運動と合わせて大切な食事。

トレーナーによっては、ダイエットは9割が食事という人もいるくらいです。もちろん大切なのですが、何をどれくらい食べればいいか分からないという人も多いのではないでしょうか。

最初は難しいかもしれませんが、コツをつかめば簡単です。一日や二日、食事を変えたところで大きな変化を感じることはないので、あとはどこまで継続できるかが勝負!

仕事が忙しく不規則になってしまうことが多くても、健康以上に大切なことはこの世にありません。コンビニ食でも選び方ひとつで栄養バランスが変わり、毎日のコンディションにも影響します。まず簡単にできることの一つは、「いつもは食べないようなものを選ぶ」心掛けです。

太ってしまう多くの人は、甘いものや脂っこいものを好む傾向があります。カップ麺を選んでいた人はざるそば、菓子パンを選んでいた人はおにぎりなど、ちょっとした気遣いでも冬太りは避けることができます。もちろん逆のパターンは言語道断ですが……。

今回は、実際に私の食事写真も交えて解説したいと思います。できるときは自炊を心掛けていますが、外食やコンビニも頻繁に利用しますし、お酒も大好きです。

まず冒頭で、私はトレーナーですが「毎日理想的な食事はしていない」ということお伝えしておきますので、安心してご一読ください。

太る原因と対策

健康的かどうかは別として、基本的に特別な運動をしていなくても太りません。日常生活で使う分だけ食事で補えば±0ですが、現代の生活ではなかなかそう簡単にはいきません。

活動量は減る一方なのに、食事は「糖と脂にまみれた」おいしいものだらけ。太る原因はカロリーの摂りすぎかと思いきや、厚生労働省の調査によると1976年以降、我々のエネルギー摂取量は減少傾向。

ではなぜ太るのか? その大きな理由が、脂肪エネルギー比率が上昇し、炭水化物(=糖質+食物繊維)エネルギー比率が減少していることです。さらには総脂質に占める動物性脂肪比率が、年々上昇傾向が続いていることにもあります。

つまり、脂っこい食事を食べ過ぎて、肝心な即時のエネルギー源である炭水化物を食べていないことが大きな原因。もちろん運動量や水分不足、食品添加物などの摂り過ぎなど理由を挙げればキリがありませんが……。

太る原因はカロリーオーバーだけではないということをまず初めに抑えておきましょう!

  • 出典:厚生労働省「日本人の栄養と健康の変遷」より

PFCバランスとは?

フィットネスブームでこういった言葉を聞いたことがある人、知っている人も増えたと思います。改めて説明しておくと、私たちの体のエネルギーとなる三つの栄養素で、それぞれがどの程度のエネルギー(カロリー)を生み出すかも決まっています。

P(Protein)=たんぱく質(4kcal/g)
F(Fat)=脂質(9kcal/g)
C(Carbohydrate)=炭水化物(糖質)(4kcal/g)

加工食品の裏面には必ず栄養成分表示が書かれています。

皆さんが一番に気にするだろうカロリーは、上記の三つの栄養素の含有量から計算されているだけなので、重要なのはカロリーよりも三つの栄養素のバランス。

その理想的なバランスは最後にご紹介しますが、まずは加工食品を買うときは裏面を必ず見て、どのような原材料が使われて、どれくらいの栄養素が含まれているのかをチェックする癖をつけておきましょう。

例えば「大きなメロンパン」「脂の乗った炙り焼きさば御飯」があった時、太りにくいほうを選んでくださいと言われたらどちらを選ぶでしょうか?

恐らくメロンパンを選ぶ人は少ないと思いますが、実はどちらもPFCバランスはほとんど同じ。

・大きなメロンパン P:11.4g、F:15.7g、C:77.7g
・脂の乗った炙り焼きさば御飯 P:15.9g、F:12.1g、C:78.3g

先ほどバランスが大切だと言ったのに、なぜ痩せる食品とそうでない食品があるのか。実は私たちは既に、「どのような食事が体に良いか選択ができる知識や知見がある」ということにまず自信を持っておいてください。

もちろん理由を書き出せばたくさんありますが、まずは一目見てどんな原材料が使われているかパッと分かることも、冬太りを防ぎ痩せやすい食事を選ぶときの一つのポイント!

食生活を整えるおススメ法

食事は毎回何を食べようか悩みますよね。

実はその作業をなくすだけでも劇的に食事が楽になります。選ぶ楽しみが減って悲しいと思われる人もいるかもしれませんが、実際悩んだ挙げ句に食べたいものを食べる機会ってそんなに多くないと思うのですがいかがでしょう……?

仕事をしていれば、ランチは貴重な楽しみの一つだと思いますので、同僚や先輩たちと悩みながら楽しんで選ぶことは避けられないでしょう。

でも、朝や夜に一人で悩むくらいなら最初から食べるものをある程度決めておいても何ら問題はないと思います。特に朝、コンビニで適当な菓子パンを買ってただお腹を満たすなんて、それこそ時間と健康の無駄使い!

