもおかしくないと思います。社会と企業体の新陳代謝が起き始めているということですね。

データから見る起業バブル

2017年に全国で新しく設立された法人は131,981社(前年比3.1%増)もあったようです。調査開始以来、初めて13万社を突破しました。ほぼ全国的に法人数が増加しています。

図のように、ベンチャー企業が国内外で調達した金額や、国内のベンチャーキャピタルが投資した金額も右肩上がりで増加しています。アベノミクス後、起業数も増え、そこに流れ込むお金の額も増えてきたと言えるでしょう。

起業だらけの世界?

「起業したらいいじゃないか」と連載で何回も書いてきましたが、そもそもそうすると「会社という組織体が成り立たないんじゃないか?」という疑問から、今回の記事を書いてきましたが、結論として私が考える未来の世界は下記の通りです。

起業の数は増えるが、それは一定数だけであり、サラリーマンとして帰属意識を持つ人も多く存在する

フリーランスや複業、業務委託形式での働き方も増え、働き方が多様化する

会社という組織は「ビジョンを達成するために仲間が集まったもの」と定義が書き換わる

私の会社も、しっかりとしたビジョンをみんなと達成できるような社風にしていかないといけないなぁと、心を新たにしました! がんばります!!

執筆者プロフィール: 小茂鳥 雅史(こもとり まさふみ)

株式会社スパルタ英会話 代表取締役

慶應義塾大学院卒業後、外資系証券会社モルガン・スタンレーMUFG証券に入社。退職後、NPO法人JAVO(ボランティア証明書発行機関)を発足。2年後、《語学で「夢はかなう」の実現》を理念とし、3カ月短期集中型の英会話教室を創業。わずか3年で4本のテレビ出演、 年商を3億円企業へ。会社規模を拡大させ、世界をひとつのビックファミリー にという想いのもと、語学、IT、金融、人材などの6つの会社を束ねる株式会社We&を設立し、代表取締役に就任。

■株式会社スパルタ英会話