フィットネスブームで多くの人が手にしたであろう、フォームローラー。種類はさまざまですが、後に紹介する選び方を間違えなければセルフケアコンディショニングのアイテムとしては一、二を争うと思います。

私がインストラクターを務める「SIXPAD HOME GYM」では、普段から全身7部位14ケ所にEMS(筋電気刺激)がアプローチするパワースーツを着用してトレーニングを行っています。

筋トレだけでなく、体の柔軟性や可動域を上げるアクティブリカバリーなどのプログラムも用意されていますが、自重だけの動き以上に筋肉への刺激は強くなるので、+アルファでのコンディショニングは常に心掛けています。

また、オンライン上でつながっているメンバー(お客様)の皆さんにもフォームローラーはコンディショニングアイテムとして強くお勧めしています。

安価で場所も取らず、全身のストレッチはもちろん、トレーニングにまで幅広く応用可能。常に体のコリやハリがあって、マッサージに定期的に通っている方、ジムに行く時間はないけれど自宅での自重トレーニングにさらに負荷をかけたい方も一本手に入れておくと重宝します。

さまざまな形や硬さ、長さがありますが、私がおススメするものはまず90cmのロングタイプ。最近は30cm程度のコンパクトサイズで、凹凸の目立つ硬い商品が主流ですが、使い道は限られます。

また、痛いのを我慢しながらゴリゴリほぐす人がいますが、それは全くもって逆効果!痛みを感じると筋肉は硬くなるので、やりたいこととは正反対。芯までしっかりEVA樹脂素材で詰まっているものは、フォームローラーの中でも筋肉と性質の似た柔軟性や弾力性があるので、まずは選び方を間違えないようにしましょう。

柔軟性を上げて血流と可動域を向上させた上で、トレーニング強度を上げるのはまさに正月太り予防の鉄板条件。では実際にどのように使えば正月太りが予防できるのか。

柔軟性や可動域向上ストレッチと、自重トレーニングの負荷アップ、そしてEMSを使った短時間高効率のアクティブリカバリーに分けてご紹介させていただきます。

ストレッチ(1)肩甲骨周り

行う前に立った状態で体を左右に倒したり、ねじったり、肩を回してコンディションを確認してみてください。床に仰向けになり、どの程度体が地面に接地しているかもチェックポイントです。

後頭部と骨盤までしっかりとフォームローラーにのせるように仰向けになります。ここでまずはしっかりと脱力して左右にゆらゆら揺れて背中をマッサージ。

ある程度体が緩んだら、動きを止めて中心で仰向けになったまま腕を大きく上下左右、いろいろな方向に動かしたり回したりしてみましょう。

特に動きは決めず、気持ちいいと思う動作を思う存分行ってください。もちろん脚も動かしてOKです。

10分程度体をほぐしたらゆっくりと滑るように降ります。起き上がらずに、床に仰向けになったまま体の変化を感じてみてください。

トレーニング前に姿勢を整え、可動域を上げることで運動効率も高くなり冬太り予防にもつながります。

ストレッチ(2)股関節周り

仰向けになり、お尻の割れ目の一番上にフォームローラーを体に対して垂直に向けて設置します。手で両端を固定したら、ゆっくりと腰を切り返すように動かします。

慣れてきたら大きく脚を開いてよりダイナミックに脚の付け根を中心に動かしてみましょう。両肩は床から離さないように股関節をコントロールして行うことを意識してください。

座りっぱなしの姿勢が続くときに行うことで、腰痛の改善や下半身の血流アップなどの効果が期待できます。

ただし、すでに腰痛など痛みを抱えている方は無理をせず痛みや不安のない範囲で行うようにしましょう!

トレーニング(1)レッグカール

仰向けになったら踵の下にフォームローラーをセットします。そこから膝を曲げて、フォームローラーを転がしながら足の裏で踏める位置まで引き付けてきます。

この時、膝・腰・肩が一直線になるようにお尻やお腹に力を入れるようにしてください。足の裏でしっかりと踏んだらまた元の位置まで戻し、お尻が少し床に触れたら再び持ち上げます。

10回3セットを目安にし、フォームローラーを引き付けてくるときは足で思いっきり踏みつぶすように力を入れてください。お尻を鍛えることで姿勢の改善にもつながり、同じ体重でも見た目のスタイルが大きく変わります。

トレーニング(2)オーバーヘッドスクワット

踵を肩幅程度に開き、つま先をやや外に向けます。まずは和式トイレにしゃがみ込むようにしっかりとスクワットができるスタンスを探しましょう。しゃがみ込む前に踵が浮いてしまう方は浮かないところまででOK。

スタンスが決まったら、次はフォームローラーの両端をもって頭上高く持ち上げます。この時、くるぶしからフォームローラーまでが一直線になるようにしっかりと引き上げた状態をキープしてください。

ポジションが決まったらスクワットを行っていきます。しゃがみ込むほどに腕が前に落ちてくるので、しっかりと引き上げながら行うことで、背面全体に刺激が入ります。姿勢の改善はもちろん、股関節周りがスムーズに動くことで私生活の疲れ方も大きく変わります。

最初に紹介した肩甲骨周りのストレッチを継続して行うことで、腕が落ちにくくなりどんどん上達していきます!

ここまでフォームローラーを使った簡単なストレッチとトレーニングをご紹介しましたが、SIXPAD HOME GYMでは、これら両方の要素を兼ね備えたアクティブリカバリーという運動が可能。EMSの電気刺激によるトレーニング要素と、関節可動域を上げるダイナミックストレッチを組み合わせた運動です。

アクティブリカバリー(1)ティースパインローテーション

四つ這いになった状態から胸を開くように片腕を天井に上げます。この時、腰が反ってしまったり、膝が浮いてしまったりしないように注意し、手と膝でしっかりと床を押し付けるようにしましょう。

無理にひねらず、息を吸いながら大きく開き、息を吐きながら元の位置まで戻る、一連の動作を滑らかに行うようにしてみましょう。

肩甲骨周辺の可動域がアップすることにより脂肪燃焼が促進されることはもちろん、単純な動きにもEMSの働きがプラスされることで、腹斜筋や二の腕も同時に鍛えることができます。

アクティブリカバリー(2)ヒップアブダクション

四つ這いの状態から片脚を開き、お尻を後ろに引く動きを繰り返します。この時背中が丸くならないように太ももの内側がストレッチされている感覚を持って、できる範囲で動いていきましょう。

体が硬くて座って行う開脚のストレッチが難しいという人にはおススメです。

著者プロフィール:KENTA

パーソナルトレーナー、SIXPAD HOME GYM WAVER(インストラクター)、ライター、モデルとしても活動するマルチフィットネストレーナー。