時間がなくても家で食べることができる一例が納豆ご飯。

キムチや卵、ゴマや青のりをトッピングすれば栄養バランスはさらにアップします。また、付属のタレの代わりに、ごま油と塩コショウ、青じそドレッシングやコチュジャンなどを入れて味変させれば飽きることなく楽しむこともできて一石二鳥です。

私の朝食ルーティン

私の場合、朝は決まって数種類のフルーツに豆乳ヨーグルトをかけて食べます。フルーツはすぐに腐ってしまう印象がありますが、冷蔵庫に入れておけば2週間くらいは日持ちするものも多いのでおススメです。

糖質が多いからと嫌煙する人もいますが、朝こそエネルギー源やビタミンミネラル、そしてたんぱく質をしっかり摂ることが重要です。

糖質の中でも"精製されていない糖質"が体に良いと聞いたことがあると思いますが、フルーツはまさに精製されていない糖質の宝庫! かなりの量を食べてもほとんど水分なので500kcal程度と、メロンパン1個とさほど変わりません。

現代の生活では、野菜や果物がどうしても不足してしまうので、朝食はそれらをしっかりと補う最高のタイミング! これらが不足すると食事からの水分量も少なくなるので、意識的に水分を摂っていない人は、知らず知らずのうちに水分不足に陥っている可能性も……。

100円ショップや雑貨屋に行けば、果物を簡単に剥くことができるアイテムそろっていますので、手間もそんなにかかりません。

私の昼食&夕食ルーティン

お昼は外食が多くなりますが職業柄、体を動かさなければいけないことも多いので消化の良いものを心がけます。

特に脂っこいものを避けるという程度で、過剰に気にすることはありませんが、多くの人はお肉や麺類が多くなると思いますので、しっかりとよく噛んで食べることが大切。

誰かと一緒に食べているとついつい早く食べ終わらなければいけないと焦ってしまいますが、ゆっくりよく噛んで食べることもダイエットでは重要!

夕食は魚や低脂質な鶏肉を選ぶことが多いです。魚には良質な脂質が多く含まれているので、夜遅い場合はスーパーで値引きされた刺身を買うことがほとんどです。生の食材には食物酵素も含まれているので、積極的に食べるようにしています。

また、夜に炭水化物を食べないという人もいますが、ゼロにするのではなく食物繊維もしっかりと摂れるように、質と量を選択して食べると良いです。

私の場合は時間があるときに玄米をたくさん炊いて、200gずつラップに包んで冷凍保存しています。

食事に関してはどれだけ面倒な作業を避けられるかが鍵。ご飯を炊いて冷凍しておく、一度に複数食作る、使う食器を減らす、脂っこい食事を避けて洗い物を楽にする……。挙げだせば、まだまだ工夫できるポイントはあるはずです!

必要な栄養はどれくらい?

実際にどれくらい食べればいいかという問題になりますが、カロリー計算の簡単な算出方法があります。あくまでも目安なので、面倒な人は簡単に計算してくれるアプリなどを使ってみてください。

基礎代謝

除脂肪体重(体重-体脂肪量)×21.6+370(kcal)
※この基礎代謝は寝ていても消費するエネルギーなので、そこに活動量に応じた掛け算をします。

消費エネルギー

ほとんど家から出ないテレワーク中心の人:基礎代謝×1.2。
通勤や通学、最低限の日常活動がある人:基礎代謝×1.5。
肉体労働や定期的な運動を行っている人:基礎代謝×1.7。
アスリートや筋肉量が多く、運動量も多い人:基礎代謝×1.9。

まずはこれを計算してそこから必要なPFCバランスを計算します。PFCのカロリーは前述の通りなので、そこから6:2:2に分けてみましょう。

体重50kgで体脂肪率20%、デスクワーク中心でほとんど歩かないという人を例にしてみましょう。除脂肪体重は40kgなので、基礎代謝は1,234kcal。×1.2で約1,500kcalが一日に必要なエネルギーになります。そこから6割が炭水化物なので900kcal。炭水化物1gが4kcalなので225gと計算できます。同様に計算していくと、たんぱく質が75g、脂質が33gとなります。

ここで注意してほしいのは炭水化物の量≠お米の量です。お米は水分が多く、炭水化物量は約40%。つまり一日に500g程度ご飯を食べても問題ありません。

もちろんどれも厳守する必要はなく目安ですが、普段食べているものの裏面を見てみてください。菓子パンは一つ食べるだけでも、驚く量の脂質が……。

冬の時期は忘年会や新年会など、食事が乱れる機会も多いですが、普段の心掛けでいくらでも取り返せます。冬太りを防ぐためにも、特別な日に備えて普段の生活ルーティンを改めて作りあげてみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール:KENTA

パーソナルトレーナー、SIXPAD HOME GYM WAVER(インストラクター)、ライター、モデルとしても活動するマルチフィットネストレーナー。