「日本風の料亭で飲んでる急須の中身は日本酒ですか?」

前回の“韓ドラで見る庶民のお酒あるある”に続き、今回は“お偉い人たちのお酒あるある”について考えてみました。 最近の韓ドラに出てくる悪い権力者たちは、だいたい日本風の料亭の個室で、だいたい刺身を食べながら、当たり前のように悪だくみの話を進めていますよね。そのときに飲んでいるお酒は、なぜか急須から注がれる。場所と雰囲気的に、きっと日本酒。き、急須で日本酒を!? ここ、日本人なら絶対引っかかるポイントだと思います。韓国では、そのスタイルが流行っているのか。

  • イラスト/みつほし

申し訳ないのですが、その答えは分かりません。謎です。なぜなら、周囲にいる韓国人数名に聞いたところ、全員が「あんな高級そうな日本食の店には行ったことがない」という回答だったもので……。

ただ、その人たちもみんな“日本酒は徳利に入って出てくるもの”という認識は持っていました。特に日本酒や和食に詳しくなくても、「なんか、こんな形してるので飲むんでしょ?」と。韓国にある一般的な日本食店には「トックリ」という酒のメニューがあったりするくらいです。

ポイントは“高級な日本食店”というところでしょうか。中国や韓国の時代劇を見ると、王様たちは持ち手が横についた酒器を使っています。持ち手が横だと酒器かティーポットかっていう印象になりますね。さらに日本のおとそを入れる酒器は、持ち手が上についた急須にそっくりな形。ということは、歴史的にあれは高級な酒器の形なのです。そこから想像すると、高級感を演出してああなったのか、見ているこっちが庶民すぎて急須しか浮かばない問題なのか。たぶん、両方の掛け合わせ。

財閥のどら息子などが、カラオケボックスのような大きな個室でウィスキーのストレートを一気飲みする姿もたびたび見かけますよね。あのカラオケボックスはルームサロン、いわゆる高級クラブのような場所です。

で、ウィスキーをストレートで一気。ソジュと間違ってるのかなっていうぐらいの飲みっぷりですが、韓国ではソジュやマッコリなど、お酒を割らずに飲むことに慣れているようです。一気に飲んでいるのは、大体荒れているときなので、やけ酒ですね。次の日、大丈夫なんでしょうか。そんなことも考えられないくらい荒れているんだぞっていう演出なんでしょうけど。勝手に心配になる。

前編からいろいろ書いてきましたが、韓国のお酒事情はどんどん変化していて、最近ではハイボール流行りで日本への旅行者が角瓶を大量購入なんていうニュースも出ていました。日本の生ビールも人気で、韓国でも購入できる日本の生ビール缶が入手困難なぐらい人気という話も。お酒を割ってるし、味わっている!

飲食はその国の文化や時代を反映するもの。ドラマの中のお酒の描かれ方も、今後変わっていくのかもしれませんね。

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